中国地方のローカル線に乗る2023(3)

 三次5:27発の始発に乗って広島に行く。キハ40の2両編成で、ワンマンではない。駅を出てしばらくは夜明け前で真っ暗だったが、だんだん明るくなってきた。最初はガラガラだった車内も徐々に増えていく。特に下深川を過ぎると客はさらに増えた。利用者のいる路線なら、227系のディーゼルカーバージョンが欲しいところだ。

 広島から山陽線で瀬野に行き、2024年4月に廃止されるスカイレールに乗る。ロープウェーのゴンドラみたいなものに乗るスカイレールは鉄道の一種だが、ここにしかないもの。急カーブや急勾配にも強いのが特徴だが、ほかの路線に広がらず、結果として採算が取れなくなったのだろう。スカイレールは交通系ICカードは使えず、券売機で切符を買う。切符にはQRコードが載っていて、それを改札機に読み取らせる。5分ほどで終点のみどり中央に到着。均一運賃のため、出口に改札はなく、切符回収用の箱があるだけ。駅を出ても住宅街しかないので、すぐに戻る。次の山陽線は白市行きなので、途中新たにできた寺家でいったん降り、後続の糸崎行きに乗る。

 糸崎で相生行きに乗り換え。広島から糸崎まで乗った列車は全て227系だったが、ここからは黄色の115系になる。福山で福塩線に乗り換えて、昨日乗っていなかった、神辺までの区間に乗る。神辺で待っても当分列車が来ないので、時刻表を見て、上戸手まで行く。すれ違うのは上戸手のひとつ先の新市なので、ここまで行っても同じ列車なのだ。福山で再び山陽線に乗り換え、岡山へ。

 ちょうど12時を過ぎたところなので、弁当(「桃太郎の祭ずし」)を買って赤穂線に乗る。岡山12:24発の播州赤穂行きだ。しばらく経って車内が空いてきたら食べようと思っていたが、なかなか空かない。弁当は途中で食べたが、伊部で「備前焼まつり」があり、それに行く人が乗っていたのだ。

 今日はずっと乗ってばかりなので、途中下車することにしよう。播州赤穂で降りて、お城を目指す。赤穂城は最初から天守閣はなく、天守台という展望台みたいなものしかなかったようだ。城には天守閣が必ずあるものかと思っていたので、意外な発見だ。赤穂と言えば忠臣蔵。忠臣蔵ゆかりのお寺や神社、博物館も回って、駅で見た小さなチラシの通り、2時間半で駅に戻る。

 予定より少し早く赤穂観光を終えたので、和田岬線に乗りに行くことにする。和田岬線の分岐駅、兵庫には新快速は停まらないので、明石で快速に乗り換える。そうして兵庫まで来たのだが、雨が降っていて、17時半の時点ですでに真っ暗。また明るいときに乗り直す必要があるが、せっかくここまで来たのだから一往復することにする。和田岬線はひと駅だけの支線なので和田岬には改札がなく、兵庫に和田岬の改札がある。その改札を通って、和田岬線に乗る。夕方の暗い時間に和田岬に行く人はまずいない。和田岬線専用の207系6両編成はガラガラで、ポスターの類は全くない。結構不気味だ。4分で和田岬に到着。ただ帰りは違う。土曜でも動いている工場があるようで、確実に座ることはできるが、ある程度の客は乗っている。和田岬線のダイヤは平日、土曜、日祝の3種類あって、土曜は平日よりは少ないものの、日祝のような2往復だけという極端なものではないのだ。和田岬線に乗るときには参考にされたい。

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中国地方のローカル線に乗る2023(0)

 10月13日と14日の2日間、中国地方のローカル線に乗ってきました。

 明日から何回かに分けて、そのときの様子を書いていきます。

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うめきたに行ってきました(2)

