開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(4)

 ホテルで路面電車の一日乗車券を買い、チェックアウトせずに7時前にホテルを出る。ホテルの目の前が停留所である。観光客ではなく、通勤、通学客が使っている、朝の路面電車の実態を知ることができた。ICカードで支払う人がほとんどで、一日乗車券を使っているのは私ぐらいだ。2時間半ほどで長崎電気軌道のほぼ全線に乗車。ほぼと言うのは、朝夕だけのレアな4号系統に乗っていないので、観光通と浜町アーケードの間の渡り線に乗っていないからだ。元々浜町アーケードは(西隣と同じ)西浜町という名前だったが、名前が変わり、乗りつぶしを考えるうえでややこしくなったのだ。 

 ホテルに戻り、チェックアウトして(大きな荷物はホテルに預けたままにする)、出島に行く。出島は江戸時代、オランダとの貿易の拠点として使われていたところ。そのときの建物が復元されている。展示物も多く、こちらもかなりの時間がかかると思っておいたほうがよい。出島にはレストランもあるが、今日は臨時休業。洋食が食べたくなり、トルコライスを食べることができる店を見つけて入る。本職がインドカレーの店なので、トルコライスにさらにインドの要素が加わったか? 

 長崎の沖合に軍艦島という島がある。本当の名前は端島というが、軍艦島のほうがよく知られている。島の様子が軍艦に似ているからだ。元々そんな格好をしていたわけではない。炭鉱の島として注目され、狭い土地を有効活用しようと、高層の建物が次々と建てられたからだ。最盛期には6.5ヘクタールほどの島(しかも、何度も埋め立てて島を拡張している)に5000人以上の人が住んでいた。生活のための設備は充実し、学校、病院、商店があり、神社、寺、映画館、パチンコ屋まであった。ところが石炭が使われてなくなり、50年ほど前に炭鉱は閉山、島から人が消え、島は荒れ果ててしまったのである。そんな軍艦島に行くことができるツアーがあったので、それに参加することにしたのである。船の出航時刻は13:00、12:30までに手続きを済ませるように言われていたので、それに間に合うように大波止の長崎港ターミナルに行く。かなり人が多い。こんなにも多くて対応できるのか、と思えるぐらい。事前に印刷した誓約書を提出し、代金を払う。交通系ICカードも使えるが、310円の見学施設使用料は現金で払わないといけない。(続く)
(参考:「軍艦島」(軍艦島上陸・周遊クルーズ参加時にもらったパンフレット))

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(3)

 甘木には甘木鉄道のほか、西鉄もある。西鉄の駅は甘木鉄道の駅から若干離れたところにある。ロータリーがある元国鉄の甘木鉄道の駅とは違い、西鉄は駅前広場というものがない。町の中に埋もれているのだ。西鉄は朝も昼も夜も関係なく30分間隔。列車は出たばかりなので待つ。甘木線の列車は大牟田まで直通する。天神大牟田線でも大牟田のほうだと普通は2両のワンマンで充分だからだ。4扉の車両が使われるが、有人駅でも無人駅でも扉が開くのは両端の2つだけ。中ほどの2つの扉は使わないのだ。甘木10:42発は大牟田に向けて発車した。ワンマンといいながら車掌が乗っていたが、最初の交換駅(ホームの幅が非常に狭い)で降り、反対側の甘木行きに乗ってしまう。何の意味があって車掌が乗っているのだろうか? 宮の陣で天神大牟田線に乗り換え。すぐに急行がやってきた。転換クロスシートの6両編成である。西鉄二日市で太宰府線に乗り換え、太宰府へ。 

