リニアができれば静岡を通過する新幹線はなくなる?

 東海道新幹線はどうしても東京、名古屋、大阪を行き来する人の需要に応えるため、停車駅の少ない「のぞみ」中心のダイヤになってしまいます。

 そのため、どうしても静岡や浜松に停まる新幹線の本数が少なくなってしまいます。「のぞみ」は静岡県内を完全に通過し、「ひかり」も一部が停まるだけです。以前からリニアができると「ひかり」や「こだま」が増え、静岡県内に停まる列車が増えると言われていますが、どれくらい増えるのでしょうか? 2022年の年末の話ですが、斉藤国交相は、リニア開業後に静岡県内の駅に停まる新幹線の本数がどれくらい増えるかシミュレーションすることを発表しました。

 リニアができれば、「のぞみ」の本数が減り、ダイヤに余裕ができますので、「ひかり」や「こだま」が通過待ちする列車の本数も減ります。簡単に言えば、駅の停車時間が短くなる分、スピードアップします。国交省はこれらの事柄について、経済効果を調べることにしたのです。

 ただ、リニア開業によって静岡県内の駅に停まる新幹線の本数がどれくらい増えるのかは分かりません。そして、ここが一番肝心なことですが、リニアに厳しい姿勢を見せている静岡県が態度を変える保障はどこにもありません。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASQDW52S0QDWULFA00J.html)

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北陸新幹線、2023年度初めの新規着工はなし

 北陸新幹線は2024年春に敦賀まで開業するので、残る区間は敦賀-新大阪間となります。この残る区間は2023年度に着工する予定でしたが、一部地域で環境アセスメントが進まず、予定していた2023年度の着工は消えました。国交省は着工後に行う予定だった、詳細な地質調査や地下水への影響分析などを前倒しして行うようです。

 本来ならば、京都に駅ができることによって利益を得る京都府や京都市が先頭に立って、新幹線建設に反対している地区への説得を行うとともに、必要ならば金銭での補償を行うべきでしょう。亀岡に駅ができるはずなのを京都に引っ張ってきたのですから。

 もっとも、「小浜-京都ルート」にこだわって新幹線ができないのであれば意味はありません。肝心なのは、北陸(富山)-大阪(新大阪)間を直通することのできる新幹線をつくることです。品川から新大阪までのリニアが完成するのはお金も時間もかかりますから、敦賀からあともう少しつくれば完成する北陸新幹線は、非常時には東海道新幹線の代替ルートにもなります。

 また、明治時代の古い規格でつくられた在来線は、災害にも弱いです。先週、新潟で大雪がありましたが、そのときでも新幹線は平然と走っていました。在来線を大改良して災害に強くするようにすることは正論なのですが、あまりにも費用が高くつきます。整備新幹線の建設費用は高いですが、特急だけに絞って高速化しているから、まだ安くついているのです。普通列車も貨物列車も高速化すると、はるかに高くなるのです。採算も今以上に取れないでしょう。

 仮に北陸新幹線を「米原ルート」でつくる場合、JR東海を説得して、北陸新幹線の列車を通す枠を確保しないといけません。北陸からの列車が遅れるのが心配なら、東京から直通させるのを止め、かつ米原の手前で時間調整で数分停めておいたほうがよいでしょう。利益がJR東海に吸い取られるJR西日本への補償も必要です。東海道新幹線の新駅を潰した滋賀県が建設費の負担に応じるとも考えられません。滋賀県内に東海道新幹線を含めて永久に新幹線の駅を追加しないことを条件に(もし駅が増えた場合は、利息をつけて負担してもらいます)、ほかの府県にお願いするのでしょうか? 「小浜-京都ルート」なら小浜に駅ができますが、「米原ルート」ならどうやっても若狭に駅をつくることができません。整備新幹線のお金で近江今津と若狭とを結ぶリゾート新線をつくりましょうか? 「米原ルート」は安上がりなので、これぐらいつくっても十分おつりが出ます。JR東海、JR西日本、沿線府県を説得してまとめることができたら、国交省、国交相らしい立派な仕事をしたと言えますが。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221214/k10013922801000.html)

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北海道新幹線の開業時期が遅れる?

