くま川鉄道、2025年度に全線復旧

 くま川鉄道は2020年7月の豪雨で大きな被害を受けました。比較的被害が小さかった肥後西村-湯前間については2021年11月に運転を再開しましたが、根元の人吉温泉-肥後西村間は被害が大きいため、運休したままです。

 しかし、残る人吉温泉-肥後西村間も復旧の見通しが立ちました。流出した球磨川第四橋梁の架け替え工事の目途が立ったためで、2025年度に運転を再開します。当初の見込みからは若干遅くなっているようです。全線復旧にかかる費用は約50億円で、見積もり段階で出ていた約46億円から若干増えるようです。

 もっとも、資金分担の目途も立っています。国が事業費の97.5%を実質的に負担する大規模再開の特例支援措置が使えます。残る2.5%は、熊本県や沿線の市町村が負担します。くま川鉄道の負担はありませんが、国の特例措置を受けるため、上下分離が導入されます。自治体などが鉄道の施設や用地を保有します。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://kumanichi.com/articles/698845)

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自民党鳥取県連政務調査会、「スーパーはくと」1時間に1本に増発のプラン

 自民党鳥取県連政務調査会は、鳥取県内の鉄道利便性の向上のために調査を行い、提言をまとめました。

 その提言では、特急の増発を求めています。まず、京都と鳥取、倉吉を結ぶ「スーパーはくと」については、姫路で折り返します。大阪方面へは相生で乗り換えさせることによって京阪神方面への所要時間を短縮します。また、「スーパーはくと」は増発を行うとともに、米子まで延伸します。姫路と米子を智頭急行経由で結ぶのです。鳥取と米子、益田を結ぶ「スーパーまつかぜ」と山口線まで行く「スーパーおき」については、米子-出雲市間の運行を行いません。米子-出雲市間は「やくも」だけにします。このことにより、姫路-鳥取-米子間、岡山-米子間で特急が1時間間隔で走るダイヤを構築するのです。

 もっとも、「スーパーはくと」が好評なのは、速いことに加えて、大阪に直通することでしょう。新幹線に乗り換えたら全体の所要時間は短縮されるかも知れませんが、乗り換えの手間がかかります。しかも、新幹線は大阪や三ノ宮には停まりませんので、新大阪や新神戸で乗り換える手間も加わります。東京や名古屋のように新幹線に乗る時間が長いのならともかく、京阪神ぐらいでは速達効果は薄いです。反対に「スーパーはくと」を米子まで延ばせば、新幹線と「やくも」の乗継ぎではなく、「スーパーはくと」で乗り換えせずに行く人もいるでしょう。新大阪での乗り換えも計算に入れると、「スーパーはくと」で行ってもほとんど所要時間は変わりありません。在来線でも結構俊足です。また、「スーパーまつかぜ」と「スーパーおき」の運行区間短縮は、島根県にとっては迷惑な話でしょう。浜田など石見方面から県庁所在地の松江に直通しなくなるのです。

 このように、自民党鳥取県連政務調査会の提言は突っ込みどころが多いのですが、鉄道の得意とする都市間需要を伸ばそうとする考え自体には大いに賛成したいところです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/032cee666f417639011449276745d9ffab7c1360)

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DMVに乗った人の2/3は、DMVに乗ること自体が目的

 DMVが走り出して半年が経とうとしています。どのような人がDMVに乗っているのでしょうか? 徳島県は4月23日から5月4日にかけて、乗客234組に聞き取り調査を行っていました。

 乗客の住所は徳島県内は20%だけで、四国全体に範囲を広げても25%しかいません。やはり多いのは関東と関西で、それぞれ28%ずついました。DMVに乗りに行くのに使った交通手段は自家用車39%、牟岐線が29%です。公共交通が不便な場所の割には、鉄道が健闘しています。宿泊か日帰りか聞くと、1泊2日が36%、日帰りが21%、2泊3日が18%で、宿泊地は徳島県内が57%、高知県内が28%でした。そして、肝心の目的については、2/3の66.7%がDMV乗車もしくは撮影でした。DMVそのものが目的なのです。

 徳島県としてはDMVそのものが観光資源となり、牟岐線の利用拡大につながっていると考えていますが、ある意味想定できたことです。これまでの利用は鉄道ファンの「視察」需要なのでしょう。鉄道ファンの多い東京や関西などの大都市からDMVに乗るために行くのです。徳島までは航空機や高速バスで行ったとしても、徳島から先は牟岐線があるからそこにも合わせて乗っておく。日帰りが少ないのは単純に遠いからで、1人でも泊まることができるビジネスホテルがなさそうな、DMVの沿線に泊まる人は少ないでしょう。高知県に泊まる人がそれなりにいるのは、室戸岬を経由して土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線とセットで乗るルートで旅行しているのかもしれません(「四国みぎした55フリーきっぷ」というこのルートにぴったりの切符があります)。

