「青春18きっぷ」は値上げせず、「北海道&東日本パス」は小幅な値上げ

 この夏も「青春18きっぷ」及び「北海道&東日本パス」は発売されます。まずは「青春18きっぷ」から説明します。

 「青春18きっぷ」は、この春と同じです。日間用の発売期間は7月4日から9月7日、利用期間は7月19日から9月9日(9月7日出発分まで発売)、5日間用の発売期間は7月4日から9月5日、利用期間は7月19日から9月9日(9月5日出発分まで発売)です。7月の3連休から使えるようになっています(その代わり、終了の日が1日早くなっています)。いずれも利用開始日の1か月前から発売します。値段は大人、子供同額で、3日間用が10000円、5日間用が12050円です。JR北海道やJR九州で値上げがありましたが、「青春18きっぷ」は据え置きです。「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」についてはJR北海道の値上げを反映させて、4650円になっています。

 春は3月末で使えなくなった「北海道&東日本パス」ですが、こちらは若干の値上げになっています。大人11530円、子供5760円です。春はそれぞれ11330円、5660円でしたから、少しの値上げです。なお、今回の発売期間は6月20日から9月24日、利用期間は7月1日から9月30日です。連続する7日間使えます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250602_ho02.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250602_ho01.pdf)

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12年後のJR発足50周年をどう迎えるか?(2)

 昨日の記事の続きです。

 かつてはローカル線だけだったワンマン列車ですが、大都市圏特急列車でも行われる例が出ています。そしてこれからは、運転士も要らないようになるかもしれません。自動運転になれば、当面は係員が運転席に乗るとしても、その養成費用は大幅に削減されます。非常時用の運転士はともかく、日常の運行は係員で十分と割り切ります。また、車掌や駅員はともかく、技量が必要な運転士は本社の社員であると思っていたのですが、熊本市交通局のように運転士がほとんど非常勤職員という例が出ています。コスト削減のために鉄道の運行に欠かせない人間を子会社などの会社で雇って給料水準を下げ、本社で高い給料をもらっているのは鉄道には何の関係もない人です。後12年で完全に自動運転が行われ、線路や車両の保守も要らなくなるならともかく、そうでない限りは人間にその仕事をやってもらわないといけません。日本の経済状況が悪くなると、技能実習生というかたちで外国から安い労働力を呼ぶこともできなくなります。

 物事何でもそうですが、改革には良い面も悪い面もあります。国鉄がJRになったことにより、労使関係のもつれもあって停滞していた技術が一気に花開き、魅力的なサービスがたくさん出ました。ただ、JR6社はそれぞれ独立した存在で、利害があってもそれを調整することができません。首都圏のあるJR東日本、東海道新幹線を持っているJR東海は大儲けしましたが、JR北海道やJR四国は低金利で当初計画していた利子収入が取れず、苦しんでいます。バスで十分なローカル線は廃止すれば良いのですが、幹線が潰れては困ります。しかし、株主にとってはマイナス要素しかないJR東日本によるJR北海道の救済合併はできません。JR北海道のローカル線を廃止して(場所によっては特急のみの運行にして)、スリム化を図るのが先でしょう。先も述べましたが、ローカル線の運賃は異様に安いのですから。後、JRではなくなりましたが、並行在来線の貨物列車の扱いも本来の姿をゆがめています。並行在来線に貨物列車を走らせると、多額の線路使用料がもらえます。下手に列車を増発すると、線路使用料が下がり、並行在来線会社の経営が悪化します。特急や夜行列車を走らせたくても走らせることができないのです。もちろん、並行在来線を分離したのは全国の鉄道ネットワークを毀損するという意味で望ましくはないのですが、赤字だから並行在来線が生まれたのであって、JRに引き取らせることはできません。枝線を分離することができるのを条件としないといけないでしょう。

