新しい「青春18きっぷ」を持って(1)
みなさんも御存じの通り、「青春18きっぷ」の制度が変わり、自動改札機を通ることができるようになったものの、3日間あるいは5日間連続で使わないといけないようになった。また、3日間用が新たにできたものの、1万円と割高になっている。今までよりは使いにくくなっているのは確かだが、それでも普通に乗車券を買うよりかはお得だ。「青春18きっぷ」を残すためにも、使っていかなければならないだろう。そこで11日に新しくなった「青春18きっぷ」を使って出かけることにした。切符は前日のうちに千種の自動券売機で買っている。何枚か紙が出たが、肝心の切符は自動改札機対応の1枚のみ。後は注意書きと領収書、クレジットカードの明細である。
金山6:47発の新快速で東に向かう。終点の豊橋で乗り換え。豊橋7:48発の浜松行きは373系の6両編成だった(実は後になって、過去にもこの列車に乗ったことがあったことを思い出した)。隣に空いている席を見つけて座る。座れば快適だ。特急用の座席に運賃だけで乗ることができるのだから。豊橋から乗った客はそのまま浜松まで行くわけではない。沿線の工場への通勤なのか、途中で降りる。豊橋から2駅先の新所原からは静岡県なので、通学の高校生の乗り降りが見られる。通勤客も乗ってくるが、通路に立つ人はいない。浜松からは8:35発の興津行き。313系と211系が2両ずつつながった4両編成である。引退の近い211系のほうに乗ることにした。この興津行きの普通列車、島田あたりから客が乗ってくる。焼津になると立つ人も見られる。静岡のひとつ手前、安倍川で降りる。
安倍川からは事前に調べた通り、西のほうに向かって歩く。しばらくすると旧東海道になった。北側には国道1号線が並行して走っている。そのまま歩くと丸子宿に入る。丸子宿は東海道の小さな宿場町。そして丸子宿の名物はとろろ汁。このとろろ汁を食べようと歩いてきたのだ。バスでも行くことができるが、江戸時代の旅人の気分を味わいたかったので、歩くことにしたのである。店は江戸時代にタイムスリップしたかのような、かやぶきの建物。静岡県で現存する、もっとも古い飲食店らしい。駅から歩いて40分ほどで着いたので、11時の開店まで待つ。だんだん人が増えてきた。時間になり、店の中に案内された。店内は一気に埋まる。名物のとろろ汁を注文。しばらくしてとろろ汁が運ばれてきた。おひつに入った麦めし、とろろ汁、味噌汁、漬物のシンプルなセットだが、結構お腹いっぱいになった。もっとも江戸時代の旅人はファーストフード感覚で素早く食べたと思われるが。帰りは店の北側に新静岡バスターミナルまで直通するバス停があるので、それに乗る。バスは静岡と藤枝を結ぶもので、日中でも30分間隔で走っている。丸子橋から乗ったバスは35分ほどで新静岡バスターミナルに着いた。
新静岡バスターミナルは、ショッピングセンターの中にある。そして、静岡鉄道の新静岡もこの中にある。静岡鉄道は新静岡と新清水を結ぶ11キロの鉄道。日中でも8分間隔で走っている。2両編成の列車は、列車ごとに色が違い、乗ったのは緑。お茶の色だ。13:08発の新清水行きは発車した。静岡鉄道の売りは駅がたくさんあること。途中13駅に停まるので、駅と駅の間隔は平均800メートル。すぐに次の駅に停まる。また、駅はコンパクトで、スロープか少しの階段で乗り降りすることができる駅も多い。駅には自動改札機があり、交通系ICカードで支払うことができる。車両は高床式で路面電車規格ではないが、気軽に乗ることができるのは、半分路面電車みたいなものだ。25分弱で新清水に到着。JRの駅と離れているので、駅の案内図を見て、清水に行く。10分もかからずに着いた。
清水からは再び東海道線に乗り、今度は吉原へ。ここで乗るのは岳南電車。駅の西側に岳南電車への連絡通路があり、そこで岳南電車の切符を買う。硬券であった。列車の接続は良く、乗るとすぐに発車。列車は1両だけで、元々は京王の車両。10人ほどが乗っている。岳南電車は工場の中を走る。かつては貨物輸送も盛んに行ってきた鉄道なのだ。岳南電車は次の駅、ジヤトコ前までは距離があるが、その後はこまめに停まる。早速2つ目の駅、本吉原で半分程度が降りた。その後も減る傾向にあり、終点の岳南江尾で降りたのは私を含めて2人だった。硬券はもらうことができた。折り返しは10分ほど後に発車する。そのまま折り返しに乗ってもよかったが、ふと駅の案内を見ると、南に2.5キロほど歩けば、東田子の浦に着く。試してみることにした。駅から少し歩くと、田んぼの中を南にまっすぐ伸びる道がある。ここを歩けばよい。ただ歩道はなく、道がまっすぐなので、車は飛ばす。車には注意が必要である。30分ほどで、東田子の浦に到着。予定通りの列車に乗ることができた。
東田子の浦からはまっすぐ帰るのみ。東田子の浦15:25発の島田行きに乗る。313系と315系がつないであったので、315系のほうに乗る。この列車、静岡でかなり停まるので、ホームに停まっている浜松行きに乗り換えると良い。浜松行きは帰宅の高校生などで混んでいたが、何駅かすると空いてくる。その後の浜松、豊橋の乗り換えもスムーズ。乗り換えたらすぐに発車する。浜松からのも最初は座ることができなかったが、途中で座ることができた。ただこちらは途中から乗るのも多く、豊橋まで乗り通すのも多い。島田あたりで空く静岡とは大違いだ。浜松の静岡県内における微妙な立場が伺える。(続く)
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