亀岡市が北陸新幹線を要望か?

 時計の針を逆に戻したかのような、日本維新の会の北陸新幹線延伸案。政治家に必要なのは、対立する利害を調整し、国民の利益のために実現させることなのです。何事も100%の案はできないのでありますから、そこそこのもので話をまとめるしかないのです。敦賀までの区間は地元のためにつくるものでありますが、敦賀から新大阪の間は、そういうものではありません。何らかの事情で東海道新幹線が使えなくなった場合のバックアップのひとつなのです。東海道新幹線のバックアップならそれにほぼ並行するリニアのほうが望ましいかもしれませんが、まだ部分的にも完成していなくて、最終的な完成には2060年代とも言われています。ですから、北陸新幹線も短期的にはともかく、最終的にはつくらないといけないのです。

 そんな中、候補として挙げられた8つのルートのうち2つが通る亀岡市は、亀岡市付近を通るルートを要望するようです。「小浜-京都ルート」に決まる前、北陸新幹線は小浜と亀岡を通るルートが想定されていました。敦賀から小浜、亀岡、新大阪と通ります。もうひとつは舞鶴に寄る案で、敦賀、小浜、舞鶴、亀岡、新大阪と通ります。どちらにしても京都市は通らないので、駅は亀岡市付近にできることになります。

 舞鶴を通ると遠回りになるのでそれはともかく、亀岡経由で利害関係者の理解が得られるのなら、それが良いでしょう。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20260105-TLF5QAEJURM2LO2TCMBNLZTDOQ/)

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北海道新幹線の事業費が約1.5倍に

 現在、建設が進められているのは北海道新幹線新函館北斗-札幌間のみ。元々は2030年度末に開業する予定でしたが、軟弱地盤や巨大な岩塊などのため工事が進まず、2038年度以降となっています。そして、8年も遅くなったことに伴い、かかる事業費も増えます。

 これまで、北海道新幹線新函館北斗-札幌間の事業費は約2.3兆円とされてきましたが、見直しの結果(2038年度末ごろに開業することを前提としています)、最大で約1.5倍の約3.5兆円になります。なぜここまで増えたのかと言えば、資材価格などの上昇による影響が5000~5500億円、岩塊撤去などの予期せぬ自然条件への対応が2000~2500億円、労働時間規制に伴う工期の長期化への対応が1000~1500億円などです。

 これまで道路に比べて少なすぎる予算で細々とつくってきたのですから、事業費が増えるのも仕方がありません。本来ならとっくにできあがっているものです。こうなってしまった以上、後は適切な貸付料を取ることを含めて何らかの方法で予算を確保してつくっていくだけです。整備新幹線はこれまでも一定の成果を挙げてきたものですし、函館-札幌間はスピードでほかの交通機関を圧倒しますので、確実に需要が見込めます。東京-札幌間は依然として航空機がメインであり続けるでしょうが、そもそものパイが大きいので、少しでも取ればいいのです。特に大雪のときは「新幹線があって良かった」と思うことでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASTDM3DZRTDMULFA02KM.html)

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整備新幹線はできてから31年目以降も価値がある

 整備新幹線は建設費が巨額になりますので、民間会社のJRではペイすることができません。しかし、社会的にはその効果は大きいものとなりますので、税金で建設して、その後JRに線路使用料というかたちで費用を請求します。線路使用料は30年間支払います。

 整備新幹線で一番最初に開業したのは、北陸新幹線高崎-長野間。1997年に開業しましたので、あと2年で開業から30年が経過するということになります。横軽から列車が消えてもう30年が経過するのです。問題はその後の線路使用料をどうするのかということ。今のところルールが決まっていないので、利害関係者を交えて有識者による会議が行われています。当然、支払う側のJRとしては、支払う金額が低いほうがいいですから、逆に期間の延長や値上げを求める国に対して反発しています。

