阪神、8000系を「赤胴車」に戻す

 かつて、阪神の急行用車両はパーミリオンとクリームのツートンカラーで、「赤胴車」と言われていました。しかしリニューアル工事が行われた今は、オレンジがベースで、ライバル野球チームの色に似ています。物議を醸しています。そして、2020年6月に武庫川線を走っていた車両が引退して、「赤胴車」は消えてしまいました。

 「赤胴車」の復活を望む声が多かったこともあり、次にデビューする3000系は、「赤胴車」のイメージを受け継いだ新しいバーミリオン、「Re Vermilion」を採用しました。そして以前にも書きましたが、8000系も「赤胴車」に戻します。リニューアルをする前の昔の「赤胴車」の塗装に戻すのです。

 「赤胴車」に戻すのは、8000系。19編成全てが対象です。2025年から3~4年かけて元に戻します。1編成だけ引退直前に昔の塗装に戻すのではなく、全ての編成について恒久的に昔の塗装に戻すのです。昔の塗装が人気なのはよくある話ですが、ここまで元に戻すのは珍しいでしょう。
(参考:阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/press/docs/20250303-toshikoutsu-akadousyafukkatsu2.pdf)

| | | Comments (0)

阪神に座席指定サービス付きの3000系

 阪神は2027年春に、新型急行用車両、3000系を導入します。2027年春の時点では、6両編成1本だけですが、順次増やす予定です。

 もともと阪神の急行用車両は、バーミリオンとクリームに塗られていました。いわゆる「赤胴車」です。ただ最近ではバーミリオンではなく、オレンジに塗られていましたが、この3000系の導入を機に、急行用車両のカラーとして、「赤胴車」のイメージを受け継いだ新しいバーミリオンを採用しました。「Re Vermilion」(リ・バーミリオン)です。オレンジに塗られている既存の急行用車両も順次この新しいバーミリオンにしますが、8000系については別記事で書きます。

 そして、3000系については、6両のうち1両で座席指定サービスを導入します。実験的に行ったことはありますが、本格的に行うのはこれが初めてです。この3000系の導入で、関西の大手私鉄全てで座席指定の列車が走ることになります。さて、どの列車が座席指定サービスの対象になるのかということですが、運行区間や料金等の詳細は、決まり次第の発表となります。そもそも、座席指定サービスを行う車両がどんな座席配置なのかも、今の時点ではわかりません。
(参考:阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/press/docs/20250310-toshikotsu-singatasyaryo2.pdf)

| | | Comments (0)

「青胴車」は2月引退

 阪神の特徴は駅がこまめにあること。大体1キロ間隔で駅があるので、普通には加減速性能が求められます。そのため、阪神の普通は加減速性能に優れた特別な車両が求められます。

 優れた加減速性能から「ジェット・カー」と呼ばれたこの車両。車体の色が青とクリームなので、「青胴車」という名前も付いています。ちなみに、急行用の車両は赤とクリームに塗られていたので、「赤胴車」と呼ばれていました。この「赤胴車」は2020年に引退しています。そして、「青胴車」も新型車両への置き換えが進み、今残っているのは1編成4両のみ。その残っている1編成4両も、この2月に引退します。

 なお、この引退に当たり、阪神は色々な企画を行っています。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASSD22S8JSD2PTIL00SM.html)

| | | Comments (0)

阪神、快速急行を1時間3本に戻す

 阪神も2月22日にダイヤ改正を行います。

 かつて阪神なんば線を経由して近鉄に直通する快速急行は、日中、1時間に3本走っていましたが、2022年12月のダイヤ改正で、平日は1時間2本に減っていました。これが1時間に3本、20分間隔に戻るのです。平日も休日も20分間隔です。神戸方面からは、阪神に乗れば、大阪・関西万博に行きやすくなります。これに伴い、急行は大阪梅田-西宮間と大阪梅田-尼崎間を交互に20分間隔で走らせます。また、平日、休日ともに日中、神戸方面への快速急行の停車時間等を見直し、大阪難波から神戸三宮への所要時間を短縮させます。平均43分かかっていたのが41分になります。

 平日、休日ともに日中から夕方にかけての阪神なんば線の普通(準急、区間準急を含みます)について、現行では最大13分ほど運転間隔があいていたのですが、尼崎での本線との接続列車を急行もしくは快速急行に統一することにより、概ね10分間隔とします。

 これまで、平日、休日ともに大阪梅田23:45発の特急が神戸三宮への最終列車でしたが、新たに大阪梅田0:15発の特急神戸三宮行きを新設します。神戸三宮への最終が30分繰り下がります。大阪難波からもこれまで23:33発に乗らないといけなかったところ、23:55発で間に合うようになります。ただし、この大阪梅田0:15発の特急は御影で普通に接続しません。ですから、特急が通過する石屋川から春日野道までの各駅に行きたい場合は、従来通り、大阪梅田23:45発の特急に乗り、御影で普通に乗り換える必要があります。
(参考:阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/press/docs/20241205-toshikoutsu-daiyakaisei.pdf)

| | | Comments (0)

