「北日本&東日本パス」は値上げ、「青春18きっぷ」は値上げせず

 JRグループの各社から「青春18きっぷ」、JR北海道及びJR東日本から「北海道&東日本パス」の発売が発表されました。

 ここのところ、「青春18きっぷ」、「北海道&東日本パス」の発売は各シーズンごとの小刻みで、今後が心配だったのですが、今回は「青春18きっぷ」、「北海道&東日本パス」ともに一気に冬までの発売を発表しています。少なくとも2026年冬季までの1年間の発売は確定しています。

 まず、「青春18きっぷ」の利用期間及び発売期間について説明します。春季は利用期間が3月1日から4月10日まで、発売期間が3日間用が2月13日から4月8日まで、5日間用が2月13日から4月6日までです。夏季は利用期間が7月18日から9月8日まで、発売期間が3日間用が7月3日から9月6日まで、5日間用が7月3日から9月4日までです。冬季は利用期間が2026年12月11日から2027年1月11日まで、発売期間が3日間用が2026年11月27日から2027年1月9日まで、5日間用が2026年11月27日から2027年1月7日までです。いずれも、発売開始以降、利用開始日の1か月前から発売します。値段は大人、子供同額で、3日間用が10000円、5日間用が12050円です。

 「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も2026年冬季までの発売が確定しています。春季は利用期間が3月1日から4月10日まで、発売期間が2月13日から4月10日までです。夏季は利用期間が7月18日から9月8日まで、発売期間が7月3日から9月8日までです。冬季は利用期間が2026年12月11日から2027年1月11日まで、発売期間が2026年11月27日から2027年1月11日までです。発売開始以降、利用開始日の1か月前から発売します。値段は大人、子供同額で、4650円です。

 JR北海道、JR東日本、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行の普通列車が連続する7日間乗り放題の「北海道&東日本パス」も、2026年冬季までの発売が確定しています。春季は利用期間が3月1日から4月22日まで、発売期間が2月13日から4月16日までです。夏季は利用期間が7月1日から9月30日まで、発売期間が6月20日から9月24日までです。冬季は利用期間が2026年12月11日から2027年1月11日まで、発売期間が2026年11月27日から2027年1月5日までです。 値段は3月13日発売分までが大人11530円、子供5760円、3月14日発売分からが大人11780円、子供5890円です。JR東日本が値上げするので、その分値上げするのでしょうか? 逆に言えば、JR東日本の値上げがあるにもかかわらず、「青春18きっぷ」は値上げしないのです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2025/20260205_ho03.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2025/20260205_ho02.pdf)

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JR、ローカル線のサービスレベルが低いことを認める

 JRの運賃は大都市圏でも赤字ローカル線でもあまり変わりがありません。例えば、JR東日本の場合、3月に値上げを行い、山手線などこれまで若干安かった首都圏の運賃はかなり上がります。山手線と廃止になりそうな区間の運賃が同じなのです。つまり、ローカル線の利用者は比較的安い運賃で利用できるのですが、そのことが運行本数や車両数といったサービスレベルにどのような影響を与えるのでしょうか?

 2025年12月のことですが、国交省の検討会で、JR東日本、JR西日本、JR九州の3社がローカル鉄道についての回答を行いました。その中で、都市部の路線については私鉄に比べてサービスレベルに遜色はないとのことでしたが、地方のローカル線の運行本数については私鉄や第三セクターに比べて少ないことを認めています。つまり、自らサービスレベルが低いことを認めたのです。

 JRが必要な投資を行わず、ケチケチしていると単純に非難することはできません。鉄道の運賃は、高速バスや航空機と違って硬直的な運賃で、需要に見合った適正な運賃が取れず、しかも公共交通機関としての役割を求めている割にはJRは新幹線、大都市圏、不動産あたりで儲かっているとして補助金ももらえません。企業としてはコストを抑える経営しか選択できないのです。ある意味どうしようもないのです。JRを非難しても何も解決しないのです。

 バスどころかジャンボタクシーで十分成り立つようなローカル線なら、無理に延命措置はせず、廃止するのが唯一の選択肢でしょう。問題は、それなりに需要がある路線です。こういうところは、地元等がある程度お金を出すことによって、サービスレベルを上げるのが望ましい方法でしょう。枝線のような路線にしか使えませんが、氷見線や城端線のような方法は、考慮に値する案と言えます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/mobility202601/)

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ローカル線への過大な内部補助はすべきか

 JRは利用者の少ない路線を廃止しようとしますが、廃止される側の地元自治体は強硬に反対します。そのときに地元が持ち出す論理は、「JRはトータルでは儲かっているので、黒字のところで穴埋めすればよい」というものです。どんなローカル線でも新幹線や大都市圏、不動産業の黒字で穴埋めしなければならないというのです。このような内部補助はどんなところでもしなければならないでしょうか?