 樟葉で降りる。樟葉には駅前にショッピングモールがあり、その中に展示されているのが、「テレビカー」の旧3000系など。この春からは5扉車の5000系も加わった。それを見に行ったのである。3000系は車内に入ることもできる(座席に座ることはできない)。じっくりと見ることができた。再び樟葉に戻り、また特急に乗る。樟葉までと同じ8000系だが、今度は2階建て車両の1階に座ることができた。駅を通過したり、ほかの列車とすれ違ったりすると、低い位置にいることがよくわかる。中書島からは宇治線に乗り換え、六地蔵へ。

 六地蔵から醍醐寺を経て山科まで行くバスは時刻表にも載っているが、20分間隔で走っている。次のバスまで少し時間があるので、JRの駅まで行って、「ICOCA」のチャージをしておく。バス停は駅から若干離れたところにあるが、十分間に合った。バスがやって来た。バスは狭い道を走り、10分ほどで醍醐寺前に到着。醍醐寺は9世紀につくられた歴史ある寺院で、豊臣秀吉が花見をしたことでも知られている。ほかの京都の寺院と一緒に世界遺産にも指定されている。西大門から入ると、木が少なく、何か殺風景のような気がする。5年ほど前の台風で木が倒されたのだ。

 帰りは京都駅八条口まで直通するバスに乗る。醍醐寺前まで乗ったのと同じ京阪バスだが、こちらは座席の数が多く、シートベルトもついている。最初は乗っている人が少なかったが、途中から高校生などが乗ってくる。高速バスではないので、普通のバスと同じように短距離でも利用できる。それにしてもこのバス、狭い道を走る。とても京都駅八条口に直通するバスとは思えない。ところがこのバス、いきなりトンネルに入っていく。かなりの長さのトンネルだ。無料だが、自動車専用道路のこのトンネルを通ることによって、京都駅八条口と醍醐寺との間を30分ほどで結んでいるのだ。

 ただ、当初の予定よりも早く進んでいる。そこで途中でバスを降りて、京都市交通局の地下鉄に乗ることにした。乗るのは東西線。十条から烏丸御池まで烏丸線に乗り(新型ではなかった)、そこから六地蔵まで東西線に乗るのだ。駅員に大体の所要時間を聞いて出発。烏丸御池の乗り換えはスムーズだったが、結構距離があり、40分ほどかかった。六地蔵からは複線化が完了した奈良線で。六地蔵17:00発は元阪和線の205系1000番台であった。六地蔵を出た時点では座れなくても立つスペースは十分にあったが、稲荷と東福寺でたくさん乗ってきて、ラッシュ時並みの混雑に。伏見稲荷は外国人に人気だし、東福寺は京阪との乗り換え駅だが、ここまで混むとは思っていなかった。京都17:27発の急行で南に向かう。

 このまま急行で帰るとかなり遅くなるので、大和八木から伊勢中川までの間は特急に乗る。「ビスタカー」なので、京阪と違って2階から見下ろす格好になる。特急なので晩の弁当も食べることができると思ったが、ちょうどいいものはなかった。伊勢中川からは再び急行に乗るのだが、名古屋線には珍しくオールロングシートの急行だった。
(参考:醍醐寺でもらったパンフレット)

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うめきたに行ってきました(0)

 16日のことですが、3月18日にできたうめきたの大阪に行ってきました。その時の様子を明日から2回に分けて書きます。

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「WEST EXPRESS 銀河」と熊野のトロッコに乗る(2)

