2025年度は「箱館ハイカラ號」の定期運行を行わず

 函館市企業局交通部の「箱館ハイカラ號」は、1910年生まれの車両。元々は成田(成田と宗吾霊堂を結ぶ成宗電気軌道、太平洋戦争中に不要不急路線として廃止)で走っていましたが、1918年に函館にやって来ました。1937年からは除雪車に改造され、今の「箱館ハイカラ號」となったのは1993年のことです。

 この「箱館ハイカラ號」ですが、例年、4月中旬から10月にかけての休日に走ってきました。しかし、今年2025年度は休日の定期運行を取り止めることにしました。

 その理由は、部品の不足。あまりにも古い車両なので、「箱館ハイカラ號」に使用する一部の部品の入手に時間がかかっています。そのような事情から、10月までの運行シーズンの間に部品が不足する危険性があり、2025年度は定期運行を取り止め、貸切運行だけとすることにしました。

 なお、部品が不足すれば、貸切運行も取り止めます。
(参考:函館市ホームページ https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014032300135/)

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札幌市営地下鉄南北線さっぽろの新ホームは2028年度中に

 札幌市営地下鉄南北線さっぽろの一日平均乗車人員は5.7万人(2018年度)で、札幌市営地下鉄では一番多い駅となっています。しかしホームは島式ホーム1面のみで狭く、 JRの駅につながる北側の階段はいつも混んでいます。エスカレータもありません。しかも、北海道新幹線の開業や駅付近の再開発により、駅の利用者はさらに増えるとみられています。新型コロナ前の2018年に比べて4割も増えるとみています。

 そこで札幌市交通局は南北線さっぽろのホームを増設することにしました。現在のホームを麻生方面の専用ホームにし、東に真駒内方面の専用ホームをつくります。長さ120メートル、幅6メートルです。課題となっていた北側のエスカレータも整備します。

 北海道新幹線の延伸はかなり遅れますが、地下鉄の新ホームは2028年度中にできます。2028年に完成予定の札幌西武跡地の再開発ビルと直結します。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/48f097cc8f0961cdc40e41f9642ba698e617dda2、南北線さっぽろ駅ホーム増設土木工事ホームページ https://www.nanbokuline-platform.jp/overview/)

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山形鉄道、次世代信号システムを導入

 以前の記事で山形鉄道の信号設備を更新するというがありましたが、どういうことかわかりました。山形鉄道は次世代信号システムを導入するのです。

 今の信号システムは、大掛かりな地上設備を必要とします。そこで、機能を中央制御装置と車上装置に集約することにより、地上設備の大幅なな削減を図ります。装置同士の通信は携帯電話回線を使用するため、今までのような地上ケーブルは要りません。メンテナンス作業も軽減されます。

 また、次世代信号システムでは、駅間においても列車の位置を把握することができるようになります。全区間で連続的な速度制御を行うことにより、これまでの信号システムと同等以上の安全性や保安度を確保することができます。列車の走行位置は携帯電話回線を通じて中央制御装置で把握可能であるため、運行情報を細やかに提供することができ、利便性の向上を図ることができます。

 この山形鉄道の次世代信号システムは2024年度から3か年の計画で工事を進め、実証試験を行った後、2027年度の運行開始を目指していますが、実は10日に詐欺に遭い、約1億800万円余りをだまし取られました。山形銀行を名乗る不審電話によって職員がネットバンキングの情報を入力し、犯人が1億円800万円余りをだまし取ったようです。このお金の中には次世代信号システムの導入費用も含まれていたようで、今後予定通りに次世代信号システムを導入することができるか、ということにもなってきます。
(参考:山形鉄道ホームページ https://flower-liner.jp/wp/wp-content/uploads/2025/02/プレスリリースPDF.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/5f2b4f50c0f443958991eb8b558521608c2ac7bc)

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函館線を貨物専用にしても要員が約200人必要

 北海道新幹線が札幌まで延伸されると、函館線函館-小樽間はJRから分離されます。このうち、函館-小樽間は普通列車しか通らないローカル線なので、利用者がそれなりにいる小樽付近を除いては、地元の問題として割り切ることができますが、函館-長万部間は新幹線ができても貨物列車がたくさん通ります。貨物列車も新幹線に移行しない限り、鉄道を潰すわけにはいきません。

 もし函館線が貨物専用鉄道になった場合でも、鉄道がある以上、維持管理の人員は必要です。どれぐらいの人がいるのでしょうか? JR北海道によれば、約200人が必要だということです。今までならJR北海道から一定数は出向させるのでしょうが、JR北海道にも人がいません。自己都合退職者が増え、採用環境が厳しいからです。費用も年間数十億円がかかります。

 地元が拒否するならバスにしてしまえばよいローカル線ならともかく、国の基幹となる路線は、場合によっては国が維持しないといけないでしょう。維持するのは貨物列車部分だけでよいですから。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC222BS0S5A120C2000000/?msockid=14a30a4a6e7662f310461f4b6ffd6323)

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富谷市にロープウェー

 仙台の北隣にある富谷市、仙台のベッドタウンです。

 その富谷市ですが、鉄道がありません。そこで、最寄りの駅である泉中央との間を結ぶ交通の強化が必要とされています。

 鉄道の構想があるのは、富谷市明石台地区と泉中央の間、直線距離で約4キロ。地下鉄で結ぶ話があります。途中に1~2駅を設置し、事業費は354~451億円です。BRTの構想もあります。明石台地区と泉中央の間を専用の地下道で結びます。泉中央は地下にバスターミナルを作る案と既存のバス停を使う案の両方があります。事業費は85~208億円です。

