ドイツの旧型車両が他国へ

 日本で使われていた車両が古くなって、外国に持って行く例はありますが、ほかの国でもそのような例があるようです。

 その国はドイツ。2016年から約8年かけてIC4が約1500両(7~13両編成が合わせて137本)が導入され、これまで特急に使われてきた客車が余ることになりました。

 そこで余った客車を他国に譲渡することにしました。ドイツの中古車も状態が良いため、人気が高いようです。3月にはブルガリア鉄道との間で76両の中古車を売却する契約が成立しました。夏までに全車がブルガリアに送られ、これまでブルガリアで使われてきた、老朽化した客車を置き換えていきます。主要都市を結ぶ路線で使われるようです。

 また、オーストリア鉄道は、ドイツ鉄道から30両を借りています。オーストリア鉄道は2023年末の寒波の影響で車両に不具合が生じ、今なお列車の運休、編成短縮、使用列車の変更が生じています。それを解消するために一時的にドイツ鉄道で余っている客車を借りているのです。こちらも幹線で使われるようです。
(参考:「鉄道ジャーナル」2024年7月号 鉄道ジャーナル社

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台湾に寝台列車

 国土がそんなに広くないため、夜行列車がない台湾ですが、その台湾に寝台列車の計画があるようです。

 この寝台列車には展望車、個室寝台車のほか、食堂車、調理を行う車両などもあり、乗客は専用のラウンジで地域の特色ある食事を楽しむことができます。どうやら移動のための手段というより、観光列車の類のようです。

 この寝台列車、早ければ2027年に営業を始める見込みです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/6f5ef575f6f740a91c967191c284445f2536bf94)

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ハワイの鉄道、6月30日に暫定開業

 以前にも当blogで取り上げた、ハワイホノルルの鉄道計画。紆余曲折はありましたが、この6月30日14時に一部区間が開業します。

 開業するのは、西側のイースト・カポレイ-アロハスタジアム間、約16キロ。運賃は大人3ドル。実際に乗車するには、オアフ島の公共バスで使われている「HOLOカード」というものが必要です。このカードがあれば、鉄道と公共バスが2時間半乗り放題となります。ちなみに、7.5ドル払えば、1日乗り放題になります。なお、開業日の6月30日は14時から18時まで無料開放されます。7月1日から4日も、「HOLOカード」があれば、終日無料です。

 このハワイの鉄道は、標準軌で、第三軌条方式です。4両編成の自動運転の電車が10分間隔で走ります。電車の最高速度は時速55マイル(88キロ)のようです。

 ただし、今回開業する区間は一部だけで、日本からの観光客が使いそうな区間ではありません。空港やホノルル中心部まで開業するのは、2031年の全線開業時です。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/honolulurail2023/)

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台湾新幹線にN700S

 台湾新幹線は2007年に開業しました。車両は日本のシステムを使っているので、700系をベースにした700Tというものを走らせています。

 ただ、台湾新幹線は利用者が増加し、今保有している車両だけでは足らなくなりました。台湾新幹線を運営している台湾高鐵は、2019年から車両の増備を考えていましたが、なかなか価格交渉がまとまりませんでした。台湾新幹線は日本の新幹線をそのままコピーしたものではなく、世界のいろいろな高速鉄道の要素を取り入れています。その中で台湾向けの仕様にすると、ロットが小さいので、どうしても割高になってしまうのです。今走っている700系は古すぎるので、それを増備することもできません。

 結局、増備する車両はJR東海の最新型車両、N700Sをベースにしたものとなりました。12両編成を12本導入し、価格は1240億円となります。早ければ2027年に増備された車両の運転を開始します。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230315-OYT1T50309/、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/663455)

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アメリカにリニア

 かなり前にアメリカへのリニア導入についての記事を書きましたが、どうやらこの計画は消えていないようです。

 アメリカでのリニア計画は、最終的にはワシントンとニューヨークとの間、約370キロを結ぶものですが、とりあえず最初につくるのは、ワシントンとボルティモア(メリーランド州)の間、約65キロです。2024年から2025年の間に環境影響評価を終え、2026年から2027年に着工を行う予定です。開業予定は2033年から2034年ごろです。
(参考:中京テレビ NewsWEB https://www.ctv.co.jp/news/articles/oc79amsr538ef09l.html)

