錦川鉄道、廃止か?

 岩国と錦町とを結ぶ錦川鉄道。元国鉄岩日線を転換してつくられた第三セクター鉄道です。合併が進み、岩国市内のみを走る鉄道となりました。

 この錦川鉄道ですが、2017年度以降毎年1億円前後の赤字が続いているので、岩国市は廃止を含めて今後のありかたを検討していきます。2023年度から、コンサルタント会社に委託して利用状況の分析を行い、地域交通に詳しい大学教授や錦川鉄道などに意見を聞き、2024年度に複数の選択肢をまとめます。財政支援による存続、上下分離、廃止などいくつかの選択肢があるようで、2025年度以降に方針を決定します。

 JRなら、どんなに利用者が少なくても(たとえバスが成り立たないような需要でも)、負担をJRに押しつけることができますが、第三セクターなら自分たちで解決しなければなりません。ある程度の負担をして鉄道を維持するか、それとも見切りを付けて利便性は低下するものの低コストの交通手段に変えるかです。厳しいですが、これが本来のローカル線の現状でしょう。もっとも、利用状況の分析をコンサルタント会社に委託する必要があるかどうかは疑わしいですが。
(参考:中国新聞ホームページ https://nordot.app/998359528795209728?c=648454265403114593)

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阿佐海岸鉄道、最終を1時間半ほど繰り上げ

 阿佐海岸鉄道は3月11日にダイヤ改正を行います。JRのダイヤ改正より1週間早いです。

 今回のダイヤ改正では、最終便の時刻が1時間半ほど繰り上がります。現行は道の駅宍喰温泉発上り最終便が17:47発、阿波海南文化村発下り最終便が18:30ですが、それがそれぞれ16:18、17:02になります。普通の鉄道なら最終が早すぎますが、DMVの阿佐海岸鉄道は日常の交通手段ではなく、観光施設の一種です。元々並行して路線バスが走っているので、日常の利用ならそれで十分です。観光客なら夜に乗ることは見込めませんので、夕方までで運行を終えるのは合理的です。

 また、現行ダイヤでは、平日が13往復、休日が12往復走っていますが、改正後は平日の火・水が8往復、平日の月・木・金が13往復、休日が11往復となります。観光客の利用の少ない火・水曜日の本数を減らすのは合理的と言えます。

 なお、休日に1往復だけある室戸岬発着便について、室戸岬方面へのダイヤを見直すことによって、牟岐線との接続を改善します。阿波海南での待ち時間は10分です。
(参考:阿佐海岸鉄道ホームページ https://asatetu.com/archives/1363/)

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七隈線延伸直前に増便のダイヤ改正

 福岡市交通局の七隈線は3月27日に延伸しますが、その半月ほど前の3月11日にダイヤ改正を行うこととなりました(空港線や箱崎線のダイヤ改正は行いません)。

 七隈線は博多直結で利用者が増えると見込んでいるからでしょうか、強気のダイヤ改正です。平日、休日とも営業時間を30分拡大します。始発を15分ほど繰り上げ、最終を15分ほど繰り下げ、新幹線や特急との接続を図ります。平日のラッシュ時間帯の増発もします。朝(7:30~9:00)は2往復、夕方(16:00~17:00)は1往復増発します。

 先ほども書いたように七隈線は3月27日に延伸しますが、延伸があっても既開業区間の天神南-橋本間のダイヤは変わりません。天神南行きがそのまま博多行きになるだけです。延伸するまでの3月11日から26日までの間も延伸後と同じダイヤで走り、博多-天神南間は乗務員の訓練を兼ねて回送扱いとして走らせるのでしょうか?
(参考:福岡市交通局ホームページ https://subway.city.fukuoka.lg.jp/topics/detail.php?id=1732)

