エイトライナー・メトロセブン構想

 東京にはたくさん鉄道が走っていますが、郊外のほうはあまりないところもあります。そういうところに鉄道を通す構想が、エイトライナー・メトロセブンです。その名の通り、環状8号、環状7号の下などを通ります。赤羽より西が環状8号、東が環状7号です。田園調布から葛西臨海公園まで、約60キロの長い路線です。

 このエイトライナー・メトロセブンですが、どういう交通機関が走るのでしょうか? 新型の小型の地下鉄(スマートリニアメトロ)、モノレール、新交通システム、LRT、BRTが考えられています。道路の拡張などの工事がいらない地下がメインで考えられていますが、メトロセブンに関しては、幅の広い道路が整備されている区間が多いこと及び海抜ゼロメートル地帯を通ることから、高架にする構想もあります。

 需要に関して言えば、エイトライナーのほうが多いです。世田谷区、杉並区あたりは1日70000人以上の利用を見込んでいます。メトロセブンのエリアでは、1日50000人以下です。そのため、LRTやBRTでは輸送力不足になり、スマートリニアメトロ、モノレール、新交通システムが必要とされています。

 また、先ほども述べたように、エイトライナー・メトロセブンは全長約60キロにも及ぶ長い路線です。一気につくるのは難しいです。常識的には需要の多いエイトライナーから先につくるのが妥当ですが、こうなるとメトロセブンの建設はその分遅くなります。2030年ごろになると言われている、次の交通政策審議会の答申にどのようなかたちで盛り込まれるかによって、エイトライナー・メトロセブンの将来が変わっていきます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/eightliner-metroseven2024/)

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新金貨物線の旅客化はバスで対応?

 新小岩と金町とを結ぶ貨物線、新金貨物線には旅客も受け入れるというがあります。新金貨物線の旅客化です。ただ、この旅客化、実現しないようです。

 それではどうなるのかと言えば、BRT。連節バスを新たに導入し、対応するようです。国道6号線との交差や事業費の問題で、鉄道ではなく、バスで対応させるようです。

 バスは全部になるか一部になるかは別として、専用道を走らせる方針です。専用道の用地は、貨物線の複線化用に取っておいた土地を使います。停留所では車両がすれ違うことができるようにして、両方向にホームを設置します。問題となっていた国道6号線との交差は、平面交差で対応します。新小岩や金町で折り返すときは、全線を専用道で走るパターンでも、既存の駅前広場を使います。

 環境問題を考慮し、バスの車両は電気自動車か燃料電池自動車を導入します。車両や停留所は、町のシンボルになるようなデザインにします。
(参考:日刊建設工業新聞ホームページ https://nordot.app/1213230173244654549?c=648454265403114593)

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「サンキュー♥ちばフリーパス」等、京成等にも乗車可能に

 千葉県内のJRや一部の私鉄、バス、フェリーが乗り放題の「サンキュー♥ちばフリーパス」、それに加えて都区内各駅からの往復もセットになった「サンキュー♥ちばフリー乗車券」。2024年秋と2025年早春にも発売します。秋の発売期間は9月1日~10月30日、利用期間は9月1日~10月31日、早春の発売期間は2025年1月4日~2月27日、利用期間は2025年1月4日~2月28日です。値段は「サンキュー♥ちばフリーパス」が大人3970円、子供1980円、「サンキュー♥ちばフリー乗車券」が大人4790円、子供2390円です。

 この「サンキュー♥ちばフリーパス」、「サンキュー♥ちばフリー乗車券」ですが、今回から3社が新たに加わることになりました。京成、新京成、芝山鉄道です(北総鉄道は2023年度から利用可)。千葉県内部分のみ使えます。すでに系列の北総鉄道で使えるようになっていたとはいえ、大手私鉄の京成が使えるようになるとは意外でした。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/chiba/20240822_c01.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127801)

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羽田空港アクセス線、「臨海部ルート」も2031年度開業へ

 都心と羽田空港とを結ぶ、羽田空港アクセス線。東京、新宿、新木場の3か所から羽田空港を目指します。それぞれ、「東山手ルート」、「西山手ルート」、「臨海部ルート」と名付けられています。このうち、東京と羽田空港とを結ぶ「東山手ルート」は2031年度の開業を目指して工事が進んでいます。