 通路が明るくなった。アナウンスがあり、間もなく串本到着とのこと。携帯の万歩計を見ると、どうやら途中で2時間近く停まっていたようだ。時間調整のため、乗務員交代を行う紀伊田辺で停まっていたのだろうか? 串本では橋杭岩の観光を行う。観光バスに乗り、橋杭岩に行く。現地ではジオパークのガイドが橋杭岩の説明をしてくれる。杭みたいに見えるのは、マグマの固まったもので、だんだん崩れて今のようなかたちになったのである。伝説では空海が一晩でつくろうとしていた橋脚とも言われている。ちょうど日の出のころで、大島から出る朝日を眺める。再びバスで駅に戻り、車内で朝食の弁当を受け取る。漁師の朝御飯がコンセプトで、鯛めしがメインとなっている。3号車のリクライニングシートではむしろ机が遠くて食べづらいので、隣の4号車の「遊星」で食べる。食べている途中、串本から3駅目の紀伊田原で停まる。運転停車だが、ここで後から出た普通に抜かれる。「WEST EXPRESS 銀河」は料金設定上、特急扱い。いくら急がない列車とは言え、普通に抜かれるとは異例だ。最後の停車駅、紀伊勝浦を出てから、車内の散歩に出かける。2号車は女性専用車で入ることができないので(リクライニングシートと「クシェット」から成り立っている。「クシェット」の説明は後で行う。なお、1号車はグリーン車で、かつての開放式A寝台みたいな構造になっている)、6号車のほうに行く。3号車はリクライニングシートとグループ用の「ファミリーキャビン」、4号車がフリースペースの「遊星」で、5号車が先ほども触れた「クシェット」、2段式のB寝台みたいな構造で、完全に横になることができる。これも座席扱いなので、「ノビノビ座席」と言ったほうが正確か。6号車がグリーン個室で、運転席の近くに「彗星」という小さなフリースペースがある。

 「WEST EXPRESS 銀河」は終点、新宮に到着した。徐福茶の振る舞いがあり、地元の物産の販売所ができている。買い物をしている人もいた。私が次に目指すのは、熊野の山奥のトロッコで行く温泉だが、それに乗るには熊野市からコミュニティバスに乗る必要がある。本来ならJRで行けばいいのだが、ちょうどいいのがない。しかし、熊野市までなら並行して走る路線バスがある。三重交通のバスで1時間に1本程度ある。これに乗ることにした。駅の向かいの観光協会と同居している建物の前から出発。基本的に国道42号線を走る。バスの乗客は5人。県境の熊野川を渡ったところで1人降りたが、それ以外はあまり動きがない。JRがない時間帯なので、長距離輸送も担っているようだ。

 先ほども書いた通り、温泉に行くには、熊野市からコミュニティバスに乗ればよい。そのバスは11:25に出るので、少し時間がある。駅前の土産物屋で下調べをしておく。 駅前のバス停で待つが、時間になってもバスが来ない。よく見ると、ロータリーの反対側にバスが停まっていた。あわてて走り、何とか間に合う。バスは三重交通の小型のバスだった。バスは山間部に入っていき、路面にも雪が積もっている。とても南紀とは思えない。バスに乗って50分余り、ようやくトロッコ乗り場のある瀞流荘に着いた。先ほども書いたようにバスは三重交通のもので、交通系ICカードの読み取り機もあるが、コミュニティバスの扱いなので使えないようだ。

 乗り場には駅舎があるが切符売り場がなく、切符は近くの瀞流荘で買わないといけない。トロッコとトロッコで行ったところにある湯ノ口温泉の入浴券とのセットを買う。時間に余裕があれば、瀞流荘での食事や入浴もしたかったが、バスやトロッコの時間が合わないので、それは止めた。トロッコは1日6往復で、次は13:00発。元々このあたりに鉱山があり、その輸送手段としてつくられたのがトロッコである。そのため機関車はバッテリーで動くようになっており、後ろに5両の客車をつないでいる。線路の幅は狭く(610ミリか?)、客車は腰を曲げないと入ることはできない。時間になり、発車した。線路の状態は悪く、ガタガタと揺れる。音もかなりうるさい。観光施設としての存在で、トロッコに乗るのが目的なので許されるものだろう。トロッコの軌道はほぼトンネルの中。10分で湯ノ口温泉に着いた。このトロッコが再び瀞流荘に戻るまでの1時間の間に、温泉に入る。湯ノ口温泉は歴史ある温泉で、瀞流荘にもお湯を供給しているようだ。予定通りのトロッコとバスに乗って、熊野市に戻る。

