新金貨物線の旅客化はバスで対応?

 新小岩と金町とを結ぶ貨物線、新金貨物線には旅客も受け入れるというがあります。新金貨物線の旅客化です。ただ、この旅客化、実現しないようです。

 それではどうなるのかと言えば、BRT。連節バスを新たに導入し、対応するようです。国道6号線との交差や事業費の問題で、鉄道ではなく、バスで対応させるようです。

 バスは全部になるか一部になるかは別として、専用道を走らせる方針です。専用道の用地は、貨物線の複線化用に取っておいた土地を使います。停留所では車両がすれ違うことができるようにして、両方向にホームを設置します。問題となっていた国道6号線との交差は、平面交差で対応します。新小岩や金町で折り返すときは、全線を専用道で走るパターンでも、既存の駅前広場を使います。

 環境問題を考慮し、バスの車両は電気自動車か燃料電池自動車を導入します。車両や停留所は、町のシンボルになるようなデザインにします。
(参考:日刊建設工業新聞ホームページ https://nordot.app/1213230173244654549?c=648454265403114593)

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秋田港クルーズ列車、廃止か?

 秋田と秋田港を結ぶクルーズ列車があります。このクルーズ列車はJR貨物の線路を使って走ります。

 しかし、肝心の貨物列車はありません。2021年に秋田臨港鉄道が事業を終了し、肝心の貨物がないのです。秋田臨港鉄道が事業を終了してからも秋田港までの間はJR貨物が保守と点検を行ってきましたが、JR貨物も鉄道施設の管理を2025年度で終えます。つまり、このままでは、2026年度以降、クルーズ列車を走らせることができないのです。

 それでは、2026年度以降もクルーズ列車を走らせるには、どうすればよいのでしょうか? 秋田県、秋田市、JR東日本秋田支社あたりが管理をする必要があります。まず取得するのに約8億円かかり、さらに維持管理費用として毎年7000万円ほどかかります。めったに走らないクルーズ列車に、これだけのお金をかける価値があるか、ということが問われます。

 さて、話は変わりますが、このクルーズ列車、船に乗らなくても利用することができます。12日に秋田-秋田港間を走るクルーズ列車がそれです。値段は大人2000円、子供1800円で、秋田港近くの道の駅で使うことのできるお買い物券が1000円分ついています。申し込みはインターネットで行い、10月7日12時まで受け付けています。
(参考:FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/761976、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/akita/20240909_a02.pdf)

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「THE ROYAL EXPRESS」は淡路島に

 普段は伊豆を走っている「THE ROYAL EXPRESS」ですが、再び四国にやって来ます。2025年1月から3月にかけて、走ります。JR四国、JR貨物、JR西日本、東急の協力により運行されます。

 2025年は、2024年にも運行した「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN」のほか、2つのプランが用意されます。「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN LIMITED」と「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN PREMIUM」です。「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN」は2回、「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN LIMITED」は3回、「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN PREMIUM」は1回催行されます。

 新プランはそれぞれどのような内容でしょうか? まず「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN LIMITED」は初日に「藍よしのがわトロッコ」を貸し切ります(乗車区間は多度津-大歩危間)。そして、「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN PREMIUM」は岡山からではなく、神戸から旅が始まります。ウェルカムセレモニーをANAクラウンプラザホテル神戸で行い、ここからバスに乗ります。「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN PREMIUM」 のバスは両備バスではなく、神姫バスの「ゆいプリマ」、「ゆいプリマOLIVIA」を使います。1日目のお昼は淡路島でとらふぐなどを食べます。3日目の宿泊場所は船です。「ガンツウ」という海に浮かぶ宿です。

 ちなみに募集人数は各回ともに1回あたり最大15組30人(最少催行人員16人)、値段は2人1室の場合で、「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN」と「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN LIMITED」は税込96万円から、「SHIKOKU・SETOUCHI CRUISE TRAIN PREMIUM」は税込145万円です。ホームページや郵送で9月4日から10月21日までの間申し込みを受け付け、抽選を行います。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2024%2009%2002%2001.pdf)

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中央西線の石油輸送について

 2年ほど前の資料ですが、中央西線の石油輸送についてのものがありましたので、紹介します。

 島国の日本では、石油輸送も沿岸部では船で行います。そのため、鉄道の国内石油需要に占める比率は6.7%に留まりますが、船が使えない内陸の長野、群馬、栃木は比率が上がり、県内需要の約80%を鉄道で賄っています。

