阿佐海岸鉄道、車両不具合で当分の間運休

 見た目はバスに近いものの、鉄道の軌道上をも走ることができる乗りもの、DMV。徳島と高知の県境にある、阿佐海岸鉄道で走っています。

 しかし、10月3日からDMVは運休しています。1両を定期検査していたところ、部品の一部に不具合がありました。そこで、安全面を考え、3両全てについて詳細な検査を行うため、当分の間運休することにしたのです。運転再開の時期は、検査の結果を見て発表されます。

 代替の交通機関としては、ジャンボタクシーが準備される一部を除いて、徳島バス南部の路線バスを使います。と言うより、路線バスがない時間帯だけ代替のジャンボタクシーを用意したのでしょう。運賃は海部高校前(阿波海南駅)-海の駅東洋町間で520円なので、バスの運賃そのものです。

 このあたりの輸送は路線バスがあれば十分であり、DMVは遊園地のアトラクションみたいなものと言えます。バスみたいな実用的な公共交通機関ではなかったのです。変なことを考えず、素直に路線バスに切り替えたほうが良かったと言えます。

(追記)
 車両の不具合で運休していた阿佐海岸鉄道ですが、10月12日の始発から運転を再開しました。
(参考:阿佐海岸鉄道ホームページ https://asatetu.com/archives/2176/、https://asatetu.com/archives/2205/)

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伊予鉄道、1日乗車券をスマホで発売

 伊予鉄道には市内電車(路面電車)や郊外電車に乗り放題の1日乗車券がありましたが、廃止されてしまいました。その1日乗車券がアプリ限定ですが、復活します。

 10月1日から発売を始めるのは、「市内電車・郊外電車1Dayチケット」。市内電車と郊外電車全線の1日フリー乗車券です。大人1900円、子供950円です。みきゃんアプリでのみ発売します。

 また、同じ10月1日からは、市内電車とリムジンバス全線(空港、観光港どちらでも可)の1日フリー乗車券、「市内電車・リムジンバス1Dayチケット」も発売します。大人2000円、子供1000円で、こちらもみきゃんアプリ限定です。
(参考:伊予鉄道ホームページ https://www.iyotetsu.co.jp/topics/press/2024/0926_gt1d.pdf)

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広電の駅ビル乗り入れ、数か月遅れる?

 今は広島の駅前から出ている広電の路面電車ですが、駅ビルに乗り入れる工事が行われています。

 この駅ビルは2025年3月24日に開業します。これまでの計画ではそのときに路面電車も駅ビルに乗り入れ、中心部への所要時間が短縮される駅前大橋線も開業するとされていましたが、それが遅れるようです。2025年夏ぐらいになると言われています。

 なぜ遅れることになるのでしょうか? 事業主体の広島市などによれば、駅南口のバスエリアなど複数の工事が重なり、工程の調整が必要になったからです。新しく線路ができる路面電車には試運転の期間も必要で、それを考えると駅ビルの開業から数か月遅れることになるようです。

 また、広島の中心部を回る、循環ルートについては、詳細はわかりませんが、さらに開通が遅れるようです。
(参考:Yahoo!ホームページ https://news.yahoo.co.jp/articles/25c5db94f9eba8bc6053d2161229803e4293101b)

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2500円払って会員になるとバス等半額

 熊本のバス会社、九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バスは魅力的な切符をつくって、公共交通の利用促進を図っています。先日取り上げた、300円のフリー切符もその流れにあります。その熊本のバスですが、事前に2500円(そのうち、デポジットが500円)を払って会員になると、10月1日から2025年2月28日までの間、朝のラッシュ時以外は半額になる、「渋滞なくそう!半額パス」を発売しています。

 「渋滞なくそう!半額パス」について詳しく説明します。販売窓口はSAKURA MACHI Kumamotoバス案内所(定期券窓口)や産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バスの営業所など。2500円払うと、会員になります。9月21日から発売を開始しています。半額になる路線は路線バス(熊本市外でも使えます。一部コミュニティバスを含みますが、高速バス、快速バス、リムジンバス等は対象外です)のほか、熊本電鉄や熊本市電も含まれます。平日は9時以降の降車、休日は(12月28日から2025年1月5日を含みます)は終日利用可能です。会員になると専用のICカードがもらえますので、あらかじめチャージしておいて、そのチャージした分で運賃を払います。なお、降車時には会員パスの呈示も必要です。

 また、休日(12月28日から2025年1月5日を含みます) に限り、大人の同伴者1人まで半額、子供は子供の半額で利用することができます。
(参考:共同経営推進室ホームページ https://jmpo.kumamoto-toshibus.co.jp/infomation/announce31/)