 熊野市から名古屋には、三重交通の高速バスで戻る。切符は事前にインターネットで予約し、パソコンに送られてくるメールを携帯電話に転送すればよい。駅から少し離れたバス停で待つ。新宮方面からバスがやってきた。ところが、バスには誰も乗っていない。どうやら客は私ひとりのようだ。熊野市から尾鷲の間は無料の高速に乗る。尾鷲市病院前で6人乗ってきて(最終的には乗客は10人になった)、ようやくひとりだけの状態ではなくなる。この高速バスは急行なので海山からずっと高速道路を走るのだが、道路の工事を行うとのことで次のインターチェンジで下ろされ、並行して走る国道に迂回することになる。そのため定刻から若干遅れて、終点の名鉄バスセンターに着いた。

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「WEST EXPRESS 銀河」と熊野のトロッコに乗る(1)

 国鉄時代、京阪神の輸送は私鉄が圧倒し、長距離輸送中心の国鉄は持てる力を発揮することができなかった。しかし、全国どこでも同じような車両を走らせてきた国鉄が、新快速用の車両をつくった。2扉転換クロスシートの117系だ。これまでほとんどなかった座席配置の車両で、沿線の人気者となった。その後、分割民営化により京阪神の鉄道を引き継いだJR西日本は、この117系の後継車両として、221系、223系、225系といった転換クロスシートの車両を次々と生み出し、私鉄王国の関西で逆に勝利を収めるほどとなった。

 さて、117系はと言えば、後継車両の登場によって京阪神の新快速から追われ、中には関西からも出て中国地方で働くものもいたが、さすがにデビューから40年以上が経過し、数は減っている。そんな中、JR西日本が117系を改造してつくったのが、「WEST EXPRESS 銀河」。夜行にも使うことができるようになっていて、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に手を出すのは無理でも、「WEST EXPRESS 銀河」なら手を出すことができるぐらいの価格設定となっている。「WEST EXPRESS 銀河」はこれまで現地でのホテル宿泊とセットになったプランしかなかったが、ようやく片道だけ乗るタイプのツアーが発売されるようになったので(ただし、リクライニングシートしか利用できない。なお、2月からは全ての席が普通の列車と同じように「みどりの窓口」で購入することができるようになるが、そのころは仕事が忙しくなるので、それまで待つこともできない)、申し込むことにした。電話で申し込み、代金は申し込み時にクレジットカードの番号を伝えたら、引き落とされていた。その後、自宅に切符やパンフレットが送られてきて、当日それを持って行くこととなる。

 「WEST EXPRESS 銀河」は天王寺から乗ることにしたので、近鉄で行く。最初は急行に乗っていたが(名古屋線の急行としては珍しく、オールロングシートの急行だった)、津からは「ひのとり」に乗る。コンビニで買った夕食の弁当(コンビニの中でつくっている)も、「ひのとり」の車内で食べる。今回はレギュラーシートに乗ったが、金曜日の夕方ということもあって、よく乗っていた(意外にも大和八木で降りる人が多く、隣に座っていた人も降りた)。

 鶴橋でJRに乗り換え。天王寺での集合場所は大和路線のホーム上。送られてきた乗車券は大阪市内発となっているので、鶴橋から使うことができる。乗車券は普通の長距離切符と同じく、自動改札機も通ることができる。ツアーなので遅れてはいけないと思い、集合場所の天王寺のホームには1時間ほど前に着いてしまった。集合時間は22:10なので、それまでの間、構内を歩いて、時間をつぶす。夜遅いので、和泉府中行きの普通とか、東岸和田行きの快速とか、珍しい列車を見ることができる。集合時間が近づいたので、大和路線ホームに行く。階段の下に係員が立っていたので、そこで検温する。検温が済んだら、発車時間までは自由だ。車内販売はないので、飲み物などは乗車前に購入するように言われる。ちなみに今日の「WEST EXPRESS 銀河」の乗客は44人、このうち天王寺から乗るのは5人だ。

