南海の新たな観光列車は食事もできる

 「サザン」の新型車両のところでも取り上げた高野線の観光列車ですが、その概要が明らかになりました。

 「天空」に代わって運行する観光列車は、2025年度末に難波と極楽橋との間を走ります。「天空」は橋本-高野山間のみですが、新しい観光列車は難波まで行くのです。4両編成で、各車両に特色を持たせ、内装やインテリアは高級感を重視し、快適な座席とパノラマビューを楽しめる窓などができるようです。

 また、新しい観光列車は単なる移動手段ではありません。列車の旅そのものが特別な体験となるように、アテンダントがきめ細やかな対応をします。地元の食材を使用した食事もあります。バーみたいなものもできるようです。高野山観光だけでなく、上質な旅行を楽しむ人をターゲットにして、南海沿線の魅力を思いっきり楽しんでいただきたいと考えています。

 また、以前から話がありますが、この新しい観光列車の導入に当たって、付加価値に見合った料金体系を検討します。今の座席だけしかない「こうや」と違う料金体系で構わないでしょう。停車駅も通勤客を考える必要はないので、堺東-橋本間はノンストップとしてその間にサービスを行うことを考えれば良いのではないでしょうか?
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250515_1.pdf)

| | | Comments (0)

「サザン」も復元塗装に

 難波と和歌山市とを結ぶ南海の特急、「サザン」。今年で運行開始から40年が経ちます。

 この「サザン」、デビュー当時の塗装は異なっていました。濃淡グリーンのツートンカラーです。1992年までこの塗装が用いられていましたが、このたび、1編成についてこの懐かしの濃淡グリーンに戻すことにしました。やはり南海には緑が似合います。期間は6月4日から後継車両が入るころまでです。

 現在、7100系も1編成4両が濃淡グリーンのツートンカラーとなっています。タイミングが合えば、指定席も自由席も濃淡グリーンで揃うことになります。10年ほど前にもこのように濃淡グリーンで8両揃うことがありましたが、そのときは7100系ではなく7000系でした。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250512.pdf)

| | | Comments (0)

「サザン」の新車は2027年度末に

 難波と和歌山市を結ぶ特急、「サザン」。リクライニングシートの指定席4両とロングシートの自由席4両をつないで、8両編成として走らせています。珍しい運行形態です。

 しかしこの「サザン」ですが、2編成ある12000系を除いて、老朽化しています。今なお主力の10000系は、古いものだとつくられてから40年近く経過しています。

 どうやら、「サザン」を新型車両に更新するようです。いくら古いとは言え、先に(なにわ筋線に対応できない)「ラピート」の置き換えをするものと思っていましたので、意外です。2027年度末から更新を行います。12000系を増備するのではなく、新しい車両をつくるようです。また、インバウンド等に対応するため、2025年度から2027年度までの3年間に8300系を40両導入します。

 そして、高野線については2026年春に難波と高野山とを結ぶ観光列車を導入します。「天空」の後継という位置づけです。料金面については、2026年度から新しい付加価値に見合った料金等の導入を行います。おそらく「ラピート」や「こうや」が対象になると思われますが、どういうものかはわかりません。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/ir/library/individual/pdf/250331_3.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/534620)

| | | Comments (0)

高師浜線の自動運転は2027年度から

 今後、生産年齢人口は減っていきます。こうなると、乗務員の確保が難しくなります。このような状況の中でも、列車本数を維持し、鉄道事業を持続可能なものにするため、南海は自動運転を行うことを考えています。2022年から自動運転の実証運転の準備を始め、和歌山港線において7200キロもの走行運転を行ってきました。