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「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(5)

 平日の昼間にケーブルカー乗り場から麓に下りるバスは、行きに使った高速バスを除いて、ない。歩いて坂を下りる。15分あまりでバス停に着く。小倉と黒崎を結ぶ幹線系統のバスで、時刻表を見る限り、10分間隔でバスが来るようだ。しかし、時間になってもバスが来ない。しばらくして「バスが来た!」と思ったら、通過する特快の連節バスだった。さらにしばらく経ってからバスがやって来た。小倉からの長い系統のバスなので、遅れやすいのだろうか? バスは各停留所で停まり、乗り降りがある。何か所か停まり、黒崎駅前で降りる。しかし、駅はまだ先。次の黒崎バスセンターまで行ったほうが良かったか? 時間が時間なので、黒崎でお昼にする。駅構内のうどん屋にする。駅の店で、かつ駅弁屋の店なのに交通系ICカードで払うことができず、現金で払う。食べたのは、かしわうどん。かしわが少し入っている。ほかのうどんに比べて安い(しかも、どのうどんにもかしわが少し入っている)ので、これが素うどんに当たるのか?

 JRの駅の隣が黒崎バスセンター。バスセンターの一角に筑豊電鉄の駅がある。昔、北九州には門司から折尾まで西鉄の路面電車が走っていた(黒崎と折尾の間は25年ほど前に乗った)。小倉と黒崎を結ぶバスはその後継と言えるし、バスセンターに路面電車があるのもその現れだ。今でも黒崎と熊西の間は残っている。筑豊電鉄の車両が路面電車サイズなのは、西鉄の路面電車に乗り入れていた名残なのだ。黒崎13:00発の筑豊直方行きは低床車両。座席はほぼ埋まり、立っている人もいる。筑豊電鉄には併用軌道の区間はなく、むしろ高架さえある。ヨーロッパなどでいう、LRTとはこのようなものだろうか? もっともLRTの車両は割高である。それならホームをかさ上げして親会社の西鉄から中古の車両をもらえばよい。いわゆる県庁所在地などの中都市にある、地方私鉄だ。日本では私鉄がLRTの代わりをしているとも言えよう。35分ほどで終点の筑豊直方に到着。JRの駅と離れているので、炎天下の中を歩く。

 直方からはバッテリー電車の「DENCHA」に乗る。電化区間はパンタグラフから電気を取り、非電化区間は電化区間で蓄えた電気で走るのだ。819系の2両編成で、車内はロングシート。14:04に若松行きは発車した。しばらく電化区間を走ると、複線が単線になる。かつては石炭輸送で複線どころか複々線だった時代もあったようだが、石炭輸送がなくなり、単線でも間に合うようになったのか? 単線区間は筑前垣生と中間の間のほか、折尾の手前にもあった。折尾からは非電化区間。しかし、バッテリーのおかげで、ディーゼルカーのようなエンジン音がしない。走りは電車と同じように静かだ。若松からは渡し船という方法がある。対岸の戸畑とを結ぶもので、上に橋がかかっても船は残っている。以前より値上げしたとはいえ、運賃は100円だ。駅から乗り場までは意外と距離があり、急いで歩いて何とか15:03発の便に間に合う(船は昼間は15分間隔)。対岸の戸畑までは3分、あっという間に着く。まっすぐ進めばJRの駅だ。

 小倉で旅行のお土産を買い、ようやく帰途に就く。帰りは船。駅の新幹線口から送迎バスが出ている。連休前で乗る人が多いのか、バスは2台来た。道は混んでいて、新門司の港に着くのに45分もかかる。阪九フェリーはちょうど1年前に乗ったが(そのときの旅行記はこちら)、そのときと違って、今日は乗客が多い。2段ベッドが並ぶスタンダード洋室も、結構埋まっている。船は17:30に新門司を出た。出航してしばらくして風呂(露天風呂つき)に入り、その後で夕食にする。阪九フェリーの食堂は欲しいものをショーケースの中から取っていき、最後に精算するタイプ。食堂には空席がたくさんあるが、行列ができているのだ。みんな同額のバイキングとは違い、食べる分だけお金を払うので公平と言えば公平だが、食べ物を置く順序は考えたほうが良さそうだ。最初に小鉢や漬物があり、後で肉や魚を選ぶが、メインが決まらないと副菜は決まらない。入口に「本日のメニュー」などの看板もないので、どうしても選ぶ段階で迷ってしまう。結局、チキン南蛮をメインにしたが、野菜を取ることができなかった。朝は鳥取のデパートで買ったパン、昼はうどんでは、まともに野菜を食べていない。いったん晩御飯を食べた後、もう1回食堂に行ってサラダだけを食べる。

