いすみ鉄道のキハ52、引退していた

 いすみ鉄道のキハ52は、元々JR西日本の大糸線で走っていた車両です。それが引退し、いすみ鉄道で復活しました。

 このキハ52、定期運行は1年前に終了していましたが、その後も走っていました。しかし、このたび8年(休車扱いの期間は除いて考えます)に一度の全般検査に当たって、車両が老朽化していること(いすみ鉄道にキハ52が来たときから、使えるのは10年程度と考えていたようです)及び交換部品が調達困難で検査費用が高額であることから、全般検査を受けることなく営業運転を終わらせることにしました。

 本来ならさよなら運転などを行いたいところでしょうが、いすみ鉄道は2024年10月に起きた脱線事故の影響で、全線が運休したままです。しかし、何もしないわけにもいかないので(いすみ鉄道もせっかくの稼げる機会を失うことになります)、引退記念イベントを行います。イベントを行うのは、4月27日、5月10日、5月11日の3日間。9:30から16:00まで、大多喜の駅構内で行います。大原や上総中野から、特急や小湊鐵道に接続するかたちで臨時の急行バスが出ます。駅の1番線にキハ52をエンジンを稼働させた状態で展示し、キハ52に乗って駅構内を往復する乗車体験会を行います。

 このイベントに参加するには、参加当日に駅特設会場で「キハ52-125引退記念切符セット」を買う必要があります。2000円です。これを買った人だけがイベントに参加できます。小学生以下の子供と一緒に来た人については、「キハ52-125引退記念切符セット」があれば2人まで無料で参加することができます。さらに1日2回行われる乗車体験会(定員40人)については、大人1人につき1000円の料金がかかります。こちらも同伴の小学生以下の子供については、2人まで無料になります。このほか、物販の販売もあります。200円の瓶ジュース(オレンジ、コーラともに200円)を買えば、キハ52のボックスシートで栓抜きの体験もできます。

(追記)
 5月10日に行われる予定だったイベントは、荒天予報のため延期されました。代わりに6月15日に開催します。
(参考:いすみ鉄道ホームページ https://isumirail.co.jp/blog/archives/10291、https://isumirail.co.jp/blog/archives/10402)

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富士山麓電気鉄道、205系を追加で譲受

 富士急グループの富士山麓電気鉄道(2022年に富士急行から分社化)は、JR東日本から205系車両を譲受しました。

 譲受した車両は3両編成2本。鶴見線で走っていた車両を譲受しました。205系車両はすでに富士山麓電気鉄道で使われている車両なので(7編成21両がすでに導入されています)、取り扱いには慣れていると思われます。これまでの主力だった元京王の1000系に代えて(1000系は2024年12月で定期運用を終了しています)、205系改め6000系が富士山麓電気鉄道の日ごろの足になります。

 富士山麓電気鉄道は譲受した車両を改造し、この夏に運行を開始する予定です。
(参考:富士山麓電気鉄道ホームページ https://www.fujikyu-railway.jp/upload/file/2025/甲種回送リリース/20250404001.pdf、https://www.fujikyu-railway.jp/upload/file/2024年/1001号編成引退関連/ホームページ用【240924】富士山麓電気鉄道_富士急行線1000系車両運用終了のお知らせ.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/535812)

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ライトラインと東武宇都宮線、乗り入れ検討へ

 宇都宮のLRT、ライトラインは駅の東側と工業団地を結ぶだけで、駅の西側は走っていません。しかし、将来的には駅の西側にも延びます。2030年が目標です。

 ライトラインが駅の西側に延びると、東武宇都宮線の近くを通ります。そうなると出てくるのが、ライトラインとの連携。東武宇都宮線は支線なので、ライトラインと連携することによって利便性を増すことができると考えられています。

 どのようになるのでしょうか? 福田栃木県知事によれば、5つの案があるようです。(1)東武宇都宮線そのものをLRTにする (2)東武宇都宮線にライトラインが乗り入れる (3)ライトラインに東武宇都宮までまでの支線をつくり、東武宇都宮でライトラインと東武宇都宮線の乗り換えをする (4)東武宇都宮とライトラインの間を動く歩道でつなぐ (5)何もしない(東武宇都宮とライトラインの間は歩く) 数字が小さい方が実現困難性は高まります。ちなみに、軌間はライトラインも東武宇都宮線も狭軌ですが、電圧はライトラインが750ボルト、東武宇都宮線が1500ボルトと異なります。また、LRTは低床ですが、東武宇都宮線はプラットホームから乗り降りします。(1)や(2)のように直通させるためには、東武宇都宮線の改良工事が必要です。