 南海の考えている自動運転では、GoA2.5。運転士の資格を持たない係員が運転席に乗務します。すでにJR九州の香椎線で実用化されており、緊急停止操作や避難誘導等を行います。運転士が係員に置き換わるためなので人数そのものは減りませんが、運転士の養成にかかるコストを削減できます。このたび、有識者からなるGoA2.5自動運転検討委員会で安全性等についての評価を受け、ついに2027年度から高師浜線でGoA2.5による自動運転を行うこととなりました。高師浜線は全長1.4キロの短い路線で、1編成の列車が行ったり来たりしています。しかも、全線高架で、踏切はありません。ほかの線に比べて、自動運転はやりやすいとも言えます。なお、車両は8300系を使います。

 今後のスケジュールは次の通りです。2025年度中に、GoA2.5自動運転に必要な地上設備と車両改造のための詳細設計、そして機器類等の製造を始めます。2026年度は地上設備の施工と車両改造を終え、走行試験を行います。そして2027年度にはGoA2.5係員の養成を行い、GoA2.5自動運転を始めます。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250326_2.pdf)

| | | Comments (0)

「3・3・SUNフリーきっぷ」で南海へ

 今回、大阪・関西万博に行ったとき(そのときの旅行記はこちら)、復活した「3・3・SUNフリーきっぷ」を使ってきました。

 

(1)QRコード対応の改札はどこ?
 通常、近鉄で関西方面に行くときは、事前に金券ショップで株優を買っておくが、今回はデジタルというかたちで復活した「3・3・SUNフリーきっぷ」を使ってみることにした。スマホで購入してから30日間有効で、使う日になってから「Eチケットを利用」というボタンを押して使う仕組みとなっている。駅での乗り降りは自動改札を使うのだが、QRコードに対応している自動改札は少なく、駅員に聞くことになる。磁気の切符がなくなり、駅の券売機で買う切符がQRコードが記載されている切符になるまでは、このような状態が続くのだろう。

(2)無所属の和泉こうみ
 翌日の19日は南海になった和泉中央からスタート。駅に入る前に、バスターミナルから見ていく。3月末で和泉市山間部のバスが廃止され、大きく変わったからだ。朝夕は小型ながらもバスが走るが、昼はタクシー会社のジャンボタクシー。昼の乗る場所もバスターミナルではなく、自家用車やタクシーが停まる側から乗ることになる。これまで大型のバスが走っていたところでも、ジャンボタクシーで間に合うぐらいの需要しかなかったのが現状だったのか?

 駅には「鉄道むすめ」のイラストが描かれている。泉北の和泉こうみのほか、何人もの「鉄道むすめ」が描かれているが、彼女たちには「◯◯鉄道株式会社運転士」などと所属が書かれている。しかし、和泉こうみはイラストは残っているものの、所属はひとつは白紙、もうひとつは「運転士」という職種のみになっている。彼女は無事に南海に採用されるのだろうか?

(3)やはり7100系には緑がよく似合う
 「3・3・SUNフリーきっぷ」を使って南海に乗る。車両は元泉北の車両。ロゴは南海になっているが、塗装は泉北時代のまま。こちらもいずれ南海と同じようになるのだろうか? 予定では中百舌鳥で河内長野方面に乗り換えるはずだったが、入ってきた難波行きの各駅停車を見るとデビュー当時の姿に復元された6000系。帯の色が消され、無塗装になっている。予定を変更して堺東まで乗ることにする。フリー切符のいいところだ。

 用事を終え、南海本線に乗りに行く。ワンマン列車に乗るのが目的なので天下茶屋から「サザン」に乗ったが、自由席は緑の濃淡の7100系。一発で当てるのは運が良い。当然これに乗って泉佐野まで行く。欲を言えば座席のモケットも赤にして欲しかったが。

(4)南海本線のワンマン列車
 泉佐野で普通に乗り換える。普通は岸和田で追い越したので、10分ぐらい待つ。来たのは8300系の4両編成なので、ここ泉佐野からワンマンになる。確かに車掌はいない。本線でワンマンとは違和感があるが、普通限定で駅には自動改札があるから問題は少ないのであろう。2駅目の吉見ノ里で降りる。吉見ノ里から難波に戻るが、次に乗った難波行きも8300系で、ワンマンであった。泉佐野では車掌が乗ってきて、これまで通りのツーマンになる。