 全く内部補助をしてはいけない、ということはありません。鉄道というものはネットワークで成り立つものであり、単純に一部分だけを切り取って存廃を論じてはいけません。そもそも、国鉄の分割民営化のとき、需要の少ないローカル線は廃止され、それなりに需要がある路線のみ引き取ることにしたのです。

 ただ、分割民営化から40年近くが経過しています。気がつけば、国鉄時代より長くなりました。JRはこれだけの長い期間、ほぼローカル線を廃止することなく維持してきました。十分役目は果たしたのです。しかも、JRが廃止しようとしている路線は、単に赤字の額で決めているのではありません。単純に赤字の額だけなら特急や貨物が通る路線のほうが多額です。地方の運賃が安すぎるので(大都市圏とほとんど変わらない運賃しか取っていません)、幹線並みの輸送密度がある区間でも赤字になってしまいます。JRが廃止しようとしているのは、鉄道がその特性を果たせない、簡単に言うとバスで十分な路線です。バスどころか、ジャンボタクシーで十分な路線です。今のJRは、利用者の極めて少ないローカル線にも過大な内部補助をしていて、本来必要なところへの投資ができていないのです。その間に高速道路ができ、空港ができ、ライバルは進化するのに鉄道は何も進化せず、SLの時代のままでは、使われなくなるのは当然です。

 本当なら、氷見線や城端線クラスの、JRとして運営するには苦しいものの、鉄道を維持するだけの需要がある路線の段階で、JRから分離しないといけません。JRも地元もお金を出して(氷見線、城端線のときは結構な額を出します)、使える交通機関として鉄道を整備するのです。JRのまま運営できたらそれに越したことはありませんが、補助金の受け皿の問題から、たとえ100%子会社でも、別組織にしないといけないのでしょう。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/mobility202511/)

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「レール&レンタカーきっぷ」、2026年2月28日で発売終了

 鉄道を使って旅行する場合でも、行きたい目的地が駅から近いところにあるとは限りません。バスなどがないところもあります。こういうときに使えるのがレンタカー。駅までは楽に列車で行き、駅からは機動性の優れた車で行くことができます。JRグループでは、列車とレンタカーをセットにした「レール&レンタカーきっぷ」を売っていて、それぞれを別々に買うよりも安く買うことができます。JR各社の枠にとらわれることなく、自由にプランを組むことができます。

 ところが、この「レール&レンタカーきっぷ」ですが、利用状況を踏まえ、2026年2月28日のレンタカー返却分をもって、発売を終了します(レンタカー券と合わせて購入した切符は、券面に記載した有効期間内なら利用できます)。JR各社の利害の調整が難しかったのでしょうか?

 「レール&レンタカーきっぷ」は2026年2月で廃止になりますが、「駅レンタカー」は残ります。「駅レンタカー」のホームページからはお得なプランを予約することができます。列車とセットにしたプランもあります。JRグループ共通の商品はなくなりますが、JR各社と組んだお得な切符が用意されています。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/251031_00_press_rail_rentacar_kippu_1.pdf)

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JR東日本の値上げ、往復乗車券の廃止は2026年3月14日に

 JR東日本は、値上げを行います。ネット時代を見据えた戦略的な値上げ(正規の運賃を上げる代わり、ネットでお得な切符を提供して、ネットに誘導させる)ではなく、単に利用者が多い東京の運賃を上げて、鉄道を存続させる社会的な意義すらない地方にばらまく残念な値上げです。その値上げの日ですが、2026年3月14日に決まりました。3月14日購入分から値上げになります。