 「視察」需要が一段落した後でどれぐらい乗る人がいるのかが重要なのでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ636S0VQ63PTLC00P.html)

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長崎電気軌道、4号系統朝夕のみの運転に

 長崎電気軌道には1号系統、3号系統、4号系統、5号系統の4つの系統があります(2号系統もありますが、本数は極めて少ないです)。

 その長崎電気軌道ですが、9月1日にダイヤ改正を行います。このダイヤ改正で大きく変わるのは4号系統。運行の効率化や合理化を目的として、不採算系統の4号系統を大幅に減便することになりました。現在は本数は少ないながらも終日運行していますが、ダイヤ改正後は朝夕のみの運行となります。朝(7~9時台)6往復、夕方(16~18時台)6往復の合わせて1日12往復となります。救済措置はあります。9月1日から乗換え電停を2つ増やします。西浜町と長崎駅前です。既存の乗換え電停同様、交通系ICカードを使うことなどの条件があります。

 また、同じ9月1日からは、交通系ICカード利用者に限り、2区間までの利用なら大人100円、子供50円に割引になります(通常は大人140円、子供70円)。「チョイ乗り割引」です。出島→新地中華街→メディカルセンターのように、決められた乗換え電停(この場合は新地中華街)で乗り換える場合も割引になります。
(参考:長崎電気軌道ホームページ https://www.naga-den.com/pages/1079/)

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長崎電気軌道の新型路面電車、実は世界初

 長崎電気軌道が3月24日に運行を開始させた最新型の車両、6000形。ロングシートの単車です。

 これだけならどこにでもあるような路面電車ですが、全低床車です。出入口がノンステップなので、車椅子やベビーカーでもスムーズに乗り降りすることができます。実は、ロングシートの単車で、しかも全低床車となると、世界初の存在なのです。全低床車の場合、車輪の部分が客室に干渉します。そこでその部分をクロスシートにして、車輪の部分が目立たないようにしているのです。6000形の場合も、座っている人が足を置く部分は、床よりも一段高くなっています。色を黄色に塗って、一段高いことをアピールしています。

 ただこれは、乗車時か降車時のどちらかは運転士の目の前で運賃を払わないといけないという、日本ならではの事情もあります。「信用乗車」も広電ぐらいです。さすがに現金の人は危ないですが、ICカードを持っている人ぐらいは「信用乗車」の導入を考えても良いでしょう。それができると、全低床車にこだわる必要がなくなります。コストが安い部分低床車でも十分なのです。また、運賃を少々値上げしてでも一日乗車券を割安にして、車内で現金を払う人の割合を減らすのも良いでしょう。「信用乗車」が普及したら単車でなくてもいいですし、連節車なら同じ1人の運転士で一気に多くの人を運ぶことができます。

 バリアフリーに優れた全低床車が普及するのは良いことでしょうが、ただ考えさせられることもあったので、書いてみました。
(参考:長崎電気軌道ホームページ https://www.naga-den.com/pages/27/detail=1/b_id=688/r_id=52/)

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広島市中心部の路面電車とバス、220円に

 広島市の中心部には、路面電車のほかにバスも走っています。

 その広電や広島バスなど広島市内で路面電車やバスを運行している7社は、中心部のデルタ地帯の路面電車(白島線を除きます)やバスの運賃を220円にする方針です。基本的には値上げになりますが、バスの場合、デルタ地帯でも端のほうは値下げになるものもあります。新型コロナウイルスの影響で利用者が減り、収入も減ったので、それを補う目的があるようです。秋に運賃が220円になる予定です。

 ただ、面白い切符も考えられています。400円で6時間だけ乗り放題のフリー切符です。短い時間で何回か乗るのなら、使える切符です。以前書いたことに少し近づきます。

 さて、鉄道の上下分離はありますが、広島ではバスの上下分離というものを考えています。広島市とバス事業者が出資してつくる資産管理会社が車両や車庫、バス停などの保有と維持管理を行います。バス事業者はその資産管理会社から有料で車両などを借りて運行します。もっとも、バスの上下分離に関する国の補助制度がないため、国にその制度の創設を求めています。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/8b54e42f2c2cfbf486f7dae1e56f5113b84bc4e9、https://news.yahoo.co.jp/articles/aebe2dc7d70d51ed1b84afd0a599f20cde90ae3c、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20220425/4000017387.html)

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沖縄鉄軌道、整備新幹線方式で建設か?