 支払金額を下げたいJRの立場もわかりますし、駅ビルなど関連事業の利益からもお金を取るのは行き過ぎですが、整備新幹線の価値は30年経つと消えてしまうものでしょうか? 開業から30年経っても整備新幹線は絶大なる価値を持っています。今のところは想定よりも儲かっている区間が多く、整備新幹線が伸びると、既存の区間の利益も増えます。敦賀まで開業した北陸新幹線はともかく(新大阪まで開業しても、軽井沢や長野からならともかく、東京から乗り通すのはあまりいないでしょう)、北海道新幹線の場合、札幌まで開業すれば東北新幹線の利用者も増え、JR東日本の利益にもなります。むしろ、線路使用料はその受益に応じて高くなるのが道理と言えます。高速道路や航空機に対抗するためでは在来線の特急では話にならず、新幹線でないと移ってくれません。そういう意味では整備新幹線の建設には積極的になるべきであり、枝線の西九州新幹線はともかく、北海道新幹線や北陸新幹線は全線フル規格で完成させないといけません。

 建設費や利息を全て線路使用料でカバーできるように算定しているのならともかく(30年で建設費を返すことができるのなら、銀行からの借り入れでつくっています)、線路使用料はあくまでもJRの受益の範囲内で設定されるものです。つまり、30年経っても整備新幹線は国のものです。整備新幹線をJRが買い取るならともかく、そうでない限りは今後もそれなりの線路使用料は支払わないといけないでしょう。
(参考:FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/974338、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC099DX0Z01C25A2000000/?msockid=14a30a4a6e7662f310461f4b6ffd6323、鉄道・運輸機構ホームページ https://www.jrtt.go.jp/corporate/public_relations/asset/202503_effect_pamphlet.pdf)

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北陸新幹線新大阪延伸に日本維新の会が8つの案

 後は敦賀-新大阪間だけつくればいいだけなのにも関わらず、まだ着工すら始まっていない北陸新幹線。「小浜-京都ルート」に決まったはずですが、様々な人がかき回し、話をややこしくしています。今回登場するのは、日本維新の会。その日本維新の会は、北陸新幹線敦賀-新大阪間のルートとして8つを挙げ、もう一度決め直そうとしています。

 8つのルートは次の通りです。(1)「小浜-京都ルート」(敦賀-小浜-京都-新大阪)、(2)「亀岡ルート」(敦賀-小浜-亀岡-新大阪)、(3)「米原ルート」(敦賀-米原、東海道新幹線に乗り入れ)、(4)「米原ルート」(敦賀-米原、新大阪方面へは乗り換え)、(5)「湖西ルート」(敦賀-京都、新設)、(6)「湖西ルート」(敦賀-京都、在来線活用つまり何もつくらない?)、(7)「舞鶴ルート」(敦賀-小浜-舞鶴-京都-新大阪)、(8)「舞鶴ルート」(敦賀-小浜-舞鶴-亀岡-新大阪) です。今までの議論で消えたルートも復活しています。

 参考にした朝日新聞では、新幹線に対して否定的に見ていますが、新幹線は開業すれば多くの人が使います。朝日新聞の記者も使います。便利になるから使うのであって、それは今までも証明されてきたとおりです。高速道路ができ、空港ができたのに、鉄道だけが明治時代のままでは、使われなくなるのは当たり前です。在来線の特急列車ぐらいのスピードだと車でも十分出せるので、都市間鉄道としての将来はないのです。それは多くの人の選択で証明されています。

 北陸新幹線で重要なのは、大阪に直結して、ミッシングリングを解消することです。本当は京都を経由したいところですが、強く反対しているので、京都を避けるルートになることはやむを得ません。ほかの関係者の理解を得られれば、京都の郊外に新幹線の駅をつくれば良いのです。ともかく必要なのは、北陸と関西を乗り換えなしに結ぶルートなのです。
(参考:朝日新聞12月7日朝刊 中部14版)