 これまで、北海道新幹線新函館北斗-札幌間は2030年度末に開業する予定となっていました。ところが、これが遅れるようなのです。

 なぜ遅れるのかと言えば、土砂の受け入れ先が決まらない、巨大な岩があるといった理由で、一部の工区に3~4年の遅れが生じているからです。2030年度末の開業は大変厳しい状況で、(オリンピックの是非はともかくとして)2030年に札幌でオリンピックをすることが決まったとしても、長野のときのように間に合わせることができません。

 また、北海道新幹線新函館北斗-札幌間の事業費はこれまで1.67兆円とされていましたが、6450億円増え、2.31兆円となります。1.4倍に増えます。トンネル工事に伴う土砂の処理、資材価格の高騰、人件費の増加が原因です。土砂の処理で2700億円、資材価格の高騰で2050億円上がりました。さらに言えば、資材の価格が年2%の想定を上回って上がった場合、0.1%上がるごとに70億円ずつ増えていくようです。

 とは言っても、新幹線はつくらないといけません。在来線特急は遅すぎ、高速道路を走る車に対抗できません。新幹線が開業すれば値段は上がりますが、車では決して出すことのできないスピードを出すことができます。北海道新幹線の場合、在来線特急で3時間半から4時間かかる函館-札幌間に新幹線ができることによって、鉄道の競争力は高まります。新幹線ができても4時間半はかかる東京-札幌間を乗り通す人は少ないでしょうが、元々のパイが大きいので、空港から遠い大宮の利用客などを拾うだけでも十分です。雪などで空港が使えないときのカバーにもなります。新幹線が開業すればかなりの人に利用されるというのも頷けるところです。

 鉄道の得意とするところは新幹線のような高速輸送と大都市圏の大量輸送です。在来線特急はジリ貧で、このままでは緩慢な死を迎えるだけです。高い事業費に気を取られてしまいますが、この根本原則を踏み外してはいけないでしょう。
(参考:朝日新聞12月8日朝刊中部14版)

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貨物専用線になっても旅客運行を求める?

 北海道新幹線新函館北斗-札幌間が開業すると、並行する在来線はJRから分離されます。今までなら第三セクターになるところですが、北海道の場合は極めて需要が少ないことから、函館-長万部間もごく一部の区間を除いてバスに転換されるようです。

 しかし、この区間を考える上で忘れてはならないのが、貨物輸送の問題。貨物のことを考えると、線路を剥がすわけにはいきません。貨物列車は沿線のためにあるのではなく全国のためにあるので、新幹線上に貨物列車を走らせる技術が確立されるまでは国のお金で貨物線となった函館線を維持することはやむを得ないでしょう。

 ところが、朝日新聞が沿線自治体の首長にアンケートしたところ、一部区間を除いて貨物専用線となる函館線なのに、駅の存続を求めている自治体があります。貨物を取り扱うのではありません。観光や通学のために駅を残したいといい、中には具体的な駅名を挙げているところもあります。

 並行在来線の負担を国が行うのは、あくまでも国全体への影響が大きい貨物のためであり、ローカル輸送のためではありません。国のお金でバスで十分な程度のローカル輸送を維持させるのは間違っています。新函館北斗-長万部間の鉄路が残るのはあくまでも貨物のためで、ローカル輸送のためではありません。普通列車が欲しければ従来通り第三セクターの枠組みで対処するしかないでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASQCH6KG2QCGIIPE004.html)

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山線の代替バスは高速バスからデマンドバスまで

 北海道新幹線が開業すると、長万部-小樽間もバスに転換されます。長万部-小樽間は約140キロもあるので、以前にも書いたように、長万部-黒松内、黒松内-倶知安、倶知安-余市、余市-小樽の4区間に分けて考えています。

 基本的に、代替バスは既存のバス路線に沿って設定されています。バス路線がない黒松内-蘭越間は新たに路線を設定します。バスは国道5号線に沿うため、駅が国道から外れている銀山(仁木町)については、町営バスが国道上のバス路線までつなぎます。塩谷(小樽市)については、小樽駅前とを結ぶ既存のバス路線(日中でもほぼ1時間に2本の割合で走っています。7時台の小樽駅前行きは5本もあります)の半分を乗り入れさせます。ただ、駅そのものが宿泊施設となっている比羅夫(倶知安町)についてはそのような配慮が見当たりません。バスが駅前に来ない危険性もあります。

 バスの車両についてはノンステップバス、電気バス、リフト付きバスを導入する方針ですが、場合によっては7~10人乗りのジャンボタクシーを使った、デマンドバスになるところもあります。長万部-小樽間のある後志地域は人口が減少傾向にあり、北海道新幹線が札幌まで延伸する2030年度は2020年度に比べて2割程度減ります。2060年度になると2030年度の半分程度に減ります。もともとこの区間の輸送密度は極めて低く、人口が減ることを考えると、輸送密度はさらに下がるというのが正しい見かたでしょう。鉄道は当然のことながら、通常の路線バスでも成り立たない区間が出てくると考えられているのでしょう。