 もちろん、直通すれば、東武宇都宮線沿線から宇都宮の中心部まで乗り換えなしで行くことができ、利便性が向上します。東武宇都宮線がLRTになれば、駅の設備を簡素化することができ、それで浮いたコストで増発を図ることもできます。ただ、それなりの初期投資は必要で、どれぐらいお金が要るか、また採算がとれるかという計算はされていません。それと延伸の時期が早いので、東武宇都宮線へ直通させることが決まったとしても、東武宇都宮線の改良工事は間に合いません。ライトラインの西側延伸と同時に東武宇都宮線に乗り入れるのは難しいようです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/AST3T34QTT3TUUHB004M.html)

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小湊鐵道と久留里線を結ぶバスツアー

 千葉県のローカル鉄道の小湊鐵道と久留里線ですが、ふたつをまとめて乗るのは難しいです。終点の上総中野と上総亀山を結ぶ交通機関がないので、まとめて乗ろうと思ったら、五井や木更津まで戻らないといけません。

 その小湊鐵道と久留里線ですが、ゴールデンウィークに養老渓谷(上総中野のひとつ手前の駅)と上総亀山とを結ぶバスツアーが運行されます。運行するのは、4月26日、5月3~5日の4日間。4日間とも、養老渓谷発上総亀山着、上総亀山発養老渓谷着の両方が用意されています。バス(参加人数によってはタクシー)の所要時間は30分ほどで、代金(4800円)には小湊鐵道の1日フリー乗車券もついていますので(JRの切符はありません)、それを使って小湊鐵道を楽しむことができます。

 本来、上総中野と上総亀山の間は、国鉄が走る予定でした。木更津と大原の間が鉄道で結ばれる予定でした。両端は鉄道ができましたが(東のほうはいすみ鉄道です)、真ん中の部分は鉄道ができないまま今に至っています。そのできなかった区間をカバーするのが、今回のバスツアーです。
(参考:ローソントラベルホームページ https://tour.l-tike.com/package_tour/domestic/detail.php?id=1222963)

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ひたちなか海浜鉄道の延伸が高校入試で取り上げられる

 以前にも記事にした通り、ひたちなか海浜鉄道は2期に分けて延伸工事を行います。第1期の公園南口までは2030年に延伸予定です。そのひたちなか海浜鉄道の延伸ですが、この春の高校入試で取り上げられました。

 どこの入試かと言えば、都立高校の入試。社会の問題で出ました。国営ひたち海浜公園まで延伸された後の那珂湊おさかな市場と国営ひたち海浜公園との間の交通の利便性の変化についての記述問題です。鉄道が延伸されると、那珂湊おさかな市場から国営ひたち海浜公園まで鉄道で行くことができるので、利便性が高まるというのが模範解答のようです。

 第1期の延伸が実現するのは今から5年後、高校入試を解いた生徒が大学生になっているころです。延伸した後に、便利になったひたちなか海浜鉄道に乗ってみたいです。
(参考:ひたちなか海浜鉄道ホームページ www.hitachinaka-rail.co.jp/journal/2025/02/27/都立高校入試に延伸出題/)

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銚子電鉄の観光列車は「次郎右衛門」

 銚子電鉄は南海の2200系を2編成譲り受けました。最初のは昔懐かしい緑の濃淡の塗装に戻して銚子を走っていますが、2編成目は改装して観光列車とします。4月1日に運行を開始する予定です。

 外観は南海時代のままですが(グレー地に青とオレンジの帯)、内装を変えます。銚子方の車両は猫をイメージした内装で、座席のシート柄はひまわりです。運転席のすぐ後ろは展望席で、カウンターもあります。外川方の車両は魚をイメージした内装で、座席のシート柄は魚です。こちらも運転席のすぐ後ろは展望席で、連結部付近ではテーブルのついたボックスシートがあります。

 そして、この観光列車は、「次郎右衛門」と名付けられました。﨑山次郎右衛門は江戸時代初期の紀州出身の漁師でしたが、遭難して、銚子の人に助けられました。その後、紀州から銚子に移り住み、漁業技術の伝承や漁港の建設を行いました。終点の外川の漁港は彼が築いたものです。和歌山から銚子に来た﨑山次郎右衛門と南海2200系を重ね合わせているのです。

 この「次郎右衛門」の運行開始により、銚子電鉄の保有する車両は4編成に戻りました。銚子電鉄の今のダイヤを維持するには4編成必要なのですが、3編成しかなかった期間が10年以上続きました。銚子電鉄は車両が3編成体制になった2013年に減便していましたが、減便する前の1日33往復に戻したいと考えているようです。
(参考:銚子電鉄ホームページ https://www.choshi-dentetsu.jp/news/7020/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20250301-choden22000jirouemon/)