(5)最後は近鉄の8A系
 大阪難波から近鉄に乗る。とりあえず鶴橋から大阪線の急行に乗ったが、接続がよくないので、どこかで時間調整をしようと考えていたところ、布施を過ぎたところで奈良線で新型車両、8A系を見かける。急行なのですぐに降りることはできず、大和八木で少しのチャンスに賭けてみることにする。普通で次の八木西口に行き、地下道を通ると反対側のホームに8A系の急行が入ってきた。大和八木までの非常に短い区間だが、近鉄久しぶりの一般車の新車に乗ることができた。

| | | Comments (0)

「3・3・SUNフリーきっぷ」がデジタルに

 近鉄、南海、名鉄が3日間乗り放題となる「3・3・SUNフリーきっぷ」は人気の切符でした。その「3・3・SUNフリーきっぷ」がデジタルで復活します。19年ぶりの復活です。

 以前の「3・3・SUNフリーきっぷ」は紙の切符で、自動改札も通ることができなかったのですが、今回復活するのは、デジタル切符です。駅窓口ではなく、専用サイトで発売します。また、デジタルに対応していないからでしょうか、利用できる駅に制約があります。近鉄はロープウェイを除く全駅で使えますが(ケーブルカーにも乗ることができます)、南海は汐見橋線、多奈川線、高野線下古沢-極楽橋間の各駅では利用できません。ただ、ケーブルカーは使えますので、高野山には行くことができます。制約が厳しいのは名鉄。中部国際空港、名鉄名古屋、金山、東岡崎、神宮前、国府宮、名鉄一宮、新木曽川、笠松、名鉄岐阜、犬山、知多半田、西尾の13駅しか乗り降りできません。

 「3・3・SUNフリーきっぷ」の発売期間は4月7日5時から2026年3月31日まで、利用期間は4月7日5時から2026年4月29日までです。購入日から30日間有効です。連続3日間有効のタイプと連続2日間有効の2タイプがあり、値段はそれぞれ8200円、6200円です。子供の設定はありません。以前の「3・3・SUNフリーきっぷ」に比べて値段は上がっていますが、元が取れるプランをつくって使ってみたいものです。
(参考:近鉄ホームページ https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/a6c6907004b14c4c804b24dea2f36b4f/20250331rw.pdf)

| | | Comments (0)

南海本線でワンマン運転

 南海も支線を中心にワンマン運転をしている路線がありますが、メインの南海本線は加太線からの列車を除いて、ワンマン運転の列車はありませんでした。

 その南海ですが、以前からはありましたが、南海本線でもワンマン運転を行うことになりました。3月22日から泉佐野-和歌山市間において、ワンマン運転を行います。ワンマン運転を行うのは、8300系を使う4両編成の普通の一部で、準急以上の列車や6両編成以上の列車は対象外です。南海本線は2024年12月にダイヤ改正を行ったばかりですので、再度ダイヤ改正を行うわけではありません。泉佐野で系統分離を行うわけではなく、難波方面からやって来た普通が泉佐野で車掌だけ降りて、ワンマン運転になるのです。各駅には自動改札があるので、運転士は集札を行う必要はありません。

 なお、すでにこの1月から乗務員に対してワンマン運転の習熟運転をしています。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/241220.pdf)

| | | Comments (0)

