ドイツ、期間限定だが1200円で全国乗り放題に

 6月から3か月間だけの期間限定の話ですが、ドイツ国内の電車やバスなどの公共交通機関が9ユーロ(約1200円)で1か月間乗り放題になります。各事業者が紙やネットで販売するチケットを買えば、誰でもドイツ国内全ての地下鉄、鉄道、バスなどを利用することができます。ICEなどの高速列車は対象外ですが、普通列車を乗り継いでいけば、遠くまで行くことができます。

 なぜ期間限定とは言え、月たったの1200円で乗り放題にするのかと言えば、エネルギー価格の高騰に対応するため。車を使っている人を鉄道など公共交通機関に移行させることにより、気候変動対策にもつながります。交通機関の減収分の穴埋めとして、ドイツ連邦政府は、25億ユーロ(約3370億円)を各州に拠出します。

 日本ではガソリンが高騰したため、ガソリンに補助金を出して、ガソリンの価格を抑えています。経済の原則に委ねてガソリンが上がるのなら、鉄道を使おうとする人がいるかも知れませんが、その動きを補助金というかたちで抑えています。車を余計に使うので、環境にも悪いです。ガソリンに補助金を使うぐらいなら鉄道やバスなどの公共交通機関にお金を出したほうが賢明です。公共交通機関の利用者が増えれば、鉄道会社等の収支は改善し、増えた利用者に対応するために増発されることにより便利になり、さらに利用者は増えます。いい方向に循環するのです。そして、熊本のバスの事例でも明らかなように、その費用は意外と安いです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20220521/k00/00m/030/177000c)

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オーストリアで寝台車を増備

 オーストリア連邦鉄道が運行する夜行列車「ナイトジェット」は好調のようです。寝台車を増備していますが、今後も新規路線の開設が行われ、寝台車は不足する見込みです。また、現在使用しているクシェット(簡易寝台車)の中には、1960年代や1970年代に製造されたものがあり、老朽化が進んでいます。

 そこでオーストリア連邦鉄道は、バリアフリーに対応できないことから余っていた2等座席車を改造して、クシェットにすることにしました。22両を改造してつくる予定で、1両には7つのコンパートメントと1つの車椅子用コンパートメントができます。電子カードキーも採用され(クシェットと言いながら個室にもなるのでしょうか?)、Wi-Fi、コンセント、USBポートもあります。最高速度は時速200キロで、オーストリアのほか、ドイツとスイスでも走行することができます。改造されてできたクシェットは、2021年12月からすでに走っています。
(参考:「鉄道ジャーナル」2022年1月号 鉄道ジャーナル社

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サウジアラビアの女子大構内に鉄道

 世界最大の女子大は、サウジアラビアのプリンセス・ヌーラ大学と言われています。面積は1300万平方メートル(13平方キロメートル)、東京ドーム278個分の広さです。学生は6万人います。ちなみに国営大学なので、授業料はもちろん、住居も無料のようです。

 この巨大な大学構内の交通手段は鉄道。電気で動く鉄道は二酸化炭素の排出量が少なく、持続可能な交通手段だからです。日立が2011年に完成し、4つの高架路線があり、11.5キロの間に14駅があります。自動運転の電車は2両編成で110人が乗ることができ、最高速度60キロで走ります。

 大学構内の移動で自転車を使うというのはよく聞きますが、バスではなく鉄道を使うというのは驚きです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/114669)

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カナダでも指さし確認

 日本の鉄道では、指で指して大きな声を出して確認する、指さし確認というものを行っています。外国でもやっているのでしょうか?

 実は、カナダのトロントの通勤鉄道、GOトランジットという鉄道会社が指さし確認を行っています。GOトランジットの関係者が2年ほど前の日本観光で訪れたときに見たことがきっかけのようです。GOトランジットでは、接客担当の係員が大きな身振りで指を指し、乗客の乗り降りが終わったことを確認してから扉を閉めます。

 なお、カナダは基本的に英語圏なので、日本語の「右よし、左よし」ではなく、英語で「クリアライト、クリアレフト」と言っているようです。
(参考:「鉄道ファン」2021年7月号 交友社)

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「ユーロスター」がコロナで経営危機

 ドーバー海峡をくぐって、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ「ユーロスター」。新型コロナウイルスの感染が広がる前は、1日当たり片道約50本の列車が走っていました。ロンドンとパリの間は早朝から夕方まで毎時1本程度走っていました。

 しかし新型コロナウイルスの影響で他国との移動が厳しく制限され、「ユーロスター」の本数は激減しています。ロンドン-パリ間とロンドン-アムステルダム間を1往復ずつするだけで、乗車率もかつての80%から1%に激減しています。当然ながら運営会社のユーロスター社の経営は悪化。日本とは違って、鉄道会社に政府からの支援があるヨーロッパですが、ユーロスター社にはそのような支援がなく、破綻の危機に陥っています。なぜでしょうか?