 JR東日本が値上げすることによって、JR他社と跨がって乗る場合、JR北海道、JR四国、JR九州と同じように、全区間の営業キロ等に応じた運賃にJR東日本の営業キロに対する加算額を加えて計算します。そして、新幹線がJR東海、在来線がJR東日本となっている東京-熱海間ですが、今回の値上げで運賃が異なるようになるため(新幹線も、定期券は値上げがあります)、東京-熱海間を含む普通乗車券については、新幹線経由になるか、在来線経由になるか事前に決めて買わないといけません。横浜市内を発着する乗車券については、東海道新幹線経由で乗車する場合は、新横浜を中心駅として運賃計算を行います。ただしこの場合でも、乗車券の効力に変更はありません。

 これらの話はJR東日本が絡まないと関係ない話ですが、同じ2026年3月14日には往復乗車券及び連続乗車券も廃止になります。前日の13日で発売を終了します。2026年3月13日までに購入した往復乗車券及び連続乗車券については、有効開始が14日以降になるものも含めて、有効期間満了まで利用することができます。使用開始前1回に限り、乗車日や乗車区間の変更が可能です。

 このようなJRグループ全体の切符の変更があることから、次のダイヤ改正は2026年3月14日になるのでしょうか?
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2025/20251008_ho03.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2025/20251008_ho02.pdf)

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JRのインターネット予約をひとつに統一しないと、中途半端感は解消されない

 JRでは、「みどりの窓口」でなくても、インターネットでも切符を買うことができます。しかし、全国の切符を買うことができる「みどりの窓口」とは違い、インターネット予約は各社バラバラにサイトが乱立し、会社を跨ぐ切符を買おうと思ったら、複数のサイトを使い分けないといけません。

 この事態を解消するため、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の各社は、4社が運営するインターネット予約サービスを連携し、ひとつのサイトにログインすれば、ほかのサイトにログインし直すことなく移ることができるようにします。ほかのネット予約情報も表示されます。このうち「EXサービス」と「e5489」に関しては、2026年度中にサービスを開始し(ログイン認証は今日、10月4日から)、それ以外も2027年度から順次対応していきます。

 確かに今よりは便利になるでしょうが、ある意味複雑になるだけです。そもそも求められるのは、JRグループ統一のインターネット予約統一サイトです。北海道から九州までひとつのサイトにならないと中途半端感は解消できません。

 ただ、以前にも書きましたが、それでも切符を買う客は数少なくなった「みどりの窓口」を探し求め、不満を募らせるでしょう。新幹線に特化した「EXサービス」を除いて、インターネット予約は基本的には「みどりの窓口」の機能を移しているので、鉄道に詳しくない限り使いこなせないのです。インターネット予約専用の安い切符は少なく、紙の切符もそんなに高くないので、わからないならば「みどりの窓口」に行くほうが賢明です。この背景にあるのが、時代遅れの硬直的な運賃制度。「みどりの窓口」に行って、希望の行き先や時間帯を言えば駅員が切符を発券してくれますが、値段は今よりも高くなります。東京-大阪間が2万円ぐらいのイメージでしょうか? それが嫌なら、インターネットで東京-新大阪間の割引切符を買うのです(東京までと新大阪からの切符は、スマホを改札口にかざすと自動的に引かれます)。こういう風に変えないと「みどりの窓口」で切符を買う人は減らないでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250919_00_Press_Ribenseikojo_torikumi.pdf)

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「秋の乗り放題パス北海道新幹線オプション券」も大幅値上げ

 2025年も「秋の乗り放題パス」が発売されます。全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT及びJR西日本宮島フェリー(別途、宮島訪問税100円が必要になります)が連続する3日間乗り放題となる切符です。「青春18きっぷ」と同じように、他人には譲渡・貸与できません。発売期間は9月12日から10月17日まで(利用開始日の1か月前から発売)、利用期間は10月4日から19日までです。10月17日利用開始分まで発売します。値段は大人7850円、子供3920円です。「青春18きっぷ」と違って、値上げしていません。3日間7850円のままです。

 また、青函トンネル内は新幹線しか通っていないので、その区間が使えるように、「秋の乗り放題パス北海道新幹線オプション券」が発売されます。こちらも「青春18きっぷ」同様、新幹線に乗車することのできる区間が奥津軽いまべつ-木古内間から、新青森-木古内間に変わります。発売期間は9月12日から10月19日まで(利用開始日の1か月前から発売)、利用期間は10月4日から19日までです。ただ、新幹線に乗ることのできる区間が伸びたため、値段も高くなっています。大人4650円、子供2320円です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250902_00_press_akinorihoudaipass.pdf)

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「青春18きっぷ」、2024年度は2/3に減

 2024年冬季から「青春18きっぷ」の制度が変わり、3日間あるいは5日間、連続して1人で使わなくてはいけないようになりました。この制度の変更によって「青春18きっぷ」の売れ行きにどのような影響を与えたのでしょうか?

