函館にフル規格乗り入れは可能

 大泉函館市長が打ち出した、北海道新幹線函館乗り入れ構想。この乗り入れ構想について、コンサルタント会社に委託した調査結果が発表されました。

 函館に乗り入れるのは、札幌からの便と、東京からの便の2種類。札幌からの便はどの案でも8往復が函館に乗り入れます。東京からの便は、全く乗り入れない、5往復が10両編成で乗り入れる、5往復が3両編成で乗り入れる(残り7両は札幌へ)の3パターンが想定されています。また、函館に乗り入れるのは、フル規格、ミニ規格、どちらのパターンも想定されています(函館へは、20000Vにさえ対応できるならば、フル規格の新幹線がそのまま走ることができるようです)。ちなみに、新函館北斗から函館線へは、新函館北斗の近くにある保守基地線を使い(車両基地は通りません)、函館-七飯間の複線区間では、東側の線路を三線軌にします。時速は在来線並みの時速120キロです。函館は1、2番線を新幹線線用ホームに改造し、五稜郭は在来線と共用のホームにします。工事は3年半程度で済みますので、北海道新幹線札幌開業に間に合います。

 話は長くなりましたが、どうやら東京からの乗り入れの有無、フル規格かミニ規格かに関わらず、整備費は157~169億円で済みます。車両費は別枠ですが、東京からの乗り入れはともかく、函館-札幌間の区間運転用の車両は何らかのかたちで必要なので、大きな問題にはならないと思われます。また、東京からの乗り入れによって本州と北海道の間の利用者が増えるのかは微妙ですが、札幌からの乗り入れは確実に函館線函館-新函館北斗間、北海道新幹線新函館北斗-札幌間の利用者を増やします。

 東京からの直通はE5系(の後継車両)に与える影響が大きくなりますが、札幌からの直通は、函館への利便性向上のために欠かせません。進める方向で話を持っていきたいです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hakodate-shinkansen2403/)

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リニアの開業は2034年以降に

 2027年に品川-名古屋間が開業する予定だったリニア。元々は2025年に開業する予定だったのですが、2年遅くなりました。そして、2027年も危ないということは以前から周知の事実と言っても良い存在でしたが、それが確定することになりました。静岡工区の工事契約が締結されてから6年以上経ちますが、静岡県が着工に同意せず、工事が全く進んでいないのです。静岡工区の工事には10年かかりますので、今すぐに着工できたとしても、開業は2034年以降となります。当然、川勝静岡県知事がすぐに着工に同意するとは思えず、川勝氏が静岡県知事である以上、リニアの着工は何かと理屈を付けて遅らせるでしょう。かなり遅くなるものと思われます。

 静岡県の立場で言えばリニアができてもメリットは小さいのかもしれません(もっとも、リニアの直接的なメリットは小さいですが、リニアができることにより、東海道新幹線「ひかり」等の充実を図ることができます)。ただ、全国的に見れば、一地域の問題により、高速鉄道網の整備が進まないことは大きな問題です。このままでは東海道新幹線のバイパスはできません。また、このような事態はリニアに限ったことではありません。北陸新幹線も西九州新幹線もそうです。北陸新幹線はこのままでは単に東京と北陸を結ぶ新幹線に留まり、東海道新幹線のバイパスにはなりません。西九州新幹線も新大阪はもちろん、博多にも一本で行くことができず、何のためにつくったのかわかりません。国、都道府県、そしてJRは中途半端な幹線鉄道網を完成させるために、小異を捨てて利害を調整する必要があります。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/DA3S15899844.html、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20240329/3030023402.html)

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北海道新幹線のスピードアップのために貨物列車を減らす?

 北海道新幹線は、青函トンネルとその前後の区間、約82キロを在来線と共用しています。在来線で走るのは貨物列車だけですが、すれ違うときに風圧で貨物列車が荷崩れしないように、新幹線は速度を落として運行しています。年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期には本来の時速260キロで走ることもありますが、これはそのような休みが多い時期は貨物列車の需要が少ないからできるのです。通常の時期でそれをすると、現在定期列車だけでも1日に18往復走る貨物列車を全て残すことはできません。

 この問題は、北海道新幹線が札幌まで延伸したとき、さらに大きくなります。航空機との競争を考えると、所要時間は短ければ短いほどよいです。できる限り時速320キロ以上で走ることができる区間が長いのが望ましいです。新幹線の立場から言えば当たり前の話ですが、貨物にとっても青函トンネルは重要な路線であり、減らすのは難しいです。代替策は船になりますが、道内の輸送をどうするのかという問題もあります。貨物列車がほとんどないのなら切り捨てても良いのですが現状はそうではなく、難しい問題です。

 ちなみに、新幹線が青函トンネル内を時速260キロ運転をすると、所要時間は5分短縮します。時速320キロ運転ならもう少し大きいでしょう。目標とする東京-札幌間4時間半運転のためには是非ともスピードアップしたいところですが、貨物のことを考えると当面は難しいのかもしれません。ほかのところでスピードアップを行ってもらうしか仕方がないのかもしれません。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS1L46LHS1KIIPE00G.html)

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宮崎への新幹線は新八代から分岐?

