函館線余市-小樽間はBRTになる?

 北海道新幹線が全線開業すると、函館線函館-小樽間はJRから分離されます。このうち、長万部-小樽間は一部区間を除いてもともと需要が少なく、また函館-長万部間のように貨物列車の需要がないことから、鉄道を残す必要性はありません。鉄道を存続させると毎年20億円の赤字が出ますが、それを払ってまで存続させる理由が見当たりません。また、地元からも一部を除いて鉄道を存続させたいという強い意思を見せているところは少ないです。

 ただ、余市-小樽間は事情が異なります。2018年度のデータでは、この区間の輸送密度が2144もあります。北海道で当てはめると根室線の帯広-釧路間よりも多いです。根室線のほうが当然ながら特急の利用者も含むので、普通列車しかない余市-小樽間はかなり優秀だと言えます。

 とはいえ、この区間も北海道新幹線が開通すると、JRから分離されます。この区間を第三セクターで運営すると、かなりの額の負担がかかります。それを線路のある余市町と小樽市でカバーしないといけません。

 そこで出てきたアイデアが、余市-小樽間をBRTにするという案。線路用地をBRTの専用道路にして走らせるのです。具体的なプランはこれからのようですが、鉄道の代わりにBRTを走らせるかたちで解決させる可能性もあります。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokkaido-heikozairaisen20210520/)

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2060年度の新函館北斗-長万部間の輸送密度、81人

 北海道新幹線が開業すると、並行在来線の函館線函館-小樽間はJRから分離されます。現在でもローカル線の長万部-小樽間はともかく、函館-長万部間は特急が消えても貨物列車は残ります。しかし、この区間が安泰かと言えばそうではありません。貨物専用の鉄道になることも十分考えられるのです。

 それはなぜでしょうか? 2018年度の旅客流動調査を基に、普通列車だけの需要予測をやってみると、ものすごい数字が出てくるのです。函館-長万部間の2018年度の輸送密度(普通列車に限ります)は、685人。新函館北斗で区切ると、函館-新函館北斗間が4261人、新函館北斗-長万部間は191人です。新幹線が開業すると、これまで特急「北斗」に乗っていた人は新幹線に移ります。しかし、新幹線で函館に来た人は、「はこだてライナー」に乗って函館の中心部に向かいます。つまり、函館-新函館北斗間の普通列車の利用者が増えると考えられます。また、新函館北斗以北でも、大沼公園や森ぐらいなら普通列車に乗る人も多少はいるでしょう。若干ですが、新函館北斗以北の普通列車の利用者も増えるようです。結局、北海道新幹線が全線開業する2030年度の輸送密度は、函館-長万部間が850人、函館-新函館北斗間が5592人、新函館北斗-長万部間が195人となります。その後は減少し、2060年度には函館-長万部間が431人、函館-新函館北斗間が2963人、新函館北斗-長万部間が81人となります。函館-新函館北斗間を除いては、いくら赤字覚悟の第三セクターでも経営できません。

 なお、赤字を減らそうと思ったら、函館-新函館北斗間もバス転換したほうが赤字額は小さくなります。しかし、この区間をバスにするのは逆に厳しいです。というのも、この区間は函館への需要があり、朝7~8時台は700人ほどの利用者がいます。バスで置き換えるわけにはいかないのです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokkaido-heikozairaisen20210426/)

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山形鉄道長井駅の駅舎に市役所

 長井市役所の庁舎はつくられてから60年以上が経ち、老朽化しています。しかも、洪水時には浸水の恐れがあります。

 そこで、市役所が移転することになりました。6日から業務を始めていますが、新しい市役所の場所は、何と駅。山形鉄道の長井駅に併設するかたちを取りました。約54億円をかけてつくられた庁舎は、鉄骨鉄筋コンクリートの一部4階建て。延べ約8300平方メートルで、市の名前に因んでか、南北170メートルの長さがあります。これまで市役所の機能が7か所に分散されていましたが、1か所に集約されました。

 長井市としては、この新しい市役所を都市機能の中心となる施設としたいとしています。車の利用を減らし、公共交通機関の利用を増やすためにも、市役所等の公共施設や集客力のある施設を鉄道の近くにつくることが望ましいでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP536SS2P4VUZHB004.html)

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札幌市電の延伸、採算取れず

 2015年に西4丁目-すすきの間が開業し、環状線になった札幌市電ですが(ただし、1日に起きた信号設備の故障で、西4丁目-すすきの間が運休しています。復旧には数か月かかるようです)、以前にも記事にしたように、延伸の構想があります。