 この羽田空港アクセス線ですが、残る2つのルートのうち、「臨海部ルート」についても開業目標を決めました。「東山手ルート」と同じ2031年度です。「臨海部ルート」が開業すれば、これまでモノレールに乗り換えて約40分かかっていた新木場と羽田空港の間は、乗り換えなしで約20分で結ばれ、所要時間は大幅に短縮されます。ただ、(JR東日本で完結せず)りんかい線を通ることから、京葉線まで直通できるかは未定です。

 なお、残る「西山手ルート」については、トンネルの施工方法などまだ決まっていないものがあるため、開業目標は決まっていません。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240724/k10014521871000.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/133965/2、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20240724-ECT7F64IF5PMFEICDFIHZWZSUQ/)

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ディズニーリゾートラインを貸切にできる

 東京ディズニーリゾートの周りをぐるぐる回る、ディズニーリゾートライン。このディズニーリゾートラインを1両単位で貸し切りにできるのです。ディズニーリゾートラインは6両編成ですが、1組で1両を占領することができるのです。

 どうすればこのようなことができるのでしょうか? 事前に申し込む必要があります。7月10日から28日までの間、3期にわけて事前抽選の予約を受け付けます。抽選の結果は、7月15日から順次、申込時に登録したメールアドレスに通知されます。空きがあれば、8月1日以降に先着順で申し込むことができます。乗車できるのは、7月27日から8月31日の間の指定された列車で、2周します。値段は1組当たり42000円です(最大6人まで乗車可能です)。貸切列車にはキャストが乗り込み、案内をします。小学生以下の子供には、記念撮影用にキャストと同じデザインの帽子を貸し出しします。

 夏休みの思い出づくりに使えそうです。
(参考:ディズニーリゾートラインホームページ https://www.mrc.olc.co.jp/news/pdf/news_20240710.pdf)

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新京成は松戸線に

 以前にも記事にしましたが、京成は新京成を合併します。5月21日に鉄道事業の合併認可申請を行っていましたが、6月25日に国交相から認可されました。2025年4月1日に合併を行い、新京成(京成津田沼-松戸間、26.5キロ)は京成の松戸線として営業を開始します。松戸線、成田空港線を含めて京成は180キロ弱の路線網を誇ることになります。

 新京成が松戸線になると、どうなるのでしょうか? 駅ナンバリングは今のSLからKSになりますが(新津田沼がKS66、松戸がKS88)、合併に伴う運賃・料金、ダイヤの変更はありません。松戸線とそれ以外の京成線を乗り継ぐ場合、両者の運賃は別々に計算され、初乗り運賃は2回かかることになります(もっとも、新京成の場合は、新京成の運賃が京成に比べて安く、京成の水準に合わせると値上げになる人が続出するという事情もあります)。ただ、車両のデザインは今のピンクから、京成と同じ赤と青をベースとしたものになります。
(参考:京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/Y6GBPH35.pdf)

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山万、15日からは顔認証も可

 ユーカリが丘に新交通システムを走らせている、山万。15日から切符が大きく変わります。

 これまで山万の切符は磁気の切符でしたが(交通系ICカードは使えません)、通勤定期券(割引定期券を除きます)と普通乗車券について、顔認証システム、QR乗車券になります(現在使っている磁気定期券はそのまま使えます)。これまでの磁気の切符は、自動改札機に切符を入れて通過していましたが、これからは顔認証で認証を受けるか、もしくはQR乗車券(定期券の場合はスマホの画面)をかざして通過します。1回だけの乗車でも、事前に専用サイトで登録すれば、顔認証での利用ができます。代金は後日、クレジットカードで請求されます。このようなシステムが本格的に導入されるのは、全国で初めてのようです(顔認証システムの開発会社の意向として、全国各地の路線に導入する前に、規模の小さい路線から始めたいというのがあったようです)。