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車道と軌道の両方を走ることのできるバス

 鉄道にもバスにもなることができるDMVは徳島と高知の県境で走っていますが、その路面電車版が開発されています。

 開発をしているのは、岡山電気軌道。岡山電気軌道によれば、路面電車もバスも同じ道路を走りますが、路面電車のほうが交通渋滞の影響を受けにくいようです。特に東山電停付近の渋滞に巻き込まれ、バスの定時運行が難しくなっていることから、バスが軌道上を走るようになれば、朝の通勤通学時間帯の輸送がスムーズになると考えています。

 実験は終電の終わった深夜に行いました。試験車両は保線作業用のトラックです。タイヤの代わりに特殊な車輪を出して、軌道上を時速15キロの速さで走りました。

 岡山電気軌道は既存のバスを改造するなどの方法で3~5年後の実用化を目指しています。架線から電気を取り入れ、その電気で動くようにバスを改造することも考えています。でも、実際に実用化しているDMVはキャパがあまりにも小さく、通勤通学客で混雑する路線では使い物にならない危険性が高いです。単純に軌道を舗装して、路線バスを走らせる方法ではいけないのでしょうか?
(参考:山陽新聞digital https://www.sanyonews.jp/article/1355857)

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南阿蘇鉄道にJR乗り入れ対応の新車

 南阿蘇鉄道は2023年夏に全線復旧し、JRの豊肥線肥後大津まで乗り入れます。これに合わせて南阿蘇鉄道は、新車を導入します。

 約30年ぶりに導入される新車はMT-4000形と言います。ディーゼルカーです。2両導入します。JR線直通乗り入れを考慮し、JR九州に対応した保安装置を搭載しました。半自動ドアシステムを採用し、車椅子スペースの確保を行いました。外国人観光客の受け入れのため、行き先表示器などが多言語対応になっています。

 車両はロングシートで、観光地の路線らしくないですが、朝夕の通学需要を考えてのことかもしれません。2両編成でも運行可能なように、貫通路も整備されています。昼間、空いている時間に座れば、目の前に雄大な阿蘇の風景を見ることができるという効果もあります。

 このMT-4000形の導入により、現行のMT-2000形3両のうち2両が引退します。また、2024年にはさらに2両を追加する予定です。

(追記)
 南阿蘇鉄道は、7月15日に全線復旧の予定です。なお、肥後大津に乗り入れるのは2往復の予定です。
(参考:南阿蘇鉄道ホームページ https://www.mt-torokko.com/2022/12/28/5895/、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/minamiasho-mt4000/、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230112-OYT1T50100/、熊本日日新聞ホームページ https://kumanichi.com/articles/934373)

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モノレールの車両基地で牡蠣が食べ放題

 冬は牡蠣がおいしい季節。その牡蠣の食べ放題が意外なところでできます。

 それはモノレールの車庫。企救丘から徒歩2分のところにある北九州モノレールの車両基地で、2022年12月10日から2023年4月2日までの金、土、日曜日に牡蠣の食べ放題をやっています。

 牡蠣は曽根干潟で育った豊前一粒牡蠣、飲み物はビール、日本酒、ソフトドリンクなどがあります。セルフサービスです。そのほか焼肉、もつ鍋、おでんもあります。

 値段は牡蠣&焼肉食べ放題のバーベキューが飲み放題付きで5500円、小学生以下は半額、幼児は無料です(幼児は1組2人までです)。営業時間は金曜日が18~21時、土、日が12~21時です。
(参考:ちょこっとモノ旅ホームページ https://monotabi.jp/?p=466)

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広電の車庫に見学スペース

 広電は11月23日に千田車庫内に見学スペース、「電車見望台」をオープンさせました。「でんしゃみほうだい」と言います。これまでイベント開催時しか電車の車庫に入ってみることができなかったのですが、この「電車見望台」なら、毎日、見ることができます。アルミのフェンスがあるので、安全です。プラットホームみたいなデッキに乗って見ることになります(デッキの出入口には階段があります)。

 「電車見望台」の利用時間は9時から18時まで、平日も休日も利用できます。予約は不要で、無料です。
(参考:広島電鉄ホームページ https://www.hiroden.co.jp/topics/2022/1124-tramviewdeck.html)