 ただ、バスにすると、学校や病院に近づくことができるというメリットがありますが、鉄道より遅くなります。バスレベルの需要しかないところならともかく、鉄道で残っても何ら問題がないほどの需要がある余市-小樽間に関しては、単純に国道上にバスを走らせるだけでは不十分です。現在、余市から札幌に高速バスが出ていますが、小樽を経由するために時間がかかります。JRが1時間15分のところ、高速バスは1時間45分かかります。そこで小樽に寄らずに札幌まで直行する高速バスをつくります。余市インターチェンジから後志道を通り、札幌北インターチェンジ経由で最速1時間5分で結ぶことができるようです。

 この代替バスはまだ案なので、地元自治体は住民に説明し、意見の集約を行うようです。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2022/11/10/363960.html)

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朝日新聞は北陸新幹線にネガティブな記事を出して何をしたいのか?

 北陸新幹線は2024年春に敦賀まで延びますが、それは単に首都圏と北陸を結ぶだけの新幹線にしか過ぎません(関西方面も若干速くなりますが)。大阪までの全線が開業してようやく全てが完成するということになります。しかし、その北陸新幹線、京都府内の一部で着工の前提となる環境アセスメントが進んでいないのです。京都の市民団体も反対しています。

 それではなぜ敦賀-新大阪間のルートをこのように決めたのでしょうか? 朝日新聞を読む限りでは工費も工期もかかる「小浜-京都ルート」に勝手に決められたように見えますが、もちろんそんなことはありません。記者が不勉強なのか、それとも新幹線を叩きたいために書いているかのどちらかです。皆様は当然御存じでしょうが、いくつかのルートを比較した結果、選ばれたものです。その後、工費も工期も優れていることでは有利だった「米原ルート」ですが、新幹線ができても乗り換えが必要であることが判明しました。同じフル規格新幹線であり、しかも米原で降りる人がごくわずかであるにもかかわらず、乗り換えが必要だという致命的な欠陥です。

 新幹線に限らず、何かものをつくるときは何らかの環境面の影響があります。そこを無視することができません。ルートをずらすとか、できるだけ環境面での負荷が少ないような工法を選ぶとか、そのあたりの工夫は必要でしょう。ただ、どうにもならないときは金銭的な補償もしなければなりません。北陸新幹線が開業すれば、京都駅に駅ができますから、京都府や京都市は利益を享受します。その利益から補償を出せば良いだけの話です。昔の「若狭ルート」では京都市内に駅はできず、亀岡にできるだけでしたが、それを京都市は奪ったのですから、その点でも補償をしないといけません。

 最悪なのが、北陸新幹線の整備が進まず、敦賀での乗り換えが永久に続くこと。北陸と関西の間は乗り換えの手間があってもそれなりに速いので、今後も鉄道は使われ続けるでしょうが、北陸から見ればどうでしょうか? 東京へは新幹線で直通、関西へは途中で乗り換えありでは、どちらに行くのが増えるのかは明白です。新幹線がないところは行先として選ばれないだけです。こうやって新幹線のないところは衰退していくのです。

 朝日新聞の記事は単に決まった話を蒸し返し、ややこしくしているだけです。朝日新聞の記者は関西の緩慢たる衰退を狙っているのでしょうか?
(参考:朝日新聞11月23日朝刊中部14版、朝日新聞11月25日朝刊中部14版、朝日新聞11月26日朝刊中部14版、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20221121-hokurikushinkansen/)

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京都市の市民団体が北陸新幹線に反対

 北陸新幹線は2024年春に敦賀まで開業しますが、それで終わりではありません。新大阪までつながってようやく完成なのです。途中、東小浜、京都、松井山手を通ります。ところが、その北陸新幹線に反対する人がいます。それは京都の市民団体。計画の白紙撤回を求める約2.6万人の署名を国側に提出します。同じように北陸新幹線に反対している南丹市の3地区とも連携するようです。

 それでは、市民団体の要望通り、北陸新幹線ができなかったらどうなるのでしょうか? すでに東京方面には北陸新幹線ができています。できないのは関西方面なのです。わずかな区間ができないので、北陸新幹線は東京と北陸を結ぶだけのローカルな新幹線に留まります。単なる一地域の新幹線です。新大阪までの全線ができて初めて、平時には長野や北陸への輸送を行い、有事には東海道新幹線の機能も担う新幹線になるのです。リニアがその機能を担うには、東京から大阪までの全線ができないといけませんが、北陸新幹線なら敦賀から先をつくるだけで済みます。国が先頭に立ってつくるにふさわしい新幹線です。