 太宰府と言えば、やはり太宰府天満宮。参拝してから近くにある九州国立博物館に行く。特別展はやっていなかったが、それでもボリュームがあり、急いで見ても軽く1時間以上かかる。参道で名物の梅ヶ枝餅を買って駅に戻る。ここから直通のバス(「旅人」)に乗って博多に向かうが、その前に大宰府政庁跡に寄りたいと思い、コミュニティバスに乗る。しかし、コミュニティバスなのでまっすぐ行かず、高台の住宅地に立ち寄る。気がつけば次の博多行きのバスは後ろを走っていて、大宰府政庁跡は車内から眺めるだけになる。直後に乗った博多行きのバスは、門司まで乗った連絡バスとは若干違うが、短距離高速バスタイプ。 何とか空いている席を見つけ、座ることができた。このバスは水城ランプから福岡都市高速に乗り、右のほうから建物が消えたと思ったら、福岡空港。国際線ターミナルに到着する。後ろには国内線への連絡バスが停まっている。これに乗ればいいようだ。連絡バスは空港の敷地内を通り、国内線ターミナルに到着。目の前が国内線ターミナル、そして階段を降りると地下鉄の駅。2駅で博多、5駅で天神だ。日本の主要空港で一番便利な空港だ。私も階段を降りて地下鉄に乗る。空港線で2駅、博多まで行き、そこから3月に延伸された七隈線に乗り換える。七隈線はミニ地下鉄なので、空港線から乗り換えると、その小ささがよくわかる。天神南からはすでに開業していた区間。既開業区間に入って次の駅、渡辺通で降りる。 

 今回の旅の目的のひとつが、開業して約1年になる西九州新幹線に乗ること。西九州新幹線は帰りに乗るから、行きはライバルの高速バスにする。福岡と長崎とを結ぶ「九州号」に乗る。西鉄天神高速バスターミナル16:35発の便だ。西鉄天神高速バスターミナルは九州一、日本でも有数のバスターミナル。九州各地に行くバスを中心に多くのバスが発着する。私が乗った「九州号」は予約制だが、短距離の佐賀だと予約は受け付けず、先着順になる。佐賀行きの列が伸びていた。「九州号」は西鉄天神高速バスターミナルを出た。ほぼ満席である。スーパーノンストップなので、次に停まるのは昭和町。途中の休憩もないので、長崎市内まで走り続けるのだ。まだ山の中の長崎多良見インターチェンジで降り、山の中の曲がりくねったバイパスを抜けると、昭和町。ここで10人以上が降りる。次の平和公園でも降りる人が多く(もう暗いので今から平和公園に行くことはない)、出島道路ができ、長崎の中心部にダイレクトに直結できるようになっても、昭和町などを経由する意味があるようだ。バスは10分ほど遅れて到着。夕食はホテル近くの中華料理屋で皿うどんにする。(続く)

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(2)

 船は新門司港6:00着なので、朝は早い。レストランも5:00から営業している。トースト、コーヒー、ゆで卵、サラダがセットになった、モーニングセットを注文。喫茶店のモーニングみたいなメニューだ。船は定刻に新門司港に着いた。結構激しく雨が降っている。車でない限り、連絡バスに乗り遅れたら、タクシーしか利用できるものはない。連絡バスは西鉄バスの運行で、外観は路線バスだが、中は観光バスみたいな車内。短距離の高速バス用か? 乗ったのは私を含めて4人だった。6:10に発車。連絡バスは山を越えて門司、小倉に行く。土地勘がある泉大津なら歩いてでも行けそうだが、こちらは無理だ。連絡バスは小倉まで行くが、時間に余裕があるので門司で降りる。門司までは20分ほど。次に乗るバスは小倉駅前(南口)を7:30に出るので、その間に門司港まで行く。門司港行きは6:43発。811系の8両編成だが、前がオリジナルの転換クロスシート、後ろがリニューアルされたロングシートだ。ロングシートのほうに座る。変にデザイン重視ではなく、きちんと座ることのできるシートだった。門司港で折り返すが、帰りに乗った(門司港7:02快速久留米行き)のも同じ車両。今度は転換クロスシート。7時を過ぎて、ようやく外が明るくなってきた。 

 九州で一番の都市は福岡。発達している高速バスも福岡を中心に出ている。その中で福岡を無視するように走るのが北九州と長崎を直結する「出島号」。予約したときに印刷した紙を運転士に見せ(降りるときにその紙を渡す)、バスに乗る。バスは市内の何か所に停まった後、北九州都市高速、九州道を走る。隣にも誰か乗ってくるはずだったが、ほかの空席に移ったようだ。バスには15人ほどが乗っている。バスは雨をものともせず走っていたが、太宰府インターチェンジを過ぎたあたりで渋滞にはまる。玉突き事故のためで、30分ほど遅れて高速基山に到着。高速基山は基山パーキングエリアに併設されているバス停。基山パーキングエリアは福岡方面(太宰府インターチェンジ)から入って最初のパーキングエリアで、設備が充実している。時間があったらバス停をしばらく見てから(ここからも九州各地の高速バスに乗ることができる)、パーキングエリアにも寄るつもりだったが、時間がないので、すぐにバス停から出る。 