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七隈線に福岡空港延伸構想

 七隈線が博多まで延びるのは2023年3月27日のことですが、さらに東に延びる話があるようです。

 どこに延びるのかと言えば、福岡空港。福岡空港にはすでに空港線が乗り入れていますが、空港線が乗り入れているのは国内線ターミナル。国際線ターミナルに行こうと思ったら、国内線ターミナルから出ている無料の連絡バスに乗るか、タクシー等に乗らないといけません。そこで七隈線は福岡空港の国際線ターミナルに乗り入れます。博多と国際線ターミナルの間は約3キロありますので、途中駅を設けるという話もあります。

 反対側にも延伸の話はあります。終着の橋本は、空港線の姪浜から約3.5キロ離れています。姪浜や橋本のある西区はファミリー層などで人口が増加傾向にあります。姪浜と橋本の両駅をつなげることを求める声もあり、福岡市はこちらも延伸を検討することを考えています。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20221121-OYTNT50071/)

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スカイレール、2023年末で廃止

 広島市安芸区の団地のアクセスとしてつくられた新交通システム、スカイレール。山陽線の瀬野に隣接するみどり口とみどり中央とを結ぶ1.3キロの路線で、急勾配を克服するため(麓の駅と高台の住宅地との標高差は約200メートルもあります)、ロープウェイと懸垂式モノレールとを足して2で割ったかたちとなっています(単純にロープウェイにしなかったのは、ロープウェイは風に弱いからです。モノレールのかたちになったので、軌道法に準拠することになりました)。1998年8月に運行を開始し、運賃は大人170円、運行本数は平日約90便、休日約70便で日中は15分間隔です。

 ところがそのスカイレールですが、運営会社は2023年末で廃止するようです。維持費などの採算面が理由で、廃止後は電気バスによる路線バスを走らせる予定です。住民に対しては運営会社が12日以降に説明会を開く予定です。

 ほかのところに普及すればともかく、ここだけにしかない特殊な新交通システムなのでその分コストがかかったのでしょうか? 日々の営業ならともかく、開業なら20年余り経って必要となる大規模更新の費用は捻出できなかったのでしょう。

(追記)
 スカイレールの2019年度の輸送密度は1456人(同じニュータウン鉄道の山万は1092人です)、年間軌道収入は5800万円、営業赤字は9900万円です。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/732d9697ca2433d1e30fda54bd50055c88232fec、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/skyrail2022/、「鉄道ジャーナル」2023年2月号 鉄道ジャーナル社

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ICカードならたったの10円

 1年前、とさでん交通など路面電車や路線バス等が日祝無料になりましたが、2022年もお得なイベントを行います。無料ではありませんが、お得な値段で乗ることができるのです。

 「日祝 電車・バス等運賃ワンコインデー」と名付けられたこのキャンペーンは、11月3日から2023年1月29日までの日祝(土曜日は対象外です)と12月30日から2023年1月3日までの年末年始に、とさでん交通など8社が運行している路面電車や路線バス、デマンド型タクシーにワンコインで乗ることができます。

 さて、ワンコインとはいくらのことでしょう。現金なら大人100円、子供50円です。そして、ICカードの「ですか」なら、何と10円です。普段通り、乗降時にタッチしたら、10円だけ引かれるのです。

 また、このキャンペーンでは、「ですか」の普及も狙っています。「ですか」は交通系ICカードではないので、高知だけしか使えません。その影響もあるのか、「ですか」の現在の利用者は約2万人に留まっています。このキャンペーンに合わせて、100円がチャージされた「ですか」を2万枚、無料で配布します。

 なお、このキャンペーンにかかる費用として1億2300万円を高知市が負担します。
(参考:とさでん交通ホームページ https://www.tosaden.co.jp/info/dtl.php?ID=1925&hdnSKBN=A、高知新聞ホームページ https://www.kochinews.co.jp/article/detail/580213)

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