 福岡を基準にすると一番遠いところにある宮崎にも新幹線の計画があります。日豊線沿いにできる東九州新幹線がそれですが、ライバルが多く、いつ着工されるかは分かりません。また、大分からの距離が長く、建設費はかなりかかってしまいます。現状ではあまりにも遠く、同じ九州であるにもかかわらず航空機が使われているぐらいです。安く行くなら高速バス、新幹線と高速バスを組み合わせる行きかたもあります。

 そこでまた出ているのが新八代で分岐して、宮崎に行く案。高速道路の九州道、宮崎道とよく似たルートで、人吉や都城を経由します。この案が再浮上しているのです。建設する距離が短いため、かかる費用は若干安くなります。

 また、鉄道で言えば肥薩線に並行しています。2020年の大雨の影響で大きな被害を受け、運休したままとなっていますが、復旧しても赤字が続き、利用者は極めて少ないので、現状のローカル線のまま復旧しても意味はありません。高校生にも見放されているようなローカル線です。それならいっそのこと、新幹線にアップグレードして復旧させたほうが価値があります。ビジネスにも観光にも使えます。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20231130-OYTNT50048/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20231215-miyazakishinkansen/)

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佐賀県、西九州新幹線の財政負担軽減を求める

 西九州新幹線は武雄温泉-長崎間のみが開業し、途中の新鳥栖-武雄温泉間がつながっていません。博多と長崎を行き来するときでさえ、途中の武雄温泉での乗り換えを余儀なくされます。

 この中途半端な事態を解消するためには、新鳥栖-武雄温泉間をフル規格でつくり、博多から長崎まで乗り換えなしでできるようにしなければなりません。ここで問題になるのは、つくらなければならない新鳥栖-武雄温泉間が全て佐賀県内にあるため、建設費の地元負担が佐賀県にかかってきます。新幹線をつくることによる佐賀県のメリットは小さく、長崎県のほうがメリットが大きいのに、負担がそれに見合っていないのです。

 このことに関して南里佐賀県副知事は、国交省に対して、佐賀県の負担の軽減を求めていたことを明らかにしています。武雄温泉-長崎間のときは佐賀県内の距離が短かったこともあり、佐賀県の負担は長崎県の1/3程度だったのですが、新鳥栖-武雄温泉間は佐賀県が負担しなければならないので、トータルでは長崎県の2.5倍以上になります。これに対して、佐賀県は、ルート全体に対する佐賀県の負担を長崎県の半分以下にするように求めています。

 佐賀県の主張が妥当かどうかはともかくとして、佐賀県のメリットは小さく、長崎県のメリットは大きいことは明らかですから、長崎県がある程度負担しなければならないことはやむを得ないでしょう。ただ、長崎県に負担させた場合、佐賀県内のルートについては佐賀県の思うとおりにはなりません。何の経済的メリットもない南回りルートが採用される可能性はさらに低くなることでしょう。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20231206-OYTNT50255/)

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リニアの品川は地下5階

 リニアの東京側のターミナルは品川。でも、地上にはできません。どこにできるのでしょうか?

 やはり品川も、地中奥深くにできます。地下約40メートルの地下5階にできます。大深度地下を走るため、ここまで奥深くにしないといけないのです。しかし、改札はほかの路線と同じ地上2階となります。

 リニアのホームとそれ以外の路線のホームとの間にこれだけ高低差があれば、乗り換えに時間がかかりそうですが、3~9分に抑えます。どうやって抑えるのかといえば、エスカレータとエレベータをたくさん設置するのです。エスカレータは38台、エレベータは9台です。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD197RP0Z11C23A2000000/)

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リニア、液体ヘリウムがなくても動くことができる?

 リニアの浮上や移動に欠かせないのが、超電導磁石。重たい車両を浮かせて高速で走らせるため、電気抵抗がゼロになる超電導現象を使います。

 この超電導現象を起こすためには、電流が流れるコイルを冷やさないといけません。何度にすれば良いかと言えば、マイナス269度。一番低い温度がマイナス273.15度なので、かなり限界に近い数字です。この限界に近い温度にまで冷やさないといけないので、液体ヘリウムを使います。ところが、そこまで冷やさなくても良いようです。マイナス255度で済む高温超電導磁石が実用段階に近づいているのです。

 たった14度の差ですが、大きな意味があるようです。国内で手に入れることができない液体ヘリウムを使わなくても済むのです。外国の事情で入手困難になるというリスクが減るのです。そうでなくても液体リチウムの値段も上がっているので、その面でもリスクを減らすことができます。マイナス255度なら冷凍機で冷やせばよいようです。

 また、液体ヘリウムを使わなくても済むので、構造が簡単になります。製作コストが下がり、メンテナンスも簡単になります。冷やす温度が上がるので、電力の節約にもなります。1割減るとも言われています。

 JR東海は検査周期となる1年間に相当する距離を走らせ、実際の走行で使えるかどうか判断します。
(参考:ニュースイッチホームページ https://newswitch.jp/p/39430)

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西九州新幹線は南回り?