2025年4月1日から、南海、泉北相互間の運賃値下げ

 南海と泉北は2025年4月1日に合併します。泉北は南海の泉北線になります。

 さて、合併後の運賃はどうなるのでしょうか? 泉北も南海と跨がるときは、南海の運賃表を適用します(泉北のみを利用する場合は、現行と変わりありません)。今まで100円という高額の乗継割引があったとはいえ、初乗り運賃の二度払いがなくなるので、多くの区間で値下がりになります。南海の運賃表を適用することにより、現行の運賃から値上がりする場合は、現行の運賃をそのまま使います(ただし、子供がICカードを使ったときは、値上がりすることもあります。泉北線内の一律50円のサービスは継続します)。一番値下がり額が大きいのは、栂・美木多-磯ノ浦間。150円の値下がりです。これはレアケースとしても、難波-光明池間は550円から540円に10円の値下げ、堺東-泉ケ丘間は380円から290円に90円の値下げ、新今宮-和泉中央間は590円から560円に30円の値下げです。

 乗継割引の対象外となる定期券の場合は、さらに値下がり幅が大きくなります。普通運賃が590円と変わらない難波-和泉中央間の場合でも、通勤定期(1か月)は28090円から22870円になります。通学定期(1か月)は11560円から6640円になります。これまで、定期代の節約のために少々時間がかかっても中百舌鳥で地下鉄に乗り換える人は多かったでしょうが、ここまで値下げすれば南海でそのまま難波まで行く人が増えることでしょう。難波なら「泉北ライナー」も区間急行も使えますから。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/241204.pdf)

| | | Comments (0)

大井川鐵道の元南海6000系、12月30日から運行開始

 大井川鐵道の大井川本線の車両は、普通電車すらも魅力的。今は近鉄で吉野線特急として使われてきた16000系、南海で高野線急行として使われてきた21000系、東急から十和田電鉄を経て大井川鐵道にやって来た7200系の3種類が使われています。

 その大井川鐵道ですが、12月30日から新たな車両が加わることになりました。それは6000系、南海の高野線難波-橋本間で通勤輸送に当たっていたロングシートの車両です。6000系は4年以上前に大井川鐵道に来たのですが、ようやく使われることになりました。

 12月30日は新金谷10:31発金谷行きの普通列車から運用を始めます。ただ、その12月30日も新金谷→金谷→川根温泉笹間渡→金谷→新金谷と行っておしまいで、その後しばらくの間は走りません。大井川鐵道は2025年1月15日までの普通列車の運用を公開していますが、それによれば、川根温泉笹間渡-千頭間を運休していることもあり、16000系と7200系の2つで運用を賄っているのです。2025年1月15日までは21000系の出番もないのです。日によっては1編成で全ての普通電車に対応するのもあります。
(参考:大井川鐵道ホームページ https://daitetsu.jp/archives/257894)

| | | Comments (0)

南海2200系が2025年春に引退

 汐見橋線を含めた南海の支線で走っている2200系は、元々22000系としてつくられました。主に高野線の急行として走りました。三日市町以北の増結車両として使われることが多かったと記憶していますが、橋本以南の山岳以南も走ることができます。観光列車の「天空」はこの性能を活かしたものです。

 ただ、2000系の導入により本来の高野線急行用として使われなくなったため、22000系は1997年からワンマン化工事を行い、支線用として使われるようになりました(この時点で2200系になりました)。この2200系が「天空」として使われるものを除いて、引退するのです。2025年春に引退するのです。

 引退の前に、引退する2200系2編成のうち1編成について、ヘッドマークの掲出と復元塗装を行います。約30年前まで走っていた、緑の濃淡です。オリエンタルグリーンの車体にエメラルドグリーンの帯を施します。この塗装を施した車両は今、銚子電鉄で走っていますが、それが本家本元の南海でも走るのです。2025年1月20日から、汐見橋線、高師浜線、多奈川線、加太線、和歌山港線で走ります。なお、この直前にお披露目会や撮影会も行われます。

(追記)
 復元塗装を行った2200系ですが、2025年3月21日に千代田に回送され、2200系は「天空」用を除いて全廃されました。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/241210.pdf、railf.jp https://railf.jp/news/2025/03/22/053000.html)

| | | Comments (0)

より以前の記事一覧