 ここから先は余談のレベルになるかもしれませんが、(JR貨物のような割安なものではなく)適切な線路使用料を払うことによって、JR以外の第三者が夜行列車を走らせるというアイデアはあっても良いでしょう。候補は東京-大阪間のような旅客需要の多い区間や、東京・大阪-札幌間のような観光需要が見込めそうな区間です。豪華寝台列車に乗っても、出発したところに戻るのなら、何のための夜行列車かわかりません。
(参考:「鉄道ジャーナル」2025年4月号 鉄道ジャーナル社)

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12年後のJR発足50周年をどう迎えるか?(1)

 JRが発足してから38年が過ぎました。すでに国鉄が存続した期間を上回っています。そして、後12年経つと、JR発足50周年ということになります。2037年、JRはどのような姿になるのでしょうか? ちょうど気になる記事が「鉄道ジャーナル」にありましたので、それを参考にして書きたいと思います。

 残念ながら、この期間に新幹線が開業する見込みはありません。北海道新幹線の全線開業は2038年度と言われていますし、北陸新幹線も西九州新幹線もルートが決まらず、中途半端な状態が続きます。リニアの品川-名古屋間の開通は2034年以降なので、JR50周年の時点では開通しているのでしょうか? 東京大阪の比較的短い路線を除いては、新しくできるのはあまり期待できないです。

 それに比べて変わるのが予想されるのが、切符。極論から言えば、スマホに委ねれば良いのです。磁気を含めた紙の切符、交通系ICカードの代わりにスマホが切符になるのです。「みどりの窓口」もなく、各自が鉄道会社のホームページにアクセスして、新幹線等の切符を予約し、代金も紐付けされたクレジットカード等で決済するのです。列車の出発時間が近くなると、勝手にメールが送られてきて、乗り遅れがないようにアナウンスしてくれます。当然値段も空席状況に応じて変化します。短距離だと自動改札機にスマホをタッチするだけで勝手に決済されます。今でもやっている人はいますが、それが普通になるのです。以前、リニア中間駅についての記事を書いたとき、リニアの中間駅には「みどりの窓口」等の営業施設が全くない、と書きましたが、そういう世界になるのです。自動券売機や「みどりの窓口」がなくなれば、都会の駅は売店で稼ぎますし、地方の駅だと駅舎も何もかもなくなります。ホームと雨をしのぐ小さな屋根、ベンチがあるだけです。時刻表もなく、自動改札代わりのQRコードがあるだけです。

 ここまで極端でなくても、インターネットで長距離切符を買う動きはどんどん加速されますし、大都市圏などにある自動改札もQRコード化されるでしょう。紙の乗車券がQRコード化すれば、切符を磁気に対応させる必要がなくなります。紙の切符にQRコードを印刷すれば良いのです。ただ、運賃制度があまりにも硬直的で、様々な交通機関がある現代と全く合っていません。鉄道しか公共交通機関がなかった時代ならそのような規制は必要だったでしょうが、今はバスもありますし、航空機もあります。車も普及しています。延々と鈍行で長距離を乗るような人はいません。大都市圏はともかく、そうでないところは無駄に安いです。需要がある路線でも赤字で適切な投資が行われない原因になります。場所によっては、並行在来線の運賃と新幹線の運賃・料金がほぼ同じという区間もあります。値上げすべきなのは大都市圏以外の路線であり、鉄道の特性を活かせない路線のために大都市圏の住民が我慢をする必要はありません。地方の運賃を中心に正規料金を値上げして、安さを求める人にはインターネットの切符で対応するのが望ましい方向性と考えられます。

 ただ、今後さらに積極的になるインターネットの切符にも、弱点があります。同じJRでありながら、会社によってシステムが異なります。小田急と近鉄といった私鉄同士なら仕方がないでしょうが、同じJRグループなら、基本的な操作は統一すべきでしょう。そういう意味では、JR6社の独立性は強すぎます。JRホールディングスといった各社の利害を調整する機関は必要だったのでしょう。また、JRのインターネット予約も、「みどりの窓口」の機能を移しているために、どうしても複雑になってしまいます。鉄道に詳しい人ならともかく、そうでない人にとっては難しいです。新幹線に特化している「エクスプレス予約」が評価されるのも、駅が限られているため、その分操作が簡単になるからです。新幹線だけのお得な切符を用意して、新幹線駅からは別途買ってもらうと割り切るのも手なのです。

 長くなりましたので、残りは明日書きます。
(参考:「鉄道ジャーナル」2025年4月号 鉄道ジャーナル社)

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国鉄の期間より、JRになってからの期間のほうが長い

 国鉄が存続した期間と、JRが発足してからの期間とでは、どちらが長いのでしょうか?