 船は6:00、定刻に泉大津に到着。こちらもバスがあるので、南海の泉大津に行く。14日は岸和田でだんじり祭が行われているので、それを見てから帰ることにした。

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「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(4)

 3日目の13日は、宇部線の始発に乗る。新山口5:55発の宇部線経由宇部行きだ。105系の2両編成で、3扉ロングシート。黄色一色に塗られている。新山口を出た段階では空いていたが、宇部の町に近づくにつれ、段々増えていく。6時台なのに宇部新川に着くころには座席は大体埋まってきた。ところで、この新山口5:55発の列車、ワンマンカーのはずなのに、駅では全ての扉が開く。「ICOCA」が導入されているわけではない。この時間帯では宇部新川ですら無人なのだから、切符のチェックは不可能だ。沿線には住宅が多く、廃止以外の解決策がないローカル線ではないのだから、短期的には「ICOCA」と分岐駅での中間改札の導入、長期的には経営形態の見直しを検討したほうが良いだろう。鉄道のままで良いが、JRのままで良いとは限らない。枝線なのだから、JRの枠組みに縛られることなく、使いやすい鉄道にすることが求められる。氷見線や城端線の事例が参考になるだろう。BRTにする必要はないが、その問題提起を簡単に葬り去ったのは良くなかった。

 宇部新川からの小野田行き(宇部新川7:01発)も同じ105系2両編成。ただし、宇部新川まで乗ってきたのと違い、空いている。長門本山への乗り換え駅、雀田で乗り換え。雀田は1両分しかホームのかさ上げを行っていないため、扉が開くのは前の車両のみ。乗ることができるのは1か所しかないので、乗る客は多く見える。長門本山への列車(雀田7:22発)は123系の1両編成。分割民営化ごろに荷物電車を改造してつくった車両で、これは可部線にいたタイプ。朝から長門本山に行く人はなく、終点までひとりのみ。長門本山に着いた。列車が駅に着くと、ぽつぽつと列車に乗ってくる。朝2往復、夕1往復しかない線だが、学校に行くのはいつも同じ時間なので、これでもいいのだろうか? 雀田に戻り、小野田線で小野田に行く。雀田7:45発に乗ったが、こちらは123系でも羽衣線で使っていたバージョンだ。ただ羽衣線時代にはなかったトイレがついている(ほかの105系、123系にもトイレがある)。123系の中で一番荷物電車らしい外観をしている。車内は通学の高校生で混んでいる。途中で高校生が降りても、また代わりに乗ってくる。とても需要が極めて少ないローカル線とは思えない。宇部線と一緒にありかたを考える必要がある。新幹線や大都市圏の利用者に負担させる、という考えを捨てれば、まだ使える路線はある。

 小野田から宇部経由で居能へ。これで宇部線、小野田線の乗車は達成。居能8:51発で宇部線を後にする。線内で完結する列車が多い宇部線だが、これは珍しい下関行きだ。105系の2両編成だが、黄色一色ではなく、白をベースに青と赤の帯を巻いている。分割民営化後、黄色一色になるまで使われていた塗装である。下関に行くにはいい時間なのか、だんだん増えてくる。下関からは9:53発小倉行きに乗り換え。九州は交流なので、交直流の415系が使われる。JR九州の車両で、ステンレスの4両編成だ。門司の直前で直流から交流に切り替わる。車内の蛍光灯が一部を残して消えたが、昼間なのでそんなに暗くはならなかった。小倉からは10:15発の新田原行き。座席を減らした813系。信号か何かの都合で、出発が2、3分遅れた。