 沖縄を縦貫する鉄軌道構想は以前からありますが、話ばかりで全然前には進んでいません。ところがその沖縄鉄軌道で、建設を促進するための補助制度が考えられています。

 その方式とは、整備新幹線に使われているもの。通常、新規に鉄道をつくるとき、国が1/3を、地方自治体が1/3を補助します。残る1/3は事業者が負担します。ところが整備新幹線では、国が2/3を、地方自治体が1/3を負担します。事業者は受益の範囲で貸付料を支払います。また、地方自治体は1/3を負担することになっていますが、それに対して特別交付税が措置されます。貸付料を得ることができなかったとしても、地方自治体の負担は15%程度に留まるのです(貸付料があれば、その分だけ地方自治体の負担は減ります)。国が85%ほどを負担して鉄道をつくってくれるのです。

 もっとも、沖縄鉄軌道の調査は何年も繰り返し行われていますが、採算が取れるという結果は出ていません。いろいろな条件を組み合わせても、費用便益比が1を越えるような結果は出ていません。ところが、社会的割引率を4%から1.5%に下げることによって、採算が取れるようになるという話もあります。何か怪しい話のようにも聞こえますが、金利が異様に低いので、社会的割引率を実態に合うように下げるという発想のようです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/okinawa-tetsukido2022/)

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ウクライナ色の電車

 琴電は19日から、車両2両を上が青、下が黄色のウクライナ国旗の色にして走らせています。

 元々琴電の車両は、上が白、下が黄色のツートンカラーですが、ロシアから軍事侵攻を受けながらも運行を続けているウクライナの鉄道事業者に連帯と敬意を表して、上の部分をラッピングで青にしました。11月中旬まで琴平線で走ります。また、5月3日からは関連グッズを発売し、売上は全てウクライナに寄付します。

 なお、琴電の車両をウクライナ色にすることを提案したのは、育休中の社員。鉄道事業の担当でもなかったのですが、駅で電車を待っているときに思いつき、すぐに上司に提案したとのことです。
(参考:朝日新聞4月22日朝刊 中部14版、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC204OS0Q2A420C2000000/)

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琴電の高松市中心部の高架化、白紙に

 琴電には高松市中心部の高架化計画がありました。高松市中心部の渋滞に対応するためで、1998年に決定された、香川県の都市計画に盛り込まれていました。この連続立体交差事業は、高松市中心部を走る琴電の琴平、長尾両線の合わせて約3.5キロを高架化することにより、28か所の踏切を廃止するものでした。また、高松築港駅をJRの高松駅の南側に移して乗り換えしやすくするものでした。ところがこの計画、香川県の財政難などで2005年に一時休止され、その後2010年には事業が中止となりました。

 その後も都市計画は残っていましたが、この度の香川県の検討委員会で、都市計画も廃止されました。高架化計画は白紙に戻ったのです。元々この都市計画は渋滞に対応するためのものでしたが、その必要性が薄れたのです。高松市による将来推計によれば、高松市全体の自動車交通量が減少するため、踏切の渋滞が一部を除いて現状より悪くなることはないと判断したのです。

 ただ、慢性的な渋滞が発生して改善要望の強い本町踏切については何らかの対応が必要です。しかし、高架化の計画がある限り、抜本的な対策を採ることはできません。そこで高架化の都市計画そのものを廃止し、本町踏切については別途対応することにしたのです。すでに高松市は暫定的な対策を始めていて、将来的には高架道路を通すことも考えているようです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ3Y7GWVQ3XPTLC00M.html)

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西鉄のサイクルトレイン、3月26日から本格実施

 2021年10月から12月にかけて行われた、西鉄のサイクルトレイン。3月26日から本格実施されることになりました。

 西鉄のサイクルトレインは、3月26日からゴールデンウィーク、お盆、年末年始を除く休日のみ行います。西鉄福岡(天神)発6:23から16:00、大牟田発10:23から21:24の特急(「水都」を含みます)が対象で、西鉄福岡(天神)発は20本、大牟田発は23本が該当します。

 今回の本格実施からは事前予約が必要となります。自転車の利用者とそれ以外の人との混雑緩和を図るためで、LINEを使って事前予約します。予約は利用日の1か月前から出発の10分前まで受け付けます。全ての車両に自転車を持ち込むことができますが(予約時に乗車する車両が指定されます)、1両あたり2台までです。持込料金も設定され、運賃のほかに300円必要です。乗車時は駅窓口にあるQRコードを読み込み、表示された乗車券を駅員に呈示します。
(参考:西鉄ホームページ https://www.nishitetsu.co.jp/release/2021/21_096.pdf)

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