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リニア、飯田-名古屋間の先行開業は行わず

 品川-名古屋間でさえ開業が2034年以降とされているリニア中央新幹線。新大阪までの全線開業ならもっと遅くなります

 そんなとき出てくるのが、難工事の静岡あたりを飛ばして、一部分だけを先行開業させる案。少しでも実際に開業すれば、試験段階では得ることのできなかった、様々な問題点を手に入れることができます。実験では手に入れることができない、貴重なデータです。

 今回話に上がっているのが、飯田-名古屋間。しかし、これも実現せずに消えてしまうようです。というのも、JR東海が反対しているからです。部分開業させることによって、先行開業に伴う作業が増える分、品川-名古屋間の開業が遅れしまうからです。

 ということで、今回も部分開業の話は消えてしまいそうです。ただ、品川-名古屋間と言えども所詮は部分開業に過ぎないので、一気に開業できないのなら先行開業を考えても良いのではないかと思います。リニアは今までにないものですから、一部分のみ開業をすることによって問題を潰すことができるというメリットがあります。
(参考:信州毎日新聞デジタル https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2025101601033)

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リニアの建設費、4兆円増えて11兆円に

 品川と名古屋の間を7兆円かけてつくるリニア中央新幹線。この工事費が増えることになりました。4兆円増えて11兆円になります。リニアの建設費は4年前にも1.5兆円増えましたが、今回の増加額はそれ以上です。2回の見直しで工事費が5.5兆円から11兆円に倍増したのです。リニアは基本的には国等に頼らず、JR東海が自前でつくるものですが、倍に増えても大丈夫なのでしょうか? これについてJR東海は、今の水準の売上が続くなら、借り入れの金額を増やすことによって対応できるとのことです。配当もちゃんと出せるとのことです。

 増加額の主な内訳は、物価高騰の影響で2.3兆円、難工事への対応で1.2兆円です。また、今回の工事費の算定において、品川-名古屋間は2035年に開業するとしていますが、これはそのような見込みが立ったわけではありません。工事費の試算のための前提で、今後さらに遅れる可能性もあります。まだ静岡県内の着工ができていないのですから。

 そして、工事費が増えたからでしょうか、リニアの料金について、値上げの話もあります。これまでJR東海は、品川-名古屋間のリニアの料金を「のぞみ」の700円増しとしてきました。これについても変わるかもしれません。圧倒的なスピードとサービスを考慮に入れて、料金を設定するとのことです。具体的な金額はわかりませんが、リニアの料金はこれまでの想定より高くなることもあると考えておいたほうが良いでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASTBY1VP4TBYOXIE01JM.html)

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大阪の乗客は北陸新幹線に何を望むのか?

 北陸新幹線が敦賀まで延びた現状において、期待されるのは新大阪までの全線開業。それなのに現状は、敦賀での上下移動を伴う面倒な乗り換えがあり、せっかくの新幹線の効果を損なってしまいます。これが残る区間の建設中であれば、一時の辛抱として納得できますが、沿線で内輪もめをしている段階では、それも期待できません。

 「小浜・京都ルート」での全線開業を望んでいる福井県は、9月6、7日に大阪で機運醸成のためのキャンペーンを行いました。その中で来場者にアンケートを行いました。早期全線開業を望むのは強弱の差はありますが9割いました。また福井県側が用意した新大阪への延伸で重視するポイントから優先順位をつけてもらったところ、乗り換えがないこと、速いこと、安いことを優先した人が多く、すぐ開業できることや建設費が安いことを優先した人は少なかったです。

 キャンペーンに参加して、アンケートに答えるのは、北陸新幹線に何らかの関心がある人ですから、統計としては正しいものではありません。ただ、新幹線に興味がある人にとっては、北陸新幹線を「小浜・京都ルート」ベースで完成させるのが望ましいでしょう。
(参考:福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2420617)

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リニアの座席はリクライニングせず

 品川と名古屋の間を最速40分で結ぶリニア中央新幹線。その座席はどのようになるのでしょうか?