 2つ目の南小倉で降りる。ここでバスに乗り換えるのだが、バスは駅前には来ない。300メートルほど離れた国道上からバスは発車する。元々の計画でも乗り換え時間は5分しかないのに、JRが遅れた影響で乗り換え時間は3分ほど。走ったおかげで、時間調整で停まっていたバスに乗ることができた。バスは天神への高速バス、「いとうづ号」。小倉と天神とを結ぶ高速バスの一系統だ。途中で降りるので、前の席に座る。この「いとうづ号」、高速バスといいながら、なかなか高速道路に行かない。延々と一般道を走る。ようやく北九州都市高速に入り、トンネルをくぐったら、もう降りる停留所。高速道路上のバス停である。バス停の外に出て、急坂を少し登るとケーブルカー乗り場。帆柱ケーブルだ。券売機でケーブルカーとそれに続くスロープカーのセット券を買い、ケーブルカーに乗る。11:00発に間に合った。帆柱ケーブルのケーブルカーは、前後ともに大きなガラス1枚だけのため、見晴らしは抜群。急坂を登ると、八幡や若松の工業地帯が広がる。今回は昼間に登ったが、夜景もすばらしいものだろう。6分かけてケーブルカーで登った後は、スロープカーに乗り換え。スロープカーは1本のレールで坂を登る乗りもの。広く言えば鉄道の仲間だ。こちらの車両はもっとガラス張り。北九州の町を見ながら坂を登っていく。スロープカーが到着したところが皿倉山の頂上。しばらく景色を眺めてスロープカーとケーブルカーで坂を下りる。(続く)

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「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(0)

 11日から14日にかけて、「WESTERポイント全線フリーきっぷ」を使って出かけてきました。その時の様子を明日から何回かに分けて書きます。

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新幹線、路面電車になる

 四国には新幹線はありません。しかし、愛媛県と高知県を結ぶ予土線には0系風の「鉄道ホビートレイン」があります。

 そして、その高知県に新たな0系車両が走ることになりました。もちろん、本物ではありません。とさでん交通の路面電車(600形617号車)に0系風のラッピングをして、走らせているのです。8月10日から走っています。

 もちろん、路面電車ですので、「鉄道ホビートレイン」以上にスピードは出ません。

(追記)
 とさでん交通の0系風ラッピングは10月9日で終了しました。
(参考:railf.jp https://railf.jp/news/2024/08/11/073000.html、鉄道ホビダス https://rail.hobidas.com/rmnews/506373/)

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ゆいレール、普天間方面に延伸か?

 現在、沖縄唯一の鉄道であるゆいレール。那覇空港とてだこ浦西の間を結んでいます。

 このゆいレールですが、沖縄県は宜野湾市普天間方面へ延伸することを検討しています。終点のてだこ浦西からのほか、古島から延ばすことも考えています。古島からなら、国道330号線沿いに延ばすのでしょうか? 沖縄県はこの2つのルートについて、大まかな事業費や利用者数、収益などを計算して、2025年度に公表したいと考えています。

 沖縄本島の中南部は狭い場所に密集していますが、ゆいレールを除いて鉄道がありません。バスは走っていますが、渋滞が発生します。かつて沖縄市から那覇まで国道330号線などを走るバスに乗ったことがありましたが、そのときも渋滞でバスは遅れました。公共交通のサービスレベルが需要に見合っていないのです。

 ただ、沖縄には南北を縦貫する沖縄鉄軌道という話があります。この沖縄鉄軌道も普天間のあたりを通りますから、それと需要を食い合う危険性があります。ゆいレールを延伸する場合、そことの調整は欠かせないでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20240814/5090028974.html)

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一畑電車の新車、1両4億円以上

 一畑電車は、老朽化した車両を更新するため、新型車両を導入します。2016年度から2017年度にかけて導入したデハ7000系と同タイプのものを導入します。これで老朽化した2100系及び5000系、4編成8両を置き換えるのです。両数は半減していますが、2019年4月に行った乗車人員調査によれば、北松江線で平日朝ラッシュ時に使われる6運用中4運用で単行に置き換えても定員程度の乗車に留まることから、問題はないと考えています(大社線は平日朝ラッシュ時でも単行)。

 2021年時点の当初の計画では、島根県、松江市、出雲市で構成する一畑電車沿線地域対策協議会は、国の分担額を含めて約10.2億円を一畑電車に支援し、2024年度と2025年度に各2両ずつ導入することになっていました。しかし一畑電車によれば、ロシアのウクライナ侵攻などによる物価高騰で、製造費用が当初の見込みから大幅に上がるようです。支援額は約6.5億円増えて約16.7億円になります。新車の導入時期も2024年度に1両、2025年度に2両、2026年度に1両となります。

 この約16.7億円で4両をつくります。ということは、1両あたりにすると4億円余り。デハ7000系と比べるとほぼ倍。新幹線もびっくりの値段です。数が少ないということもあるようですが、中古なら単行のものはなく(改造によってつくることもできないようです)、2両編成の中古もなかったので(中間車を改造して先頭車にしないといけない)、新車のほうが安いようです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC303ZB0Q3A130C2000000/、出雲市役所ホームページ https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1615176989022/files/houkoku3-3.pdf)

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