「スルッとKANSAI」から「スルッとQRtto」へ

 「スルッとKANSAI」は便利なカードでした。これまで切符は基本的に会社ごとに別々に買いなおす必要がありましたが、「スルッとKANSAI」は関西の私鉄なら会社に関係なく1枚のカードで乗り降りすることのできる、画期的なシステムでした。カードそのものは廃止されましたが、1枚のカードで他社にも乗ることができるという思想は様々な交通系ICカードに引き継がれているといえます。

 そして2024年、「スルッとKANSAI」は新しいステージに進みます。6月(予定)にQRコードを活用した乗車券、「スルッとQRtto」を導入するのです。QRコードを使った切符は各社で取り組みがなされていますが、それが拡大されるのです。6月の時点で「スルッとQRtto」を導入するのはOsaka Metro、大阪シティバス、近鉄、京阪、南海、阪急、阪神の7社で、今後ほかの会社にも増えていく予定です。

 「QRttoKANSAI」で発売するのは、現在磁気カード等で発売している企画乗車券の類。処理スピードの速い交通系ICカードはそのまま残り、磁気の切符で残っている企画乗車券をQRコード化するのでしょう。最終的には自動券売機で売っている紙の乗車券もQRコード化することによって、駅の自動改札機は簡素化されます。ICカードとQRコードの読み取り機だけあればよく、高速で磁気の切符を前に送る機構がいらなくなります。

 ともかく、企画乗車券の類がQRコード化されるので、スマホがないと利用できないことになります。私個人としては、スマホの買い替えが必要になってきます。
(参考:スルッとKANSAI協議会ホームページ https://www.surutto.com/newsrelease/release/s231214.pdf)

| | | Comments (0)

阪急、阪神もクレジットカードのタッチ決済

 先ほどの記事で近鉄のタッチ決済について書きましたが、阪急や阪神でも2024年中にクレジットカード等のタッチ決済を始めます。

 阪急は全駅(神戸高速鉄道の花隈を含み、天神橋筋六丁目を除きます)に少なくても1台のタッチ決済に対応した改札機を設置します。対応するクレジットカードは、Visa、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯です。Master Cardについては、後ほど対応する予定です。

 阪神は西代を除く全駅で対応します。2024年の時点では、自動改札機ではなく、駅長室や各駅係員窓口に専用リーダーを設置して対応します。2025年春ごろからは、全駅の一部改札機でも対応できるようになる予定です。対応するクレジットカードは、阪急と同じです。

 また、六甲ケーブルや六甲山上バスでも、2024年春からクレジットカード等のタッチ決済を行います。
(参考:阪急阪神ホールディングスホームページ https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/1bafddc4d3c6c76443ce80dcc72f0d9a06e3e0a9.pdf、阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20231102-keikaku-tattikessai.pdf)

| | | Comments (0)

阪神、オリックス優勝パレードでノンストップ列車

 今日、11月23日は神戸と大阪で「兵庫・大阪連携 阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード」を開催します。このうち、阪神タイガースのパレードは11時から三宮で、14時からは御堂筋で行います。

 そして、阪神タイガースの親会社、阪神電鉄は両会場を結ぶ臨時特急を走らせます。11月23日、元町発大阪梅田行きの1本だけで、ダイヤは元町12:24発、神戸三宮12:27発、そして大阪梅田13:00着です。西宮、甲子園などその他の駅には停まらない、ノンストップ運転です。

 車両は、11月7日から運行を始めている、1000系の「日本一特別ラッピングトレイン」を使う予定です。監督や選手のラッピングを施した車両です。
(参考:阪神ホームページ https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/86d11828d7f0b456e499246d4e2170503c9e9343.pdf、https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/a7b1cc268b6076adee21aa785086a8893f61ac80.pdf、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20231122-2824258/)

| | | Comments (0)

阪急阪神ホールディングス、2024年度までに全駅にQRコード改札設置

 南海など、関西の私鉄でQRコードに対応しているところが増えています。近鉄もQRコードを活用した切符を発売していますし、先日、京阪もQRコードに対応した自動改札機を全駅に設置することを明らかにしました。

 残る大手私鉄は阪急と阪神。この2社を持つ阪急阪神ホールディングスは、2024年度までに全駅にQRコードに対応した自動改札機を導入します。沿線観光地の入場券や交通手段のチケットをスマホで一括して購入し、そのスマホで改札を通ることができるのです。処理スピードの問題から大都市圏では今後も通常の切符や定期券はICカードが使われるでしょうが、そこまで利用者が多くない地方の路線、観光地の入場券とセットになったもの、外国人用など、それ以外のところではQRコードを使った切符も徐々に出てくることでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF135SO0T11C22A2000000/)

| | | Comments (0)