 これまでの試験車両は、ほかの特急用車両と同様に、リクライニング機能をつけていました。しかし、最新の試験車両であるM10には、座席にリクライニング機能をつけていません。あらかじめ背もたれは15度倒れた状態になっていて、そのまま動かないのです。JR東海としては、リニア中央新幹線は品川と名古屋を40分で結ぶので、リクライニングがなくても問題ないと判断したようです。

 リクライニング機能をなくすと座席の構造が簡単になり、背もたれも薄くできます。そのことにより、乗客が座席の前にスーツケースなど大きな荷物を置くことができます(荷物棚が少ないので、座席の前に置かないといけないのです)。座席そのものは現在の東海道新幹線車両より柔らかく、15度倒すことにより、背中から座席にかかる体重が均等に分散され、快適に過ごすことができます。

 とは言っても、リクライニング機能があったほうが快適なはず。それはJR東海もわかっているはずですが、それでも座席からリクライニング機能をなくすのは、座席が軽くなり、超高速で走らせる上で有利になるからでしょうか?
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20250930-SGW27FXBR5NE5KL7D6NTWPZ3BQ/、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/e56a0512f0290ebbc9616b9c7ba6f0848641e794)

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JR九州、国交省に佐賀県の負担軽減を要請へ

 昨日の記事で書いた、地元負担軽減策について書きます。

 西九州新幹線でもうひとつネックになっているのが、地元負担の問題。県庁所在地の佐賀市なら福岡市まで近いので、在来線特急で十分です。視点が佐賀県の立場ではなく、(福岡のベッドタウンとしての)佐賀市の立場になっているという指摘はともかく、佐賀県は新幹線建設に伴う地元負担を渋っています。正論から言えば、佐賀にも新幹線の駅ができるので、メリットがないとは言えません。地元が負担すべきと言えばそれまでですが、それで話がまとまらなければ、意味がありません。

 そこでJR九州は、古宮社長自らが水嶋国交省事務次官に面会し、佐賀県の地元負担の軽減を要請することにしました。JR九州が佐賀県の負担軽減を要請するのは異例のことです。現状のままでは途中の武雄温泉で乗り換えを迫られる、中途半端な新幹線になってしまいます。武雄温泉と長崎の間だけでは、何のためのフル規格新幹線かわかりません。

 結果どうなるかはわかりませんが、JR九州としては、何とかして全線フル規格にしたいのでしょう。現在の西九州新幹線が中途半端であることは事実ですから、フル規格新幹線で整備されることは望ましいことです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/7ead51d262e41d076bf745a6c1a5194560509873)

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西九州新幹線、新幹線と在来線特急の両立はできる?

 在来線特急がたくさん通るところに新幹線はできますが、新幹線ができたら在来線特急は消えてしまいます。開業からしばらくの間は残ったとしても利用されず、消えてしまうのです。九州新幹線のときも通勤特急として「有明」が走っていましたが、消えてしまいました

 西九州新幹線の場合はどうでしょうか? 常識的に考えると完全に新幹線と並行する「リレーかもめ」や「みどり」は消えます。「かささぎ」は通勤特急としてしばらくは残るでしょうが、佐賀の利用客も新幹線に移り、しばらくすると消えるでしょう。JR九州もそのような見解でした。

 ところが、その見解は変わったようです。たとえフル規格で佐賀駅を通るルートを通ったとしても、在来線特急は残るとの見解を示しています。完全に新幹線と並行する「みどり」についても、ある程度は残るようです。

 もちろん、地元にとっては懸念している並行在来線の利便性が低下しないようになればありがたい話でしょうが、それでもJR九州としては採算がとれる話なのでしょうか? そして、地元負担軽減策については、別記事で書きます。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250927-OYTNT50006/)

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