 国鉄が存続したのは1949年6月1日から1987年3月31日までの間。日数にすると13818日間。これに対してJRは1987年4月1日から続いていますので、この記事を書いた2025年1月29日時点では、13819日になります。JRになったのはこの間のように思えるのですが、実は国鉄時代よりも長くなったのです。

 それを考えると、JR発足当時の仕組みがそのまま維持できなくなっていることは、ある意味やむを得ないです。これがJR発足から数年の段階では、「JRの努力が足りない」で終わった話でしょう。ある程度は黒字路線の収益で赤字路線を養っていくものですがら。しかし、あれから40年近くが経ちました。鉄道は自助努力で赤字を受けていくのに対して、道路は税金で高速道路まで整備されました。鉄道は使われず、閑散としていくのは当たり前のことです。今、廃止で問題になっているのは、このようなバスでも供給過大になってしまう路線です。誰がどうやっても、経営できず、廃止になっても文句が言えないような路線です。本来なら、鉄道が社会的価値のある間に対策を取らないといけないのです。氷見線や城端線クラスの段階で対策を取らないといけないのです。JRはそういう路線でも運営してきたので、逆にそれなりの評価をしなければならないでしょう。

 ほかにも、6社に細かく分けたことが良かったのか、またJRホールディングスみたいな各社の利害を調節する機関が必要だったのではないか、という話もあります。JR東海がリニアをつくるのは、金が余って仕方がない、という側面もあります。利害を調節する機関があれば、JR東海の余ったお金で新幹線を整備したり、地方の主要幹線を維持したりすることもできます。元々JR北海道やJR四国あたりは金利収入で鉄道の赤字を埋める計画でしたが、金利の低下などのようなJR発足当時に予想できなかった事態が生じても、それをカバーすることができたのです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/a529df6330de50cd1c34ae248947eb4005fee69a)

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「青春18きっぷ」は他人に譲渡・貸与できず

 2024年冬から連続する3日間もしくは5日間有効となった、「青春18きっぷ」。2025年春も発売されることになりました。

 さすがに前回、大きく変わったばかりなので、大きな変更はありません。3日間用の発売期間は2月14日から4月8日、利用期間は3月1日から4月10日(4月8日出発分まで発売)、5日間用の発売期間は2月14日から4月6日、利用期間は3月1日から4月10日(4月6日出発分まで発売)です。いずれも利用開始日の1か月前から発売します。値段は大人、子供同額で、3日間用が10000円、5日間用が12050円です。全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(気仙沼線BRT柳津-気仙沼間、大船渡線BRT気仙沼-盛間、JR九州バスの日田彦山線BRT添田-日田間)、JR西日本宮島フェリー(別途、現地で宮島訪問税100円の支払いが必要です)が乗り放題であることも変わりません。一部の例外を除いて、JR以外の他社や新幹線、特急、急行列車及び普通・快速列車のグリーン車指定席に乗ることができないことも変わりありません。なお、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」については3月31日発売分までは4500円ですが、4月1日分からは4650円になります。JR北海道の値上げが影響しているものと思われます。さらに言えば、同じ4月1日からJR九州も値上げします(JR西日本も運賃の改定を行いますが、値上がりするところも値下がりするところもあります)。夏は「青春18きっぷ」の値段が上がることも予想されます。