 その理由はユーロスター社がどこの国の会社か、ということ。法的にはイギリスの会社ですが、資本面から言うと、フランスの会社なのです。もともとは、イギリス運輸省が出資するイギリスの鉄道会社も株を持っていましたが、2014年に売却され、イギリス政府やイギリスの鉄道会社は全く株を持たなくなったのです。ですから、イギリスはユーロスター社を支援しないのです。ところが株を持っているフランスの立場から言えば、法的にはイギリスの会社、ですからフランスもユーロスター社を支援しないのです。

 このままでは、資金繰りがつかないことから夏にも経営破綻すると言われています。どこが支援するのでしょうか、あるいは支援せずに破綻に向かうのでしょうか? 環境面からも鉄道がこの効果を発揮することができる区間だけに、破綻することだけは避けたいところです。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/417127)

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日本の鉄道のバリアフリーは遅れているのか?

 「日本の鉄道のバリアフリーは遅れている」と言う人がいますが、本当にそうなのでしょうか? バリアフリーが進んでいると言われる北欧やヨーロッパの事例を見ていきましょう。

 北欧でも、車椅子の人がいきなり来ても、列車に乗ることができるわけではありません。各国の国鉄の場合、事前に予約が必要であり、しかも全ての駅で利用できるわけではありません。地方のローカル線の場合は主要駅のみです。もともとも日本のように鉄道が利用されているわけではないので、ひとりで移動できない人は車やタクシーで移動しているようです。北欧でも日本人が思っているようにバリアフリーが完備しているわけではありません。大きな駅でも障害者のサポートにすぐに人を出すことができるほど人が余っているわけではなく、地方の無人駅だと直接車で行ってもらったほうが合理的です。また、ヨーロッパの駅のホームの高さは駅によって違うようで、車体の床と合わないのです。低床車両も役に立たないのです。

 大都市の地下鉄にはほかの問題があります。古い地下鉄の場合、エレベータ等のバリアフリー設備を置くことができないのです。複雑にほかの路線などが入り組んでいて、バリアフリー設備を置くことができないのです。ロンドンの場合、地下鉄のバリアフリー化を諦め、バスをスロープ付き低床車両にすることで対応しています。都心部は渋滞して時間がかかりますが、バスの本数は多く、それで対応しているのです。

 もちろん、車椅子の人でも事前予約なしに来て、誰の手助けもなく移動できるようになれば良いでしょう。ただ、それには莫大なお金がかかります。そのお金は誰が出すのでしょうか? 国交省は利用者に負担をさせようとしていますが、それは国や地方自治体が負担すべき話でしょう。バリアフリー設備ができたからと言って、車などから利用者が移ってくるわけではありませんから。また、鉄道の得意とするところは新幹線などの高速輸送や大都市圏の大量輸送です。代替のバスさえあれば、ヨーロッパのように地方路線は特急だけにして、普通列車をバス対応にしても良いのです。世の中に輸送手段はいろいろあるのですから、鉄道会社に押しつけるのではなく、タクシーや車などトータルで対応することも考えないといけないでしょう。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/424435)

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中国で貨物を運ぶ新幹線車両ができた

 中国でも新幹線は、旅客を運ぶもので、貨物は運びません(臨時的なものはありましたが)。ところがその中国の車両メーカーが、貨物用の新幹線車両を開発しました。

 その新幹線車両は4M4Tの8両編成で、これまでの新幹線と同じような見た目です。貨物列車らしい外観ではありません。ただドアの幅は2.9メートルもあり、そこから素早く積み下ろすことができるようになっています。貨物の積みかたも従来とは異なり、コンテナを連ねるのではなく、航空機のように専用のケースを車両の横から積み込みます。車両の85%を貨物に使うことができ、8両編成1本でジャンボジェットの貨物専用機1機分の貨物(100~120トン)を運ぶことができます。最高速度は時速350キロで、1500キロの距離を最短で5時間で結ぶことができます。しかも、貨物の単位重量当たりのエネルギー消費量は航空機の8%程度なので、環境に優しく、航空機やトラックに比べて転向などに影響されず、安定的に運ぶことができます。

 日本でも新幹線や特急列車の一部を間借りして貨物を運ぶ動きがありますが、単発の臨時的なものが中心で、恒常的なものは少ないです。ただ、旅客がそうであるように、貨物についてもスピードが求められるものもあります。大都市近郊やごく一部の幹線の特急を除いて、在来線の列車は車よりも遅くて使い勝手が悪いのですが、新幹線ならそのようなことはなく、特急料金というかたちでスピードの価値をお金で回収することができます。明治時代の老朽化したインフラに頼らずに、無理に維持しなくても済むようになります。貨物を新幹線に移せば、旅客はバスで足りる程度になる区間もあるのです。日本でも貨物を新幹線で運ぶことをもっと積極的に進めるべきでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASNDX36T7NDSUHBI019.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/83187ccb41d952f50497ddc91d08981b09d86e5c)

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台鉄、東部の一部に標準軌を採用か?