 以前にも書きましたが、北陸新幹線に反対するのが遅すぎるのです。30年以上前の、高崎-長野間をフル規格でつくる前に反対すべきだったのです。今北陸新幹線に反対すれば、東京だけが便利になり、関西が不便になる新幹線ができあがってしまいます。今すべきことは一刻も早く新大阪までの全線を開業させることであり、市民団体の行動は愚策なのです。先が見えていないのです。東京一極集中をさらに進めたいか、関西の衰退を招くのが市民団体の目的ならともかく、そうでない限りは関西の人間が足を引っ張ってはいけないのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQB35JQTQ9YPLFA006.html)

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美山町芦生地区、北陸新幹線延伸に反対

 北陸新幹線は2024年春に金沢-敦賀間が開業し、残るは敦賀-新大阪間です。この区間は東小浜、京都、松井山手を経由するルートでつくられる予定です。

 ただ、このルート上にある南丹市美山町で反対運動が起きています。この地域には原生林があり、トンネルを掘ることによって生まれる膨大な残土の処理、そして動植物への悪影響を考えてのことです。北陸新幹線のルートは原生林のあるところは通らないように配慮されているものの、その近くに巨大なトンネルができたら環境の悪影響があるということから、芦生地区はこの春に総会を開き、住民の総意として明確に北陸新幹線延伸に反対しています。

 本来なら、北陸新幹線建設によってメリットが大きい京都府や京都市が先頭に立って説得する必要があるでしょう。ただ、美山町に通すことにこだわって、結果として新幹線ができないのは困ります。敦賀まで新幹線ができることを考えると、あともう少しつくるだけで、非常時には東海道新幹線の代替となる新幹線ができるのです。リニアをつくるよりはるかに短い区間をつくるだけで、非常時の東海道新幹線の代わりとなる新幹線ができるのです。一地域のローカル新幹線ではなく、国家の重要路線としてつくらなければならない新幹線です。

 それを考えると、今計画されているルートでなくても構わないので、大阪市内まで直通するフル規格新幹線ルートを決め、関係者(JR、沿線自治体)との協議を固め、早期に再構築する必要があるでしょう。もし、若狭地域に駅ができない場合は、そこへの補償も必要でしょう。
(参考:京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/870986)

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長崎山梨県知事が静岡空港駅提案

 リニア中央新幹線建設促進期成同盟会に静岡県が加わりました。とは言っても、建設の方向に一丸となって進んでいるわけではなく、混乱はまだまだ続いています。

 その静岡県をリニア建設に積極的にさせるため、お隣の長崎山梨県知事は、静岡空港近くに東海道新幹線の駅をつくることを提案しています。静岡空港の真下を東海道新幹線は走っているため、ここに駅をつくれば静岡県だけでなく広い範囲での利用ができます。首都圏の空港を補佐する役割も果たすことができます。静岡県知事はかなり前から静岡空港近くに東海道新幹線の駅をつくることを求めていますが、隣の掛川との間が約16キロしかないことから、運行効率が悪いとして、JR東海から断られ続けています。

 もっとも、こんな策で静岡県をリニア建設に積極的にさせることができるのでしょうか? リニアが静岡県を通る限り、色々問題が出てくるもしくは蒸し返されるでしょう。茨の道は続きます。JR東海としてはリニアをつくらないと儲かったお金の使い道はなく(配当等で株主に還元することが求められます)、何としてもリニアをつくりたいところかもしれませんが。JR各社の上にJRホールディングスをつくるなど、東海道新幹線で儲かったお金をJR全体の幹線投資に使える仕組みが必要だったかもしれません。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20220810-OTYKIHQOTNKQ7FOO3SWD42APX4/)

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リニアで京王橋本移転か?

 リニアの神奈川県内の駅は、橋本にできます。橋本はJR東日本の横浜線、相模線、そして京王の相模原線が乗り入れるターミナルで、リニアの駅はJR東日本と京王の駅から南に200~250メートルのところにできます。橋本のある相模原市は、このうち京王について、駅を移設することを考えています。

 なぜでしょうか? JR東日本の駅の改札とリニアの駅の改札を線で結ぶと、京王の駅の改札はその線から外れるので、まちづくりの観点から好ましくないと相模原市は考えているのです。JRの駅の真横に京王の駅を置くことは、京王の線路の分岐器の都合上、難しいようで、移転した高校の跡地も使って、JRの駅とリニアの駅の間ぐらいに京王の駅を動かすようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/121200)

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