2023年の初旅は「楽」の団体列車

 大晦日から元旦にかけての終夜運転を取りやめる鉄道会社も多いですが(京阪は3年ぶりに復活しますが、Osaka Metroは利用者がコロナ前の3割ぐらいしかなかったことを理由に、終夜運転を取りやめます。JR西日本と南海は一部区間のみ3時ごろまで臨時列車を走らせます。阪急と阪神は終夜運転や臨時列車の運行はありません)、近鉄は昨年に引き続き終夜運転を実施します。

 通常、名阪間のみを走っている「ひのとり」は、大阪難波(一部大阪上本町)-五十鈴川間と近鉄名古屋-五十鈴川間にそれぞれ3往復、「ひのとり」が走ります。「ひのとり」で伊勢神宮に初詣に行くことができるのです。このほか、1月1~3日と1月7~9日の6日間、近鉄名古屋-宇治山田(帰りは鳥羽)間に「ひのとり」を毎日1往復走らせます。

 そして、昨年は年末に急遽追加され、運賃だけで乗ることができた臨時快速急行「楽」については、団体列車扱いとして運転されます。1月1日の0~3時台に大阪難波-近鉄奈良間に2往復(4本)、途中停車駅なしで走り、片道だけ乗車して到着後に解散するパターンです。定員は4コースとも各70人で、代金は片道運賃、「楽」片道料金、記念品などが含まれていて大人1500円、子供1020円です。近鉄のホームページで11月28日から受け付けを行っていましたが、記事にするのが遅かったので、すでに4コースとも満席になっています。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/rakuhatumoudepuresu.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/nenmatunensiyusou.pdf、https://blog2.kintetsu.co.jp/ekichou/2022/11/post-37c1.html、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20221223/k00/00m/040/148000c)

| | | Comments (0)

阪神、年末年始に有料列車

 東武や近鉄のような特急料金を取ることのできる車両がない鉄道会社でも、朝夕の時間帯に有料の列車を走らせるところがあります。関西では、京阪が朝夕に「ライナー」を走らせていますし、阪急も2024年に座席指定サービスを導入します。

 そして、この年末年始限定ですが、阪神も有料列車を走らせることにしました。有料列車が走るのは、12月23日、2023年1月6日、13日、20日の4日間です。いずれも金曜日です。4日間とも大阪梅田発青木行きの有料列車を2本走らせます。

 有料列車の名前は「らくやんライナー」と言います。早いほうの大阪梅田20:19発は「らくやんライナー1号」、遅いほうの大阪梅田21:43発は「らくやんライナー3号」と言います。大阪梅田と野田が乗車専用駅で、尼崎、武庫川、甲子園、西宮、香櫨園、打出、芦屋、青木が降車専用駅です。降車専用駅から乗車することはできません。

 「らくやんライナー」は定員180席の定員制です。座席指定ではなく、係員が各車両に30人程度乗るように案内します(座席の数より明らかに少ないので、余裕を持って座ることができます)。大阪梅田からの席は150席で、1~5号車に乗ります。野田からは30席で、一番前の6号車に乗ります。「らくやんライナー」に乗るには、乗車券や定期券のほか、200円の乗車整理券が必要です。年末年始限定なので前売りはなく、発車の直前に係員から現金で買います。大阪梅田では1番ホームで発車の10分前から受付を開始します。係員が3人いますので、その係員から乗車整理券を買います。野田では3番ホームから発車します。車内で乗車整理券を買います。また、今回は本格実施に向けてのアンケートも行います。

 ところで、「らくやんライナー」にはどの車両が使われるのでしょうか? 阪神はクロスシートのある車両を優先的に使うとのことですが(ただ、阪神は6両全てがクロスシートの車両がありませんので、ロングシートにお金を払って座ることもあります)、場合によっては6両ともロングシートの車両を使うこともあるようです。

(追記1)
 この試行の結果を受けてでしょうか、阪神は2023年の早い時期に有料列車を導入するか判断するようです。なお、実際に車両を改装して導入する場合、1~2年かかるようです。

(追記2)
 「らくやんライナー」の終着駅が青木になったのは、神戸三宮まで走らせると、既存の定期列車のダイヤに大きな影響を与えるためです。
(参考:阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20221201-unyu-rakuyanraina.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/123094、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF0234G0S3A200C2000000/、「鉄道ジャーナル」2023年2月号 鉄道ジャーナル社)

| | | Comments (0)

より以前の記事一覧