 延伸先は、札幌駅前方面、桑園方面、苗穂方面の3つが考えられています。かつて札幌市電はこの3方面にも延びていましたが、廃止されたのです。札幌市はこの延伸について、シミュレーションや国などとの勉強会を行ってきましたが、融雪対策に必要なロードヒーティング化に伴う整備費用やランニングコストなどを考えると、現時点では黒字になる見込みがないことがわかりました。

 環状化によって利用者が増加した札幌市電ですが、依然として赤字です。2020年4月から上下分離が行われているぐらいです。2022年度には延伸の可否が決定されるようですが、現時点で黒字の見込みがない状態では、厳しいと言わざるを得ないのかもしれません。特に札幌駅前方面はすでに地下鉄がありますから、あえてさらに鉄道を整備するという大義名分が立ちにくいというのもマイナスに働きます。

(追記)
 運休していた西4丁目-すすきの間ですが、5月4日に運行を再開しました。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/03/26/344348.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/b8f05f91aea388e0a44e29c816633d0958d1f5ea、https://news.yahoo.co.jp/articles/bb2be08af15424af098cebb209f6946814a83b6e、札幌市交通事業振興公社ホームページ https://www.stsp.or.jp/sc20210502c/)

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弘南鉄道に沿線市町村が9.5億円の支援、大鰐線は廃止も考える?

 津軽地方を走る弘南鉄道は以前から厳しい状況になっていますが、弘前市など沿線5市町村などが9.5億円の支援を行うことになりました。

 支援を行うのは、沿線の弘前市、黒石市、平川市、大鰐町、田舎館村。今後10年間で、設備の安全対策と利用促進のため、総額9.5億円の支援を行います。設備修繕など安全対策については、国や青森県などとともに沿線5市町村も必要額の支援を行い、弘南鉄道の負担を軽減します。また、利用促進のため、通勤、通学定期の割引、企画乗車券の販売等を行い、新型コロナウイルスの状況にもよりますが、ほかの地域や外国からの誘客にも取り組みます。大鰐線についてはこのような取り組みを行っても赤字になりますので、2019年度から行っている赤字の補填を引き続き行います。2021年度から2030年度までの支援額の合計は弘南線が約4.4億円、大鰐線が約5.1億円です。

 ただし、経営状態の厳しい大鰐線はこれだけでは済みません。いったん2023年度末に支援の効果の検証を行います。収支が改善しないならば、支援の期間を2025年度末までとし、大鰐線について今後どうするのかを検討します。一時期あった廃線の話が再び出るのです。ちなみに、行政の支援がなかったら、10年間の赤字は弘南線が約5.1億円、大鰐線は約9.9億円にまで膨れ上がります。かつては弘南線の黒字で大鰐線の赤字を埋めていましたが、弘南線が赤字になったのでその方策は使えないようになっているのです。
(参考:東奥日報ホームページ https://this.kiji.is/731717022282088448?c=648454265403114593)

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阿武隈急行は原則、梁川と丸森で乗り換え

 阿武隈急行も3月13日にダイヤ改正を行います。阿武隈急行は2020年10月31日に復旧しましたが、一部区間ではかなり本数の少ない状態になっていました。その状態はこの改正で解消します。

 阿武隈急行は2019年の台風の被害により、富野-丸森間が1年以上にわたって不通となり、車両の運用にも大きな影響を与えました。そこで今回の改正では自然災害や輸送障害に対応できるように、全線を福島-梁川、梁川-丸森、丸森-槻木と3つの区間に分け、原則として梁川や丸森で乗り換えさせるようにします。全線を乗り換えなしで通す列車はありません。

 福島-梁川間では約40分間隔のパターンダイヤにします。ただこのことにより、一部列車が統合されるため、上下ともに3往復が減便となります。朝夕も40分間隔なので、輸送力の減少を補うために平日の朝については4両編成の列車が増えます。

 始発の繰り下げや最終の繰り上げを行う鉄道会社が増えていますが、丸森-槻木間においては逆のことを行います。丸森発槻木行きは22分繰り上げて丸森5:15発に、槻木発丸森行きは1時間34分も繰り下げて槻木0:34発になります。東北新幹線の始発「はやぶさ」や最終に接続します。このような始発の繰り上げや最終の繰り下げを行うため、丸森-槻木間は現行よりも1往復増えます。なお、丸森-槻木間に関しては、交換設備が角田と東船岡の2か所しかないため、パターンダイヤを組むことができません。最大で94分間隔が空きます。