 なお、今回の「青春18きっぷ」から、他人への譲渡や貸与はできない旨の記載がなされています。これまでは金券ショップでの売買がよく行われていましたが、2024年冬の見直しで連続して使わないといけなくなり、さすがに金券ショップでの売買は事実上不可能になったと思っていました。しかし、そのような記述ができたということは、連続して使わないといけないようになっても、金券ショップで売買する事例があったのでしょうか?
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20250122_ho02.pdf)

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JRグループ、2026年3月に往復乗車券、連続乗車券を廃止

 往復乗車券とは同一区間を往復する場合に発売される切符で、片道601キロ以上だと、運賃が行きも帰りも1割引になります。有効期限は片道の倍になります。連続乗車券は乗車区間の一部が重複するときなどに発売され、有効期限が延びるというメリットがあります。往復乗車券は1887年、連続乗車券は1958年から発売しています。

 知っていればお得になるこれらの切符ですが、最近は発売枚数が減っているようです。JR東日本によれば、往復乗車券の利用は過去5年間で2割減少しました。指定席券売機や駅の窓口で発売される中長距離切符に占める割合は約16%に減っているようです。その原因として、交通系ICカードの普及や、ネット予約システムの普及を挙げています。そこでJRグループは、往復乗車券と連続乗車券の発売を2026年3月で終了することを発表しました。なお、インターネットで発売する切符にも往復割引の制度がありますが、それの扱いについては未定です。

 どうしてもこれらの切符は駅の窓口で買うもので、しかも複雑になりやすいものです。JR側としてはこれらの切符の発売をなくして、単純化したいというのは理解できます。「みどりの窓口」で買う切符は割引のない単純な切符だけにして(その意味でも、東京だけを狙い撃ちにしたJR東日本の値上げは残念です)、後はインターネットでの割引を充実させるのが、今の時代に合った適切な対策と思われます。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASSD22QRJSD2UTIL01NM.html)

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「青春18きっぷ」が3日間or5日間連続に(3)

 前の記事で書くことができなかった、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」について書きます。

 「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売期間は11月26日から2025年1月10日、利用期間は12月10日から2025年1月10日です。値段は大人、子供同額で、4500円です。北海道新幹線新青森-木古内間の普通車の空いている席と道南いさりび鉄道線木古内-五稜郭間の普通列車を連続して同じ日に使う場合に限り、片道1回使うことができます。途中下車は北海道新幹線と道南いさりび鉄道線の乗換駅である木古内を除き、できません。北海道新幹線新青森-木古内間以外にまたがって乗る場合は、全区間の乗車券、特急券が必要になります。道南いさりび鉄道線の各駅で下車した場合には、道南いさりび鉄道線全乗車区間の運賃が別途必要です。こちらも値段は上がりますが、新幹線が使える区間が増えるので、所要時間は大幅に短縮されます。

 この「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」は、「北海道新幹線利用券」と「道南いさりび鉄道線利用券」の2枚セットになっていて、その日に有効な「青春18きっぷ」とセットで使います。北海道新幹線は自動改札を使うことができるので、「青春18きっぷ」と「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を一緒に自動改札機に投入します。道南いさりび鉄道線では自動改札がないので、係員に「青春18きっぷ」と「道南いさりび鉄道線利用券」を一緒に呈示します。

 利用開始日の変更は、有効期間の開始日前または有効期間内で未使用の場合に限り、1回だけできます。払い戻しは、有効期間の開始日前または有効期間内で2枚とも未使用の場合に限り、440円の手数料を差し引いて行います。また、ほかの特別企画乗車券との併用はできません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/241024_00_press_Seisyun18kippuHanbai.pdf)

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「青春18きっぷ」が3日間or5日間連続に(2)

 昨日に続いて、新しくなった「青春18きっぷ」について書きます。

 まず発売期間及び利用期間について説明します。新設される3日間用の発売期間は11月26日から2025年1月8日、利用期間は12月10日から2025年1月10日(2025年1月8日出発分まで発売)、5日間用の発売期間は11月26日から2025年1月6日、利用期間は12月10日から2025年1月10日(2025年1月6日出発分まで発売)。正月に入っても買うことができます。値段は大人、子供同額で、3日間用が10000円、5日間用が12050円です。5日間用に比べて3日間用の割高さが目立ちます。同じようなシステムの「秋の乗り放題パス」が3日間で7850円ですから。