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箱根ロープウェイにオープンエアーのゴンドラ

 ロープウェイのゴンドラは、箱。ガラス張りなので眺望は利きますが、外の空気を感じることはできません。ところが、箱根ロープウェイは、全線開通65周年を記念して、オープンエアーのゴンドラ、「ROPESTER」の運行をします。「ROPESTER」の名前は、マツダのオープンスポーツカー、「ロードスター」に因んだもののようです。窓のない、オープンエアーのゴンドラは、日本初の試みです。

 「ROPESTER」は、桃源台から大涌谷までの片道限定で走ります。3月10日から14日までの5日間と、4月以降は9月までの約50日間に運行する予定です。乗車できるのは12歳以上の人に限られ(そのほか、妊婦、酔っている人、シートベルトを装着できない腹囲130センチ以上の人、介助が必要は人は乗車できません)、10時、11時、14時、15時と1日4回走りますが、定員は最大8人です。事前に予約する必要があります。値段は1人5000円で、フリー切符の類を持っている人も1人2500円かかります。代金は現地で支払います。
(参考:箱根ナビ https://www.hakonenavi.jp/_wp/wp-content/uploads/2025/02/2df4cad3e81a138f266072a338eb214e.pdf、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20250307-OYT1T50046/)

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小湊鐵道、財政支援を辞退

 五井と上総中野とを結ぶ小湊鐵道は、東京に近いところにありながらローカル鉄道を楽しむことができるので、人気があります。しかし、それは裏を返せば、利用者が少ないということ。五井の近くはともかく、上総牛久より先は利用者が少ないようです。しかも、設備が老朽化しているので、今後10年で60億円の設備投資が必要になるようです。

 そのため、運営している小湊鐵道は地元の市原市に対して財政支援を求めましたが、小湊鐵道は辞退しました。なぜ辞退したのでしょうか? 市原市などは、小湊鐵道のうち、利用者の少ない区間に限って国の交付金を活用して、上下分離などを行うことを考えていました。しかし、小湊鐵道は全線で一体的に経営を行うことが重要で、一部区間だけを交付金の対象にすることはできないとして、財政支援を辞退することにしました。その裏には、実は投資にお金がかかるのは利用者がいる五井-上総牛久間で(信号設備の更新が必要となっています)、上総牛久-上総中野間のみを交付金の対象とすると、五井-上総牛久間にお金を使うことができないという事情があるようです。

 今後、小湊鐵道は自力で経営するため、乗客の少ない平日に減便を行うことを考えています。ワンマン運転の導入も考えています。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20250130/1000113742.html、東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/382914、Yahoo!ニュース https://article.yahoo.co.jp/detail/b4c2b0f405d9c174934f824b54fc3d603bba1ac0)

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関東鉄道常総線、ダイヤ改正で3両編成の列車が登場

 関東鉄道の常総線は3月15日にダイヤ改正を行います。

 利用の多い列車については増結を行います。従来は1~2両編成でしたが、平日朝のラッシュ時に3両編成の列車が走ります。3両編成で走るのは、守谷-新守谷間が2本、守谷-水海道間が2本です。1両編成から2両編成になるのは、水海道-下館間が2本、水海道-下妻間が3本です。休日も増結を行います。1両編成から2両編成になるのは、守谷-水海道間が2本、水海道-下妻間が3本です。

 休日だけですが、利用の多い時間帯に増便します。取手-守谷間が4本、守谷-水海道間が2本です。反面、利用の少ない時間帯の水海道-下館間については、減便します。
(参考:関東鉄道ホームページ https://www.kantetsu.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/02/20250228info_josodaiyakaisei.pdf)

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西武からの直通列車は各駅停車に

 秩父鉄道も3月15日にダイヤ改正を行います。

 秩父鉄道は、私鉄では珍しい有料の急行が走る鉄道です。その急行ですが、1往復増え、1日3往復になります。平日は夕方の通勤通学時間帯に、休日は観光からの帰りに使いやすいよう、午後に1往復増やします。平日の急行は3往復とも熊谷-影森間の運転ですが、休日は1往復が羽生-三峰口間の全線を走ります。

 平日の日中については、普通列車が羽生-影森間においてほぼ40分間隔で走るようにします。

 観光客が増える休日は、西武秩父に到着する特急との接続を考慮したダイヤにします。そして、西武からの直通列車は現行と同じく長瀞行きが2本と西武秩父-三峰口間が1往復ですが、長瀞行きは急行(急行料金は不要です)から各駅停車に変わります。停車の要望が多かったからのようです。
(参考:秩父鉄道ホームページ https://www.chichibu-railway.co.jp/assets/newsrelease/20250221_daiya.pdf)

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