 そして、今、新たな乗り物の構想が出てきました。それはロープウェー。観光用ではなく、都市型の自走式ロープウェーで、横浜で走っています。売りはコストの安さ。地下鉄の1/10でできるようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/136475、FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/795864#goog_rewarded)

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大鰐線、2027年度末で休止へ

 少なくとも10年以上も前から存廃で揺れている、弘南鉄道の大鰐線。その大鰐線ですが、ついに方向が決まったようです。夏の時点から急に変わったようです。

 大鰐線を運営している弘南鉄道は、11月27日に弘前市役所で行われた会議において、営業赤字の大きさから、大鰐線の運行の休止を表明したのです。通勤通学の旅客が減り(2023年度の旅客数は最盛期の約7%に過ぎません)、様々な方策を考えたのですが、増収の見込みが立たないのです。大鰐線の休止は沿線の自治体の合意を得ましたので、休止する方針は決定しましたが、実際の休止時期(弘南鉄道は2027年度末までの休止を申し出ています)は自治体側と話し合って決めます。

 大鰐線の状況は昔から厳しいことは周知の事実であり、どうしようもないというのが正直なところでしょう。後は代替交通をどうするかという話に移ります。そして弘南鉄道は、赤字額が少なく、比較的利用者の多い弘南線に経営資源を集中させます。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20241127/6080024178.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/aomori/news/20241127-OYTNT50138/)

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米坂線、上下分離にすると地元に最大17億円の負担

 米沢と坂町を結ぶ米坂線は、2022年8月の豪雨で被害を受け、一部区間を除いて運休したままです。

 鉄道を存続させないといけないほどの需要があるわけではない米坂線ですが、地元は鉄道での復旧を望んでいます。しかし、採算がとれず、社会的な意義もない路線を民間会社が維持するわけにはいきません。何らかの公的負担が必要になります。

 その公的負担の方法のひとつとして、上下分離があります。線路などの鉄道施設や土地を地元自治体が所有し、JRは運行に専念します。この場合、地元の負担はどれぐらいになるのでしょうか?

 JR東日本によれば、山形県側の今泉-小国間は年間8.1~10.9億円、新潟県側の小国-坂町間は年間4.7~6.1億円です。なお、この数字は、2031年に復旧し、その後10年間の負担額を計算したものです。施設の更新があれば、負担額はさらに増えます。

 この負担額について、沿線自治体からは負担が重いことを訴え、国による財政負担を求めるところもあります。しかし、特急や貨物が走らず、バスで足りる程度のローカル需要しかないところに、国のお金を投じる必要もありません。厳しいですが、地元が負担できるなら第三セクター、負担できないならバスなどコストを抑えた経営にするのが適切なところと思われます。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASSCM469XSCMUOHB00HM.html)

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阿武隈急行、宮城県側も鉄路で存続

 鉄路を存続するか、それともバスやBRTに転換するかで揺れていた、阿武隈急行。結局、鉄道を存続させることで決まりました。

 なぜそうなったのでしょうか? 鉄道を30年間維持する場合473億円のお金がかかります。鉄道を廃止し、BRTにすると346億円、路線バスだと299億円かかるので、BRTや路線バスにすることによって、コストが抑えられます。しかし、利用者も大きく減ります。路線バスは31%減り、BRTだと72%減ります。確かにコストは減りますが、それ以上に客が減ってしまうのです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/abukumakyuko202410/)

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函館市電、停留所の混雑解消のため乗車位置を変える

 函館市民の足であり、観光客も使う函館市電。その函館市電ですが、運営する函館市企業局交通部は、8月30日から、函館駅前停留場(湯の川方向)の乗車位置を変更していました。

 なぜ乗車位置を変更したのでしょうか? 函館駅前停留場は観光客が増え、乗車する人の列が停留場をはみ出すことがあるようです。車道まで人がいることになるのですから、とても危険です。そこで、これまで停留場に路面電車がすっぽりと入るように停めていましたが、約7.5メートル手前で停めることにしました。ホーム全体を乗車する人の場所としてフルに使えるようにするのです。約30人分増えるようです。
(参考:函館市ホームページ https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2024081900019/、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/765cc5178740e38bcae48aa3247ba3db1b38238e)

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三陸鉄道一日乗り放題が400円

 三陸鉄道は全長160キロ以上の長さがありますので、片道乗るだけでも結構します。端から端まで乗れば、3780円。こんな鉄道でフリー切符をつくれば、結構な金額になってしまいます。

 ところが、その三陸鉄道がたった400円のフリー切符をつくりました(子供も同額です)。三陸鉄道開業40周年を記念してのもので、年4日だけ適用されます。すでに4月13日に実施しましたが、残り3日間の日程は未定でした。

 その残り3日間の日程が決まりました。9月14日、10月12日、11月4日です。いずれも休日です。いずれも乗車日の2週間前から盛、釜石、宮古、久慈などの主要駅で購入することができます。大変お得な切符なので、日程が合うのなら是非使いたい切符です。

 なお現在、宮古と新田老の間は、台風5号の被害を受けたため、代行バスでの運行となっています。
(参考:三陸鉄道ホームページ https://www.sanrikutetsudou.com/2024/08/30/400円でリアス線全線乗り放題!400円きっぷ発売決定/、https://www.sanrikutetsudou.com/2024/09/05/9月6日金から当面の間%e3%80%80宮古~久慈間の運行につ/)

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