 台湾鉄路管理局(台鉄)の軌間は、日本同様狭軌の1067ミリです。ただその台鉄で一部区間を標準軌にする計画があります。

 その区間とは花蓮-知本間。現在、この区間は一部を除いて単線ですが、増大する需要に応えるため、全線複線化を進めています。そのときに軌間を広げて標準軌にするのです。

 なぜそんなことをしようとしているのでしょうか? 台湾は東部の輸送力を増強し、台湾の西側を走っている高鉄(新幹線)と合わせて、台湾を6時間で一周できるように鉄道網を整備しようとしているのです。高鉄には南北に延長する話があり、それと合わせて台湾全体の高速化を進めているのです。また、狭軌を採用する国は少なく、車両コストなどが高くなってしまいます。標準軌にすることによって、その是正を図ろうとしているのです。

 日本も在来線は狭軌なので、ヨーロッパなどのように部分的に新幹線をつくり、できたところから高速化を図っていくということができません。お金をかけて新幹線をつくるか、それともそのままで緩やかに衰退していくかの二者択一しかありません。在来線が標準軌なら、金沢で新幹線に乗り入れて富山に直通することができますし、新幹線を敦賀まで延ばせばその分スピードアップします。また、長崎新幹線のように整備方針でもめることがありません。とりあえずは武雄温泉まで在来線を使い、需要が多くなれば全線フル規格になるだけです。ただ、標準軌にすることによって問題も出てきます。車両は全て入れ替える必要があり、営業運転を続けながらの工事は非常に難しいのです。

 話はここで変わります。新型コロナウイルスを抑えていると思われている台湾ですが、それでも最近は感染者が増えています。そこで台湾は、鉄道、高速バス、船舶、航空機などの公共交通機関での飲食を2月から禁止しています。観光列車や船舶の中の飲食エリア、そして国際線はこの対象外です。10日から旧正月の連休が始まるので、その前に規制を強化するのです。

 また、8日から16日までの間は、高鉄は自由席の販売を停止し、全車指定席とします。台鉄の都市間特急は立って乗車できますが、立席乗車券の販売枚数を1編成120枚までにします。
(参考:フォーカス台湾ホームページ https://japan.cna.com.tw/news/atra/202012280004.aspx、https://japan.cna.com.tw/news/atra/202101290005.aspx)

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中国でフリーゲージトレイン成功?

 日本ではフリーゲージトレインの技術が実用に至らず、それを前提としていた長崎新幹線の行く末が混迷しています。ところが、そのフリーゲージトレインが成功した国があるのです。

 それは中国。2020年10月に完成した8両編成の車両は、最高速度時速400キロまで出すことができ、レールの幅は600ミリから1886ミリまで対応します。世界の鉄道ネットワークの9割以上に対応することができるようです。中国の近隣諸国のすべての電化方式に対応することができ、マイナス50度でも問題なく作動するようです。シベリアでもちゃんと動くようになっているのです。

 どうやら中国のフリーゲージトレインの機構は、日本のと大きく異なるようです。基本的に中国の軌間は1435ミリなのでフリーゲージトレインを導入する必要性はないのですが、ロシアなどの外国では標準軌より幅の広い広軌を採用しているところもあります。そういう外国との直通のためにフリーゲージトレインが開発されたのであって、日本のように新幹線と在来線を直通させるために開発したのではありません。

 もちろん、中国のフリーゲージトレインが日本でも使うことができるのなら、その技術をお金を払って使うのも方法のひとつでしょう(もっとも、それが可能ならスペインにお金を払って、タルゴの技術を手に入れています。そもそも中国から技術を買うのが正しい方法なのかは怪しいところです)。それをしていないというのは、そのままでは日本では使えないからでしょう。自力で開発するにしろ、ほかからお金を払って手に入れるにしろ、時間がかかります。

 少なくとも言えることは、将来フリーゲージトレインが使えるかもしれないが、現時点では使えない技術であるということです。長崎新幹線でフリーゲージトレインを前提に議論をするのは危険です。佐賀県にとっては博多に行くことができたら十分で、長崎へはどうなってもよいのかもしれませんが。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/toyokeizai/20201115-SYT8T1627529/、佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/595361、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/398192)

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国交省等、鉄道の国際規格策定を目指す

 日本の鉄道技術は世界でも有数のレベルでしょうが、これをそのまま外国に持って行っても、使えるとは限りません。それぞれの国にはそれぞれの規格があり、それに合わせないといけません。

 もちろん、世界で統一した規格があれば、それに合わせたものをつくればいいです。それができつつあるのは、国土が比較的狭く、国際列車が多数行き来しているヨーロッパ。ただし、フランスもドイツもイギリスも全く同じ規格というわけではなく、信号システムを例にとって説明すれば、それぞれ別々の規格になっています。複数の国に対応できるようにしておかないといけません。日本からヨーロッパに鉄道車両を輸出しようとしても、ヨーロッパの規格に合わせないといけないのです。当然その分だけ、コストがかかります。

 そこで国交省やJR各社などが考えているのが、国際規格を定めること。国際規格を満たしていれば、ヨーロッパのものでも日本のものでも良い、とするのです。規格化する対象は保守点検のやりかたも含まれるので、数百にもなりますが、それでもメリット大きいと考えているようです。どうやら、国際規格を定めることによって、アジアの新興国に日本の鉄道システムを輸出したいと考えているようです。
(参考:「鉄道ファン」2021年1月号 交友社)

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