 全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(気仙沼線BRT柳津-気仙沼間、大船渡線BRT気仙沼-盛間、JR九州バスの日田彦山線BRT添田-日田間)、JR西日本宮島フェリー(別途、現地で宮島訪問税100円の支払いが必要です)が乗り放題です。それ以外の路線については、ごく一部の例外を除いて利用できません。青い森鉄道、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道、ハピラインふくいについては、一部区間に限り、JR線からこれら第三セクターを経由して当日中にJR線に乗り継ぐ場合に限り、利用することができます。このルールについては、今回の変更後も見直しがなされず、変わりありません。

 新幹線、特急、急行列車及び普通・快速列車のグリーン車指定席には乗車することができません。特急券等を買っても、乗ることができません。また、普通・快速列車の普通車指定席、グリーン車自由席は料金を払えば乗ることができます。奥羽線新青森-青森間は追加料金なしで全車指定席の普通・快速列車の普通車の空席を利用することができます。ただし、一部区間では追加料金なしで特急等に乗ることができます。石勝線新得-新夕張間、室蘭線東室蘭-室蘭間は、普通車指定席の空席に座ることができます。同一列車でこの区間の外にまたがって乗る場合は、全区間の乗車券、特急券が必要になります。奥羽線新青森-青森間は、普通車自由席に座ることができます。同一列車でこの区間の外にまたがって乗る場合は、全区間の乗車券、特急券が必要になります。佐世保線早岐-佐世保間、宮崎空港線宮崎空港-宮崎間は、普通車自由席に座ることができます。同一列車でこの区間の外にまたがって乗る場合は、飛び出た区間の乗車券、特急券が必要になります。

 利用開始日の変更は、有効期間の開始日前または有効期間内で未使用の場合に限り、1回だけできます。ただし、3日間用を5日間用に変更、または5日間用を3日間用にすることはできません。いったん払い戻す必要があります。払い戻しは、有効期間の開始日前または有効期間内で未使用の場合に限り、220円の手数料を差し引いて行います。利用開始後の列車の運休や遅れによる払い戻しは行いません。

 これまでの「青春18きっぷ」では、東京や大阪付近を除いて0時を過ぎた最初の停車駅までしか有効でなかったのですが、今回からは最終列車まで利用できるようになりました。普通列車の夜行列車がなくなったので、単純に最終列車まで利用できるようにしても問題がなくなったのでしょう。なお、終夜運転等を行う場合は、通常ダイヤの最終列車までが有効となります。

 また、別記事で書く「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を除いては、ほかの特別企画乗車券との併用はできません。新快速の「Aシート」に乗るとき、「チケットレス指定席券」で乗ることができないのはこのためです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/241024_00_press_Seisyun18kippuHanbai.pdf)

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「青春18きっぷ」が3日間or5日間連続に(1)

 普通列車、快速列車に限りますが、JR線ならどこでも行くことができる、「青春18きっぷ」。鉄道に詳しくない人でも知っている、知名度の高い切符です。その「青春18きっぷ」ですが、この冬から内容が大きく変わります(通常、1年分まとめて発売を発表する「青春18きっぷ」ですが、、冬と発表がバラバラだったのは、この変更のためでしょうか?)。

 「青春18きっぷ」はこれまで、利用期間内なら任意の5日間利用することができました。連続していなくても、飛び飛びで使うことができましたので、1枚買って、週末に1回ずつ使うこともできました。また、同一行程ならば複数人で使うこともできました。2日で1泊2日の旅行に出かけ、残った1日分を後日使う、ということもできました。