(追記)
 基本的には終日駅員がいる角田ですが、丸森5:15発と槻木0:34発については駅員がいません。1番線ホーム槻木方にある早朝・夜間通路で出入りします。
(参考:阿武隈急行ホームページ www.abukyu.co.jp/?p=1027、www.abukyu.co.jp/?p=1090)

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道南いさりび鉄道も最終を繰り上げ

 道南いさりび鉄道は3月13日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正では、最終の繰り上げを行います。現行の最終は函館23:25発木古内0:26着とかなり遅かったのですが、函館21:52発と1時間半ほど繰り上げられます。上磯までは、函館22:50発が新たにできます。反対の木古内からの始発も30分ほど繰り下げられ、木古内6:24発となります。現行の木古内始発の列車は、上磯始発(6:30発)となります。全般的に見て木古内発着が上磯発着になったり、逆に上磯発着が木古内発着になったりと、かなり変わっている印象があります。いろいろ変更点がありますが、現行のダイヤと比べてみると、函館-上磯間が1往復減ります。
(参考:道南いさりび鉄道ホームページ https://www.shr-isaribi.jp/wp-content/uploads/2021/02/974c7554c00e229ed93e82229267d6f6.pdf)

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由利高原鉄道、4月に通学定期半額の試行

 地方のローカル鉄道の大切なお客さんは高校生。通学定期は安いですが、一定の数が毎日使うので、それなりの収入になります。朝の決まった時間に多くの人が使うため、バスでは対応が難しいと説明して、鉄道の存続につなげることもできます。

 しかし、少子化や道路の整備(親が車で送迎する)などでその高校生が減っています。由利高原鉄道の場合、通学定期の購入者が過去5年間で6割も減っています。由利高原鉄道は通学定期の購入者が減った原因のひとつとして、通学定期が高いことを挙げています。羽後本荘-矢島間(23キロ)の1か月通学定期(高校生以上)は18230円しますが、JR(東日本の地方交通線)は7560円です(本来は由利高原鉄道ぐらいの値段のほうが妥当で、JRは山手線など首都圏の路線や新幹線などの利益をつぎ込んでしまっているので、1万円以上も安くなってしまっているのです)。

 ただ、アンケート調査の結果からは、通学定期が高いという不満があります。定期を安くすると利用すると答えた高校生保保護者は4割もいました。そこで由利高原鉄道は4月1日から1か月間の試行という扱いで、高校生等(大学生や各種学校生も含みます)の通学定期券を半額程度に割り引きます。羽後本荘-矢島間は9500円になります。これで利用者が増加すれば、5月以降も継続します。利用者が増えなかった場合は、由利高原鉄道の経営に悪影響を及ぼすことから、試行を打ち切ります。本来は、由利高原鉄道が自腹を切るのではなくて、沿線自治体の由利本荘市が負担すべき話ですが。

 なお、3月1日から3月31日までの間、事前申込を受け付けています。申込をした人全員にレトルトカレー1個と定期利用応援券1000円分のプレゼントがあります。
(参考:由利高原鉄道ホームページ www.obako5.com/info/通学定期券を半額程度に割り引きます%e3%80%80試行実施/、www.obako5.com/info/特別割引定期券%e3%80%803-1から事前申し込み開始します/、秋田魁新報ホームページ https://www.sakigake.jp/news/article/20200730AK0010/)

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野岩鉄道&会津鉄道、2021年3月ダイヤ改正で日光直通列車を見直し

 野岩鉄道及び会津鉄道は3月13日にダイヤ改正を行います。

 会津鉄道は2019年12月に起きた脱線事故で、東武に乗り入れることができる車両が減っています。しかも、新型コロナウイルスの影響で利用者が激減し、経営状況が苦しくなっています。そこで今回のダイヤ改正では「AIZUマウントエクスプレス3号」、「AIZUマウントエクスプレス4号」の東武日光-会津田島間の運転を取りやめます。

 会津田島-会津若松間の列車も減ります。始発の会津田島5:24発、最終の会津若松22:07発が会津鉄道内で廃止になるほか(西若松-会津若松間は運転します)、これとは別に会津田島-会津若松間の普通列車2往復の運行も取りやめます。このまま単純に列車を削減すると運転間隔がかなり開きますので、一部の列車については時刻変更も行います。

 新藤原-会津田島間の列車については、新たに区間快速ができます。野岩鉄道内は各駅に停まり、会津鉄道は会津高原尾瀬口-会津田島間ノンストップです。何本できるかはわかりません。
(参考:野岩鉄道ホームページ www.yagan.co.jp/upimages/files/2021.3ダイヤ改正HPリリース文(確定).pdf、会津鉄道ホームページ www.aizutetsudo.jp/wp/wp-content/uploads/2020/12/news20201228.pdf、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASNCV6X98NCVUGTB004.html)