 2023年度の販売枚数は約62万枚ですが、2024年度は約41万枚と、約2/3に減っています。新型コロナの影響で一時売れ行きが落ちていましたが、2023年度は9割ほどの数字に戻ってきました(新型コロナの前は70万枚ほど売れていました)。しかも2024年度は夏は従来の制度で発売されていたので、年間通して影響するのは今年度、2025年度になってからです。夏のほうが売れ行きが良いとも言われていますから、2025年度はさらに落ちることが予想されます。

 この数字だけ見ると「青春18きっぷ」の制度変更は失敗のように思われますが、JRとしても想定していたことでしょう。JRとしては改善したかった点が改善されたのですから、悪い話ではないのです。JRの視点で何が改善されたのかと言えば、自動改札で対応できるようになったことと(いくら券を見せて通過するだけとはいえ、数少ない有人改札を通る件数を減らしたかったのでしょう)、金券ショップでのばら売りをなくすことです(制度が変更になってからも金券ショップで流通していた事例もあるようですが)。

 利用者の視点では不便になった切符ですが、今の自動改札機のシステムを前提にする限りは難しいです。「青春18きっぷ」を紙ではなく、スマホにしない限り。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/feature/CO049151/20250808-OYTAT50020/)

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なぜ山田線の名前は変わらないのか?

 盛岡と宮古の間を結ぶ山田線というJRの路線があります。あまりにも利用者が少ないので(並行して走るバスに負けています)、全線通しの列車は1日3往復しかありません。盛岡からの最終はお昼を過ぎたばかりの13:12です。

 しかし、山田線という名前はどこから来たのでしょうか? 盛岡と宮古の間にはそれらしき地名はありません。実は、今は三陸鉄道になった陸中山田から来ているのです。元々山田線は盛岡と釜石との間を宮古経由で結ぶ路線であり、それが短縮されたのが今の姿なのです。

 山田まで行かなくなった山田線、それなら宮古線のように実態に合う名前にしないのはなぜでしょうか? 実は、鉄道事業法では路線名の変更は想定していないようで、事実上変更できないのです。JRの路線の中には、整備新幹線の開業によって一部区間が第三セクターになり、ぶつ切りになった信越線(高崎-横川間、篠ノ井-長野間、直江津-新潟間)のような事例がありますが、横川線などと実態に合った名前にならないのはそのためです。JR西日本のJR神戸線などのように、愛称で対応するのもそのためです。

 もっとも、JRの路線名は実態に合っていないのが多く、いったん変更しようとすると膨大な作業量になると思われます。いくら現状が廃止になっても仕方がないレベルの単なるローカル線とは言え、本線から外れるところはそれだけで反対されてしまいます。そのことを考えると、たとえ実態に合わなくても、変えずに今の路線名のままでやっていくということになるのも仕方がないところもあります。
(参考:「鉄道ファン」2025年6月号 交友社)

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「青春18きっぷ」は値上げせず、「北海道&東日本パス」は小幅な値上げ

 この夏も「青春18きっぷ」及び「北海道&東日本パス」は発売されます。まずは「青春18きっぷ」から説明します。

 「青春18きっぷ」は、この春と同じです。日間用の発売期間は7月4日から9月7日、利用期間は7月19日から9月9日(9月7日出発分まで発売)、5日間用の発売期間は7月4日から9月5日、利用期間は7月19日から9月9日(9月5日出発分まで発売)です。7月の3連休から使えるようになっています(その代わり、終了の日が1日早くなっています)。いずれも利用開始日の1か月前から発売します。値段は大人、子供同額で、3日間用が10000円、5日間用が12050円です。JR北海道やJR九州で値上げがありましたが、「青春18きっぷ」は据え置きです。「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」についてはJR北海道の値上げを反映させて、4650円になっています。

 春は3月末で使えなくなった「北海道&東日本パス」ですが、こちらは若干の値上げになっています。大人11530円、子供5760円です。春はそれぞれ11330円、5660円でしたから、少しの値上げです。なお、今回の発売期間は6月20日から9月24日、利用期間は7月1日から9月30日です。連続する7日間使えます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250602_ho02.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250602_ho01.pdf)

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