 15番線に「WEST EXPRESS 銀河」がやってきた。車両は117系を改造したものだが、徹底的に改造されていて、先頭の顔と各車両の少し中ほどにある両開き扉ぐらいしか117系を感じさせるものはない。4号車から車内に入る。1両まるごとフリースペースになっている4号車で和歌山と串本での観光についてのパンフレットをもらい、指定された3号車のリクライニングシートに座る。リクライニングは4列シートだが、前後の間隔は広く、リクライニングの角度も大きい。毛布のサービスもある(ちなみに隣は乗ってこなかったので、隣も自由に使えることができた)。車内は暗いので、何かしたいときはフリースペースを使う。3号車にも小さいながらフリースペースはあり、「明星」と名付けられていた。かつてのブルートレインの名前だ。マークもブルートレイン時代のものをイメージしている。「WEST EXPRESS 銀河」は阪和線を走る。阪和線にはよく乗ったが、「WEST EXPRESS 銀河」から見る阪和線は違う。ダイヤを縫って走るためか、あまりスピードは出ない。

 1時間ほどで和歌山に到着。ここで約1時間20分停まる。ここでの楽しみは、和歌山ラーメン。駅を出てすぐのラーメン屋に行き、あらかじめ用意されていたテイクアウト用のラーメンを受け取る。外で食べても良いが、小雪が舞うほど寒かったので、4号車のフリースペース(「遊星」)で食べる。発車時刻の1:00になり、「WEST EXPRESS 銀河」は再び走り出す。車内は通路を含めて暗くなる。(続く)

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「WEST EXPRESS 銀河」と熊野のトロッコに乗る(0)

 1月27日から28日にかけて、「WEST EXPRESS 銀河」に乗ってきました。その時の様子を明日、2回に分けて書きます。

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大鳴門橋の下に自転車道

 淡路島と徳島とを結ぶ大鳴門橋は、もともと道路の下に新幹線が走る予定でした。しかし、残念なことに鉄道は開通せず(これができたら四国への鉄道がかなり便利になっていたでしょうが)、一部を渦潮観光の遊歩道として使っています。

 この鉄道部分ですが、以前にも書きましたが、自転車道として整備されることになりました。道路の真下に歩行者や自転車が通ることのできる幅4メートルの道をつくります。総事業費は58億円で、兵庫県と徳島県がほぼ半分ずつ負担します。

 本州四国連絡高速道路会社によれば、自転車道を整備しても重量の面での問題はないようです。渦潮観光の展望室があるところは道が狭いので、そこは自転車を押して歩くことになるようです。料金については未定です。

 この自転車道、早ければ2027年度に完成する見込みです。なお、大鳴門橋に新幹線を通すことになった場合は、自転車道は撤去されます。あくまでも暫定的な扱いなので、やむを得ないことでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQBS7531QBSPTLC00P.html、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20221102/8020016047.html)

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高野山麓のバスに乗る

 翌日の12日には、期間限定の「世界遺産アクセスバス」に乗ってきました。

 

 早朝の高野線を乗り継ぐ。橋本から乗った7:27発は転換クロスシートの2300系(2両編成)だった。極楽橋でケーブルカーに乗り換え。赤と黒のスタイリッシュなケーブルカーだ。内装は高野山をイメージした、和モダンと言ったところか。高野山からは南海りんかんバスで千手院橋へ。高野山の駅付近はバス専用道となっていて、歩くことすらできない。

 「世界遺産アクセスバス」は8:50発。観光バスみたいな車両を想像していたが、奥の院前方面からやってきたそのバスは、普通の路線バス。誰も乗っていなかったバスに、5人が乗り込む。この「世界遺産アクセスバス」だが、現金や交通系ICカードが使えるほか、お得な切符も売っている。車内でも買えるが、乗った千手院橋のあたりは道路が混んでいるので、しばらく進んで人や車が少なくなったところで切符を買うことができた。私が買ったのは、奥の院前から橋本駅前までの片道の切符。後戻りしない限り途中下車できるものだ。大門までは高野山内を走っている南海りんかんバスも利用することができる。普通に現金で払えば2500円以上するが、この切符は半額以下の1200円。単純に乗り通すだけでも充分元が取れる。 