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2021年3月ダイヤ改正発表(2)(JR東日本在来線)

 ここでは、JR東日本の在来線について取り上げます。

 首都圏については、以前にも記事にした通り、終電の繰り上げ等を行います。平日の終電等の時刻はJR東日本のホームページで発表されていますが、休日の時刻については2021年1月中旬ごろに発表します。

 東海道線では「踊り子」をE257系リニューアル車両に統一します。通勤ライナーとして走っていた「湘南ライナー」等は、特急「湘南」になります。平日朝の通勤時間帯に上り10本、夕方以降に下り11本を走らせます。「湘南」はE257系の9両もしくは14両編成で走ります。また、これら「踊り子」、「湘南」の普通車には新たな着席サービスを導入します。平日の通勤快速は廃止され、快速「アクティー」として走ります。快速「アクティー」は夜間の下りのみの運転となります。

 休日の「あかぎ」が北本と鴻巣に停まるようになります。指定席も2両から5両に増えます。一部の「スワローあかぎ」、「あかぎ」が廃止になったり、運転区間が短縮されたりします。東北線や高崎線の通勤快速も廃止され、快速「ラビット」もしくは快速「アーバン」になります。東大宮、蓮田、上尾、桶川に全ての快速が停まります。日中、東北線、高崎線ともに上野発着列車を毎時1本程度減らします。常磐線の各駅停車は、休日の我孫子-取手間の運転を終日取りやめます。水戸線では、全ての列車がワンマン運転をします。

 「成田エクスプレス」は中央線に乗り入れるのがありますが、高尾発着を八王子発着に短縮します。一部の「わかしお」で、指定席が増えます。内房線の木更津-安房鴨川間、外房線の上総一ノ宮-安房鴨川間、成田線、鹿島線の成田-鹿島神宮間にはE131系を投入します。E131系の列車は一部を除いて内房線と外房線を直通します。佐原-鹿島神宮間はワンマン運転も行います。また、内房線の君津-上総湊間は夕方に増発されます。夕方は1時間に1本だったのが2本になります。

 仙台エリアでの東北線は、日中、白石で乗り継ぐ体系にすることにより、輸送障害発生時の影響範囲を小さくするようにします。福島-白石間は2両編成ですが、白石-仙台間は4~6両編成が走ります。仙台空港アクセス線は3往復の快速のうち2往復を各駅停車にします。仙台発の上り列車については、一部時間帯の発車時刻を統一します。これにより、わかりやすいダイヤにします。花輪線や八戸線でダイヤの見直しが行われます。

 奥羽線秋田-土崎間に新駅、泉外旭川が開業します。奥羽線と男鹿線の全ての快速(「リゾートしらかみ」は通過します)、普通が停車します。EV-E801系が追加投入され、男鹿線はEV-E801系で統一されます。EV-E801系には「車載ホームモニタシステム」を取り付け、男鹿線は4両編成のものもワンマンになり、全てのドアから乗り降りできます。GV-E400系が追加投入され、五能線は観光列車を除いてGV-E400系で統一されます。奥羽線や津軽線の一部列車もGV-E400系になります。奥羽線で一部列車が休日運休となり、ワンマン運転の列車が増えます。

 新潟-村上間を走る快速「らくらくトレイン村上」及び折り返しの快速が廃止されます。新潟発直江津駅快速「らくらくトレイン信越」は全車指定席の快速「信越」となります。反対の直江津発新潟行き快速「おはよう信越」は快速「信越」となります。

 話を第三セクターに移します。しなの鉄道は新型車両SR1系の一般車の営業運転を開始します。今回のダイヤ改正で全列車のうち約3割がSR1系になります。えちごトキめき鉄道は新駅、えちご押上ひすい海岸が開業します。その影響で一部の列車が2両編成に増強されます。妙高はねうまラインでは、休日の朝、妙高高原-直江津間に快速1往復が走ります。同じ時間帯に走っている二本木-直江津間の列車1往復は休日運休となります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2020/timetable/、しなの鉄道ホームページ https://www.shinanorailway.co.jp/news/4fcad00bb3041bb35a09dc1780d5a178115f7b30.pdf、えちごトキめき鉄道ホームページ www.echigo-tokimeki.co.jp/userfiles/elfinder/20201218_20210313_daikai.pdf)

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