 しかし、この冬から、連続して3日間もしくは5日間使わないといけないようになりました(3日間用が新たに発売されます)。事前に利用開始日を決めて買うことになります。この10月に使えた、「秋の乗り放題パス」と同じようなシステムになります。事前に利用開始日を決め、そこから連続して3日間もしくは5日間使えるシステムになったため、自動改札機を通ることができるようになりました。自動改札機のある駅では有人の改札は少なく、通り抜けるのに苦労していましたが(最近は有人の改札がないところもあります。遠隔地にいる係員とインターホン越しに話して通過できるようにするため、時間がかかります)、そういう問題はなくなります。

 JR側としては複数人数での利用が減り、個人での利用が増加傾向にあるため、利便性の向上を目指してこのような変更をしたようです。私も複数人で使ったことはありませんし、自動改札機を通ることができるようになったのは大きな改善点ですが、連続して使わないといけないというのはかなり厳しいです。5日間連続で乗ることができるのは学生ぐらいで、しかも朝から晩まで乗りまくるガチな人しか使いこなせないでしょう。日帰り旅行を楽しむライト層には厳しいです。3日間用ができたのは良心的ですが、値段が10000円と割高です。「秋の乗り放題きパス」が7850円であることを考えると、値段の差の説明はつきません。JR側も今回の変更は試行と捉えているようで、2025年春がどうなるかは未定です。あくまでも推測ですが、このような変更を行った背景には、金券ショップでの売買を減らしたいとの考えがあるのでしょう。これまでの「青春18きっぷ」は、5日分が1枚の切符になって発売されていましたが、余った切符は金券ショップで売ることができました(買い取り値段は事前に公表されていますので、それを計算して使うことができました)。5日間分も要らないけれど、普通列車で旅をしたい人は、金券ショップで一部が使われた「青春18きっぷ」を買って、安く旅することができました。私もよく使っていましたが、そういうのを封じたかったのでしょう。利用者の視点からはともかく、JRの立場としては理解できます。

 このほか、「青春18きっぷ」に関しては、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も変わります。値段は4500円に上がりますが、新幹線に乗車することのできる区間が奥津軽いまべつ-木古内間から、新青森-木古内間に変わります。津軽線の蟹田以北がバスに転換される方向であることから、新幹線に乗る区間を伸ばしたのでしょうか?

 長くなりましたので、残りは明日書きます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/241024_00_press_Seisyun18kippuHanbai.pdf、中京テレビ NewsWEB https://www.ctv.co.jp/news/article/?643669b2819f4637a0dfee747aec0e59#)

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2024年夏は「青春18きっぷ」発売

 「青春18きっぷ」は鉄道に興味がないような人でも知っている、非常に知名度が高い切符。通常、春、夏、冬の学生が休みのときに発売されるのですが、2024年夏の「青春18きっぷ」の発売についての発表がなかなかなく、「発売が中止になるのではないか」という声まで出ていました(しかし、「青春18きっぷ」はあまりにも有名な切符のため、廃止になるにしても何らかのアナウンスがあると思われます。「ムーンライトながら」が廃止になったときのように)。

 多くの鉄道ファンを心配させた「青春18きっぷ」ですが、18日になって発売が発表されました。今回も春のときと同様、夏の分だけの発表です。発売期間は7月10日から8月31日まで(例年より発売開始が10日ほど遅くなっています)、利用期間は7月20日から9月10日です。値段は従来通り、12050円です。「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も発売されます。

 皆さんも御存じの通り、「青春18きっぷ」はJR全線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT、JR西日本宮島フェリー(ただし、現地で宮島訪問税100円の支払が必要です)が乗り放題です。特急に乗ると運賃も払わないといけないのですが、一部区間では特例として追加料金なしで特急の普通車自由席等が使えます。JR以外の路線は並行在来線の第三セクターであっても対象外ですが、一部区間では特例として追加料金なしで乗ることができます。その条件は、春の「青春18きっぷ」(北陸新幹線敦賀延伸後)と同じです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240618_01_press_Seishiyun18kippu_1.pdf)

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