 今回、顔認証やQR乗車券に変わるのは、通勤定期券と普通乗車券だけです。そのほかの通学定期券、回数券等は磁気のままですが、順次変更する予定です。山万によれば、乗車券のランニングコストが3割ぐらい下がるようです。
(参考:山万ホームページ https://town.yukarigaoka.jp/yukariline_post/yukariline_post-11682/、NHKホームページ https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/articles/101/006/36/)

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JR東日本等もQR乗車券に移行

 少し前に、東武や京急が磁気乗車券を廃止してQRコードを使用した乗車券(QR乗車券)に切り替えるという内容の記事を書きましたが、QR乗車券に移行する会社はほかにもあったのです。

 それは、京成、新京成、西武、東京モノレール、JR東日本、北総の6社。東武、京急と合わせて8社がQR乗車券に移行するのです。結構な数が2026年度末以降、順次移行するのです。交通系ICカードの普及により磁気乗車券の割合は減っていますが(現在のICカード利用率は5~10%ぐらい)、磁気乗車券の紙は金属を含んでいるため、リサイクルするためには磁気の層を分離する必要があり、一定の環境負荷がかかります。QR乗車券なら環境に優しい紙に置き換えることができます。これまでのように切符を高速で前方に送る必要はなく、自動改札機の構造が簡素化されます。これまでQR乗車券は反応時間の遅さが問題になっていましたが、交通系ICカードの普及によりQR乗車券の利用者はそれほどいないと想定されるので、移行することにしたのでしょう。

 今回置き換えの対象となるのは、自動券売機で購入する近距離の切符です(新幹線などの長距離切符は対象外です)。自動改札機では、QRコードをQRリーダーにタッチします。QR乗車券の情報や、入場・出場などの利用状態は8社共通のQR乗車券管理サーバーで管理します。同一のシステムを利用するので、会社間に跨がるQR乗車券の発行が可能になります。JR東日本など主要な鉄道事業者が移行するので、このシステムが事実上の標準になるのでしょう。

 ただ、相互直通運転が盛んな首都圏では、8社以外でもQR乗車券に移行したほうが良さそうな事業者はあります。今回発表のあった8社以外にも、QR乗車券に移行するところはあると思われます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240529_ho02.pdf)

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上野動物園モノレールの後継はジェットコースター

 上野動物園には園内にモノレールが走っていましたが、老朽化のため2019年11月から運行を休止し、2023年12月に廃止になりました。

 この上野動物園モノレールの後継の乗りものは、公募によって決められるのですが、審査委員会の審査の結果、ジェットコースターの原理を使った乗りものになるようです。ジェットコースターの原理を使って鉄道は以前に当blogで取り上げましたが、どうやらそれが実現するようです。ジェットコースターは上るときはレールに設置されているモーターの力で上がりますが、下りは位置エネルギーで電力などのエネルギーを使わずに降りていきます。ジェットコースターそのものにはモーターもブレーキもなく、動きは地上側で操作します。10メートル引き上げると400メートルを走る(坂を下る)ことができます。もちろん、遊園地のアトラクションではなく、公共交通機関になるので、怖くはないようには設計されます。

 この上野動物園ジェットコースターの運行開始は、2026年度末になるようです。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20240401-2918955/、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/ueno-ride/)

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東京と臨海部を直結する地下鉄は東京臨海高速鉄道の運営に

 東京の都心と臨海部とを直結する地下鉄の構想があります。東京と有明・東京ビッグサイト(仮称)とを結ぶ長さは6.1キロの路線で、東京都は2040年ごろの開業を予定しています。

 さて、この地下鉄、どこが運営するのでしょうか? 東京都は、この地下鉄の運行事業者を、東京都やJR東日本が出資する第三セクターである東京臨海高速鉄道にすることを決めました。東京臨海高速鉄道は大崎と新木場とを結ぶりんかい線を運行している事業者であり、東京と直結する地下鉄の終点である有明・東京ビッグサイトとは、国際展示場で接続します。この地下鉄にはつくばエクスプレスとの直通構想もありますが、こちらも羽田空港アクセス鉄道のひとつになります。

 なお、東京と臨海部を直結する地下鉄は、負担軽減と経営の効率化を図るため、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が整備し、東京臨海高速鉄道が運行を担うという、上下分離方式を採ります。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20240202-OYT1T50009/)

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