 その内陸への輸送で今、問題になっているのが、四日市から松本への輸送です。機関車の老朽化で代替の車両が求められていますが、機関車更新費用をどうするかで交渉が難航しています。関西線は単線で線路容量が厳しいため(?)、中央西線は急勾配のため、ディーゼル機関車も電気機関車も機関車が2両要ることもネックになっているようです。新しい電気機関車(EH200)なら1両で牽引できますが、値段が高いようです。

 ただ、石油輸送の拠点となる製油所は、当然ながら海側にあります。四日市や塩浜を除いては、千葉や神奈川に集中しており、長野県には、首都圏と四日市の両方から運び込んでいます。このうち、中央西線からの輸送がなくなれば、首都圏から中央東線経由で運ぶことになりますが、首都圏からの輸送が途絶えたら、長野県に石油が入ってこないということになります。
(参考:国交省ホームページ https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001485832.pdf)

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ゴミ焼却施設改修のため、ゴミを貨物列車で運ぶ

 ゴミの処理は自分たちの町やその近隣で行うのが一般的です。そのため、ゴミの輸送はトラックで行うことになります。しかし、期間限定ですが、家庭で出たゴミの輸送を列車で行うところがあります。

 それは函館市。函館市は2024年から2028年度にかけて、ゴミ焼却施設の改修を行います。その間、隣接する北斗市に一部のゴミ処理を委託しますが、それだけでは対応できません。函館市の規模が大きすぎるのです。

 そこで函館市が頼るのが、札幌市。これぐらいの規模がないと対応できないのです。函館、札幌両市の協議がまとまれば、10月に2週間にわたって、貨物列車を使って、1日あたり最大約12トンを廃棄物専用コンテナで札幌市に運びます。函館市はトラックで運ぶことも考えたようですが、運転士不足のために鉄道にしたのです。

 なお、札幌市の焼却施設では灰が出ますが、それはすでにセメントの材料として貨物列車で函館市に運んでいます。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20240523-ILZYKEEBNZL25KG3K73WH5L664/)

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JR貨物、「スーパーレールカーゴ」の後継車両を開発へ

 東京と大阪の間を高速で走る、「スーパーレールカーゴ」。貨物列車では珍しく、電車の形態を取っています。機関車が貨車を牽引するタイプよりもスピードアップが達成できます。

 ただ、「スーパーレールカーゴ」は2004年につくられ、20年が経過しています。今すぐ、という問題ではありませんが、次を考える時期です。JR貨物が3月29日に発表した「JR貨物グループ 中期経営計画 2026」によれば、電車型貨物列車の開発を検討するとのことです。

 トラックドライバーなど、物流を担う人材の不足は深刻な問題となっています。そのためには、鉄道に頑張ってもらう必要があります。何でもトラックに任せるのは止めて、鉄道が得意なところは鉄道に任せ、トラックに細かい輸送をしてもらうのが良いでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/d247d24b89a0300802812207ec5ae4eae563da26)

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北海道新幹線のスピードアップのために貨物列車を減らす?

 北海道新幹線は、青函トンネルとその前後の区間、約82キロを在来線と共用しています。在来線で走るのは貨物列車だけですが、すれ違うときに風圧で貨物列車が荷崩れしないように、新幹線は速度を落として運行しています。年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期には本来の時速260キロで走ることもありますが、これはそのような休みが多い時期は貨物列車の需要が少ないからできるのです。通常の時期でそれをすると、現在定期列車だけでも1日に18往復走る貨物列車を全て残すことはできません。

 この問題は、北海道新幹線が札幌まで延伸したとき、さらに大きくなります。航空機との競争を考えると、所要時間は短ければ短いほどよいです。できる限り時速320キロ以上で走ることができる区間が長いのが望ましいです。新幹線の立場から言えば当たり前の話ですが、貨物にとっても青函トンネルは重要な路線であり、減らすのは難しいです。代替策は船になりますが、道内の輸送をどうするのかという問題もあります。貨物列車がほとんどないのなら切り捨てても良いのですが現状はそうではなく、難しい問題です。

 ちなみに、新幹線が青函トンネル内を時速260キロ運転をすると、所要時間は5分短縮します。時速320キロ運転ならもう少し大きいでしょう。目標とする東京-札幌間4時間半運転のためには是非ともスピードアップしたいところですが、貨物のことを考えると当面は難しいのかもしれません。ほかのところでスピードアップを行ってもらうしか仕方がないのかもしれません。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS1L46LHS1KIIPE00G.html)

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2024年3月ダイヤ改正発表(7)(JR四国、JR貨物)