 高速基山のすぐ東をJRが走っている。事前に調べた通り踏切を渡り、並行して走る国道を南に歩けばけやき台。10分少々で着いた。9:31発の鳥栖行きに乗る。リニューアルされて座席が減った813系の6両編成だった。次の基山で甘木鉄道に乗り換え。改札を出て甘木鉄道の乗り場に行く。甘木鉄道は元々国鉄の路線だったが、分割民営化のころに第三セクターになった。国鉄のときは本数が少なく、使えない路線だったが、甘木鉄道になってから増発や駅の移設などの積極策で生まれ変わった。今利用者が極めて少ないとして問題になっている路線はともかく(逆に幹線鉄道網の一部なので、下手に廃止にすると問題が起こるところもある)、国鉄から切り離された路線の中にはそういうものがある。国鉄時代の努力が足りなかったのだ。甘木鉄道は1両とはいえ、昼間でも30~40分間隔で走っている。基山9:41発も十数人の客を乗せて出発。西鉄との乗り換え駅である小郡でも乗る客のほか、降りる客も見られた。後は降りる客が多く、甘木まで乗っていたのは3人だった。ICカードは使えないので、車内で現金で払う。(続く)

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(0)

 2022年9月に開業した西九州新幹線ですが、2023年9月13日から15日にかけて、ようやく行くことができましたその時の様子を明日から何回かに分けて書きます。

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路面電車の岡山駅東口広場乗り入れ、2026年度末に

 予定より遅れている路面電車の岡山駅東口乗り入れですが、また遅れることになりました。

 元々路面電車の岡山駅東口乗り入れは2022年度に完成する予定でした。つまり、今ごろは乗り入れが実現していたのです。ところが完成時期が2025年度に延び、今回さらにそれが2026年度末に延びることになりました。

 また、前回整備内容を縮小して総事業費を約66億円に抑えることができましたが、このたび、約1.3倍の約88億円に増えることになりました。増えた原因は、駅地下街の補強工事に伴って休業する店舗への補償費増加や資材費の高騰です。休業補償の対象は20店。売上や内装への投資を元に決めるのですが、この補償の額が増えます。2022年の段階では約16億円でしたが、29億円になることが分かりました。想定より売上が多かったり、内装にかかった経費が多かったりしたためです。工事用資材、労務単価の高騰、工法の見直しも総事業費が増えた原因です。

 完成時期が遅くなるのは、仮店舗の準備や在庫調整などのため、退去するまでに時間を要するからです。約1年間かかるようで、その分、完成時期が遅くなります。

 かなり遅くなってしまいますが、今の路面電車の停留所は若干遠いので、乗り入れが望ましいのは確かです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/80491d6279389196d3d85b7b857793acfb96c848)

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広電、連節車両でもワンマン運転

 広電は、8月28日から1号線の広電本社前-広島港間において、一部の連節車両(1/3程度?)でワンマン運転を行っています(広島駅-広電本社前はこれまで通り、車掌が乗っています)。ワンマン運転を行う車両では、運転士は新たに車内に設置したカメラとモニターを見ながら、4か所ある扉(一部の停留所では2か所)を開閉操作します。

 乗り降りはどうするのでしょうか? ICカードを持っている人は全ての扉から降りることができます。現金の場合は、運転士の横にある運転台扉のほか、後ろのほうにある車掌台扉からも降りることができます。現金の客はどうやってチェックするのでしょうか? 1枚のICカードで複数人が使用する場合や一日乗車券を利用する場合などは、運転台扉から降ります。

 実は広電は、4月1日から連節車両の扉の開閉操作について変更していました。1号線の広電本社前-広島港間において、扉を操作するのを車掌から運転士に変更していたのです。1号線でも広島駅-広電本社前間はこれまで通り、車掌が扉の開閉操作を行います。これが連節車両でのワンマン運転の導入につながったのでしょうか?
(参考:広島電鉄ホームページ https://www.hiroden.co.jp/topics/2023/0810-train.html、「鉄道ジャーナル」2023年7月号 鉄道ジャーナル社