 2022年に西九州新幹線が開業しましたが、武雄温泉と長崎を結ぶだけで、既存の新幹線とつながっていません。新大阪はもちろん、博多さえも行くことができない新幹線なのです。

 当然、既存の新幹線とつながるよう、新鳥栖と武雄温泉の間を結ぶことが求められています。今は中途半端な新幹線なのでせっかくのものを発揮していないのが現状ですが、全線フル規格になれば効果は絶大なのは明らかです。しかし、これまで佐賀県は、佐賀ぐらいなら博多までの距離が短いことから今の在来線特急で十分であり、負担増を嫌ってフル規格には否定的でした。

 このままでは話が前に進みません。そこで出てきたのが、佐賀空港を経由する案。博多-佐賀間の輸送は今まで在来線で行い(そのため、安い料金で博多まで行くことができませんし、在来線も廃止になりません)、新幹線が佐賀空港を経由することで佐賀空港の活性化を図る狙いがあるようです。

 ただし、詳細はよく分かりませんが、新幹線が佐賀空港に乗り入れるわけではないようです。駅がある佐賀の中心部と佐賀空港の間ぐらいを通るようで、駅を降りると空港が目の前にあるというわけではないようです。新幹線が佐賀空港を経由すると、佐賀空港近くが軟弱地盤のため、建設費がかなりかかります。佐賀までの利用者が望めず、コストがかかるため、佐賀経由に比べて採算は悪いです。しかも、先ほども述べたように空港に直結しているわけではないので、佐賀空港の利便性向上につながるわけではありません。空港に直結すれば福岡空港に代わる九州の国際空港になる可能性がありましたが、これでは佐賀のローカル空港のままです。

 西九州新幹線は素直に佐賀の中心部を経由するのがベストでしょうが(それが無理なら駅の北側)、それにこだわって新幹線が中途半端になっては困ります。経済的な合理性よりも佐賀県の都合を優先させたと割り切り、フル規格新幹線を完成させるために妥協したと考えるほうが良いのでしょうか?
(参考:毎日新聞ホームページ https://mainichi.jp/articles/20231104/k00/00m/010/175000c)

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北海道新幹線、バス会社が代替バスの運行は困難と回答

 整備新幹線が開業すると並行在来線は第三セクター鉄道になるのが普通ですが、北海道新幹線の場合、長万部-小樽間は廃止されてバスになります。函館線と名前は立派なものの、幹線ルートから外れたので、実体はローカル線だからです。

 代替バスは地元のバス会社、北海道中央バスなどが走らせます。すでに北海道はダイヤ案を示していますが、これに対して北海道中央バスなど3社は、ダイヤ案に沿ったバスの運行は困難だとしています。運転士の確保ができないからです。このままではダイヤ案の通りに走らせることができないので、北海道としては、ほかのバス会社に協力を求め、利用者の少ない区間については、タクシーなどバス以外への交通機関への転換も検討します。

 そもそも、長万部-小樽間の全区間をバスに転換すること自体が誤りだったのではないでしょうか? 長万部のほうはともかく、余市-小樽間ぐらいは鉄道として十分存続できるレベルでしょう。余市-小樽間の第三セクターの採算見通しを厳しいものにして、全線バス転換への誘導を図ったというもあります。余市-小樽間を鉄道として維持することでバスの必要本数を減らし、それで残りの区間の運転士の確保を図ったほうが良いのではないでしょうか?
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/97d3696fb38c6946c8d7414a107fce805240a7bf)

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函館に乗り入れる新幹線は3両編成?

 以前も記事にした、北海道新幹線の函館乗り入れの。どのような姿になるのでしょうか? 業務を委託するコンサルタント会社から、企画提案の内容が明らかになりました。

 函館には、東京からの便も札幌からの便も乗り入れます。函館-新函館北斗間にはトンネルがないので、フル規格新幹線でも問題はないようです。そして、函館に行くのは10両編成中、3両。残りの7両はそのまま札幌まで行きます。函館-札幌間の新幹線は、途中で分割併合することなく、そのまま直通します。

 コンサルタント会社の話によれば、それでも三線軌条化の工事は難しく、簡単にはいかないようですが、そもそも新幹線車両を7両と3両に分けてまで、函館に直通する必要があるのでしょうか? 函館に乗り入れる車両だけではなく、そのほかのE5系(もしくはその後継車両)も全て分割できる構造にしないといけません。先頭車が増える分定員が減りますので、その収入減も考慮しないといけません。そういうことを考えると、直通運転が必要なのは函館-札幌間で、東京からの新幹線は新函館北斗で乗り換えになっても仕方がないでしょう。新函館北斗でスムーズな乗り換えができればそれで十分です。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128282)

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