 JR四国ではパターンダイヤ化を推し進めます。今回のダイヤ改正でパターンダイヤを導入するのは、土讃線高知-伊野間と高徳線高松-引田間。土讃線はほぼ1時間に1本になります(2本ある時間帯もあります)。このパターンダイヤの時間帯に走る「あしずり5号」と「あしずり10号」については、旭、朝倉にも停車します。高徳線もほぼ1時間に1本となります(2本ある時間帯もあります)。このパターンダイヤの維持のためでしょうか、日中の「うずしお」の停車駅を概ね統一します。一部を除いて栗林、屋島、志度、三本松、引田、板野、池谷のみに停車します。このため、讃岐津田や勝瑞に停車する列車が減ることになります。徳島線でもパターンダイヤをさらに深化させます。

 徳島付近については、タクトダイヤを導入します。鉄道はどうしても途中駅での乗り換えが発生しますが、複数の線区をパターンダイヤ化することによって、ほかの線に乗り換えする場合でもそんなに待つことなく乗り換えすることができるのです。各地から列車がやって来て、乗り換えをしてから再び各地に向けて発車していく。これを繰り返すことになります。このほか、「南風」の指定席を増やし、南小松島、伊予市など11駅を無人化します。2024年3月16日から無人になります。

 JR貨物では、東京-大阪間の貨物輸送の速達化を行います。輸送力の増強が図られる区間があります。これに伴い、EF210を8両、EF510を7両を新製します。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2023%2012%2015%2003.pdf、JR貨物ホームページ https://www.jrfreight.co.jp/info/2023/files/20231215_01.pdf)

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休日運休の貨物列車で米を運ぶ

 貨物列車の中には、休日に運休するものがあります。これを活用して、違う貨物を運ぼうとする動きがあるようです。

 何を運ぶのかと言えば、米。休日に運休する貨物列車のダイヤを活用して運ぶのです。貨物列車のルートは八戸から青森、秋田、新潟、金沢を経由して大阪市内の百済貨物ターミナルまで。日曜朝に八戸を出て、月曜夕方に百済に着きます。20両編成なので、トラックに比べて一度に大量の米(500トン)を運ぶことができます。列車なので二酸化炭素の排出量も大幅に抑えることができます。時間はトラックに比べてかかるようですが(トラックだと出荷元から卸先まで2~3日で運ぶことができますが、列車を使うと倍以上かかります)、トラックドライバーは不足しているので少ない人数で運ぶことができる貨物列車は使えると考えられているようです。

 この米を運ぶ貨物列車、新米の出荷が本格化する10月以降の定期化を目指しています。80~100個のコンテナを積まないと(16~20両編成)専用の貨物列車を走らせることができないので、取扱品目を増やすことも考えています。
(参考:「鉄道ファン」2023年8月号 交友社、北國新聞ホームページ https://www.hokkoku.co.jp/articles/tym/1116707、日本農業新聞ホームページ https://www.agrinews.co.jp/news/index/141660)

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函館線函館-長万部間、新幹線開業後も鉄路維持へ

 整備新幹線が開業すると、これまで在来線特急が頻繁に走っていた在来線はJRから分離されます。

 これまでなら、分離された並行在来線は、第三セクターとして運行を継続します。整備新幹線の沿線はそれなりに人が住んでいるので、ローカル需要もある程度はあるからです。しかし、北海道新幹線の場合は話が違いました。あまりにも需要が少ないので、ローカル需要が見込めないのです。第三セクターで走らせると、沿線自治体は金銭の負担をしなければなりません。地元自治体の立場で考えると、鉄道の廃止を受け入れ、バスにしてコストを下げるのはある意味合理的です。

 旅客だけを考えると、新幹線アクセス需要が見込める函館-新函館北斗間(新幹線になるかも?)を除いてバスに転換するというのは妥当な考えです。しかし、貨物のことを考えると話はややこしくなります。新幹線が開業しても貨物列車は函館線を走り続けます。これをほかの交通機関で代替するのは厳しいです。国交相もこの区間を基幹鉄道区間として認識しています。

 そこで国交省、北海道、JR貨物、JR北海道の4者が協議をした結果、北海道新幹線が開業した後も函館線を維持する方向で合意しました。旅客はともかく、少なくとも貨物鉄道としては残るのです。線路などの施設維持管理費や人員確保について、これから解決しなければならない課題はありますが、とにかく鉄道が残ると言うことは喜ばしいことと言えます。と言うより、ローカル需要しかない枝線と違って、廃止を考えるべきではなかったのです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/867a11c2215acb802f42c0974915efeb004a96e4)

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