 この「世界遺産アクセスバス」、橋本駅前まで直通せず、途中の丹生都比売神社前で乗り換え。次の橋本駅前行きは10:10発なので、40分後。丹生都比売神社に参拝することができるように、時間を取っているのだ。丹生都比売神社は世界遺産にもなっていて、高野山に詣でる前に参拝したところという。この「世界遺産アクセスバス」がなくても笠田駅前から丹生都比売神社前にはコミュニティバスが走っているが、高野山との間を結ぶバスは通常、走っていない。その意味でも丹生都比売神社に参拝するきっかけを与えてくれたこのバスは価値があるだろう。丹生都比売神社前から乗った2本目の「世界遺産アクセスバス」は、九度山駅下で下車。

 南海の駅は坂を上ったところにある。ここの上りホームにあるのが、おむすびスタンドの「くど」。おにぎりやおにぎりを中心とした弁当を販売しているところだ。少し昼には早いが、次の列車まで時間があるので、ここで「おむすびべんとう」を買ってお昼にする。ホーム上にはイートインスペースもあり、買った弁当をすぐに食べることができる。弁当を食べ終わったとき、ふと店を見てみると、行列ができていた。次の列車がやって来た。2300系車両だが、2本つないで4両編成になっていた。

 橋本での高野線の接続は良くない。1時間に2本あるのに、20分以上待たされる。同じ鉄道会社の路線とは思えない。それならわざわざ難波まで行く必要はない。そこで選んだのが、和歌山線に乗り、吉野口で近鉄に乗り換えるルート。吉野口の接続は3分しかなく、ちゃんと接続できるか心配なほどだ。もちろん、接続はちゃんと取っていて、無事に乗り換えることができた。吉野線の電車は少し前まで大阪阿部野橋への急行ばかりだったが、ダイヤの見直しがなされて、2両編成の普通列車になっていた。ただ、橿原神宮前で急行との接続は取っているので、そのあたりの配慮はなされている。

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「あをによし」と宇治に遊ぶ(2)

 宇治で降り、いったんJRの駅に行き、貯まっていた「ICOCA」のポイントをチャージする。その後、修学旅行の生徒などで賑わっている土産物街を通って、平等院に行く。入口で600円払って中に入るが、中にももうひとつ窓口がある。追加で300円を払えば、ガイドの案内で鳳凰堂の中に入ることができるとのこと。せっかくなので、境内をぐるっと回ってから300円を追加払いして、鳳凰堂にも入る。14:30の回で、5分前までに窓口の前にいればよいとのこと。時間が来て、ガイドの案内で鳳凰堂に入る。遠いところから外観だけを見るのとは違って、詳しい解説もしてくれる。

  宇治は「源氏物語」の最後の部分の舞台にもなったところ。宇治川を渡り、宇治上神社を通り抜けたところに「源氏物語ミュージアム」がある。そこにも寄って、「源氏物語」の世界にも浸る。平等院のあたりとは違って、ここまで足を運ぶ人は意外と少なく、静かだ。周りは住宅地で土産物屋はない。平等院への参道に行かないと、おみやげは買えない。

  帰りは高速バス。宇治から藤森に行くと、頭上に高速道路が走っている。駅から西のほう、近鉄や地下鉄の竹田との真ん中あたりに、高速バスのバス停、京都深草がある。公園の中に階段があり、そこを上っていくと、高速道路上のバス停だ。色々な行き先のバスが停まり、何人かバス停で待っている。

  予約していたジェイアール東海バスの名鉄バスセンター行きのバスは京都深草17:15発だったが、時間になっても来ない。どうやら高速道路に入るまでの間に渋滞に巻き込まれたようで、数分遅れでやってきた。事前にインターネットで予約していたため、切符ではなく、プリントアウトした紙を見せる。紙にはQRコードが印刷されていて、運転士はそれを確認するのだ。隣にはすでに座っている人がいたが、ここから先は予約している人がいないので、ほかの席に移ってもよいというアナウンスがあり、隣の人は後ろに移っていった。

  このバスは名神経由で、途中いくつかのバス停に停まる。途中でも乗り降りでき、今の高速バスでは珍しい形態だ。事実、途中の百済寺で降りる人もいた。琵琶湖線から離れているので、途中こまめに停まるバスはありがたい存在なのだろう。結局、バスは遅れを取り戻さないまま、JR名古屋駅新幹線口に着いた。

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