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阿佐海岸鉄道DMV、奈半利まで延伸

 阿佐海岸鉄道のDMVは、基本的には阿波海南文化村-道の駅宍喰温泉間のみの運転で、休日に1往復だけ海の駅とろむに行くだけです。

 ところが、8月30日の一日だけですが、阿佐海岸鉄道のDMVが奈半利まで走ります。奈半利は土佐くろしお鉄道の東の終点。DMVを鉄道車両とすれば、鉄道のなかった甲浦-奈半利間が鉄道で結ばれるのです。

 このDMVに乗るには8月14日までに申し込まないといけなかったので、これから申し込んで乗ることができませんが、記録として当日のダイヤ等を紹介します。当日のダイヤは阿波海南文化村9:42発奈半利駅12:00着、奈半利駅14:20発阿波海南文化村16:39着です。途中、阿波海南駅、海部駅、宍喰駅、甲浦駅、海の駅東洋町、むろと廃校水族館、室戸世界ジオパークセンター、室戸岬、海の駅とろむに停まります。海の駅とろむでは休憩のため10分程度停まります。運賃は当日現金払いで、阿波海南文化村-奈半利駅間は3500円、短距離のみの区間利用もできます。

 また奈半利駅では、2回モードチェンジの実演及び記念撮影会を行います。時間帯は12:10~12:25、13:50~14:05です。モードチェンジの実演及び記念撮影会は事前の予約の必要なく、誰でも参加することができます。
(参考:阿佐海岸鉄道ホームページ https://asatetu.com/archives/1571/)

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試験場前、2024年3月に改名へ

 西鉄大牟田線には、試験場前という駅があります。普通列車のみが停車し、1日当たりの乗降人員は約2900人(2022年度)です。

 この駅は九州鉄道時代の1933年に開業したのですが、その当時、駅前に工業試験場がありました。それにちなんで名づけられたのです。

 ところがこの試験場、今はありません。1990年に筑紫野市に移り(今の名前は福岡県工業技術センター)、何のための駅なのかわからなくなってしまいました。

 そこで西鉄は駅名を変えることにしました。駅名変更の時期は桜並木の開業と同じ2024年3月、新しい駅名は聖マリア病院前です。近くにある試験場前のバス停も変わる予定です。

 聖マリア病院は駅から徒歩5分のところにある病院です。地域の医療機能を担っている公共性、公益性の高い医療機関で、聖マリア病院から駅名変更の要望がありました。駅名を変更することでわかりやすくし、利便性やサービスの向上に努めるとのことです。
(参考:西鉄ホームページ https://www.nishitetsu.co.jp/ja/news/news20230726/main/0/link/23_034.pdf、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20230728/ddl/k40/020/255000c)

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沖縄都市モノレール、8月13日ダイヤ改正で始発繰り上げ

 沖縄都市モノレールは8月13日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正では、始発を19分繰り上げ、てだこ浦西発の時刻を5:20にします。那覇空港着は5:57になります。那覇空港ターミナルの通常の開館時間は6時ですが、それより前に着くようにします。

 なお、以前にも書きましたが、沖縄都市モノレールの3両編成での運転は、ダイヤ改正の直前の8月10日から行います。この3両編成の列車は、先ほど述べた那覇空港行きの始発や、通勤、通学のラッシュ時等の混雑する時間帯に合わせて運転されます。このことによって平日の車内の混雑緩和を目指します。
(参考:沖縄都市モノレールホームページ https://www.yui-rail.co.jp/common/uploads/71010daf0780c1c181bd376eeb329da5.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230707/5090023931.html)

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西鉄貝塚線、7050形に置き換えへ

 西鉄貝塚線で使われているのが、600形。2両編成で8本が使われています。

 しかしこの600形、1962年に登場した古い車両。天神大牟田線で使われていたものを、1990年以降に持ってきたのです。結構古いのです。

 そこで西鉄は、2025年度から2027年度の3年間に、600形16両全てを置き換える予定です。ワンマン運転に対応した2両編成の車両、7050形に置き換えます。7050形は2003年に登場した車両で、甘木線などで使われています。現在9編成、18両がありますが、このうち8編成、16両を転属させます(残りの1編成、2両はどうなるのでしょうか?)。7050形はVVVFインバータ制御を採用しているので、これが転属すれば、貝塚線で初めてのVVVF車両ということになります。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/af3e0b1e6e7a145f9a5d6b8163fbf59826947513)

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