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個人所有の鉄道車両を列車にくっつけることができる

 アメリカで旅客運送を行っているアムトラックは、運行する長距離列車に個人所有の鉄道車両を連結し、目的地まで連れて行ってくれるサービスを行っています。

 貨車ならともかく、日本では個人所有の客車とは考えられないですが、全米には約100両の私有客車があるようです。お金のある人は個人もしくは友人達と私有客車に乗って鉄道の旅をします。

 企業や団体で使うこともあります。どういうときに使うのかと言えば、企業の重役会議。私有客車なら、機密会議を開くことができます。コロナがはやっていたときは、これなら完全にソーシャル・ディスタンスを保つことができるということで、私有客車で移動する事例があったようです。

 もっとも、私有客車で移動するには、お金がかかります。年間の登録料が497ドル、移動のたびに1両、1マイル当たり4.09ドルかかります。追加料金を払えば、洗車や下水の抜き取りサービスも受けることができます。当然ながら、車両の購入、保管、メンテナンスにはお金がかかります。値段が値段なので、お金持ちしか使えないでしょう。誰でもできるものではないのです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/d1a782faa48a26d767bb7468da99b896b1e82764)

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アメリカで航空機の座席の広さを見直しへ

 アメリカ連邦航空局は今、国民から機内の座席面積の最低基準についての意見を求めています。

 なぜ意見を求めているのでしょうか? 別に乗客の快適さや便利さのためではありません。最低基準を設置するのは安全のためで、どれくらい狭いと緊急のときの避難に悪影響を与えるのかということなのです。

 実は座席の狭さと避難については、過去にも調査を行っています。そのときの結論は、座席の狭さは緊急時の避難に悪影響を与えないということだったのですが、そのときの調査では、子供、高齢者、障害者はいませんでした。今回はそういう人がいた場合のことも考えないといけません。

 もし最低基準が設けられ、座席が広くなれば、安全性が高まり、快適な空の旅ができることでしょう。ただ座席が広くなると、その分定員が減り、運賃が上がることも考えられます。単純に座席が広くなればいい、というわけでもないようです。
(参考:FNNホームページ https://www.fnn.jp/articles/-/401996)

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仮設住宅は寝台車

 ロシアのウクライナ侵攻により、ウクライナの住民は国を出て避難していましたが、再びウクライナに戻ってきている人もいます。しかし住宅が破壊され、住むところがありません。

 そこでウクライナ国営鉄道会社などが代わりに用意したのが、寝台車。キーウ近郊のイルピン駅そばの空き地に設置されています。7両ありますが、1両は食堂車、1両はシャワー室で、残りの5両が寝台車です。寝台車は個室構造で、各個室には上下二段ベットが2つあります。かつてブルートレインであった「カルテット」みたいな構造で、1つの部屋で4人が寝泊まりできます。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20220621-WZAQ2QLMEFPHLL27HYXW66KD44/)

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ドイツ、期間限定だが1200円で全国乗り放題に

 6月から3か月間だけの期間限定の話ですが、ドイツ国内の電車やバスなどの公共交通機関が9ユーロ(約1200円)で1か月間乗り放題になります。各事業者が紙やネットで販売するチケットを買えば、誰でもドイツ国内全ての地下鉄、鉄道、バスなどを利用することができます。ICEなどの高速列車は対象外ですが、普通列車を乗り継いでいけば、遠くまで行くことができます。

 なぜ期間限定とは言え、月たったの1200円で乗り放題にするのかと言えば、エネルギー価格の高騰に対応するため。車を使っている人を鉄道など公共交通機関に移行させることにより、気候変動対策にもつながります。交通機関の減収分の穴埋めとして、ドイツ連邦政府は、25億ユーロ(約3370億円)を各州に拠出します。

 日本ではガソリンが高騰したため、ガソリンに補助金を出して、ガソリンの価格を抑えています。経済の原則に委ねてガソリンが上がるのなら、鉄道を使おうとする人がいるかも知れませんが、その動きを補助金というかたちで抑えています。車を余計に使うので、環境にも悪いです。ガソリンに補助金を使うぐらいなら鉄道やバスなどの公共交通機関にお金を出したほうが賢明です。公共交通機関の利用者が増えれば、鉄道会社等の収支は改善し、増えた利用者に対応するために増発されることにより便利になり、さらに利用者は増えます。いい方向に循環するのです。そして、熊本のバスの事例でも明らかなように、その費用は意外と安いです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20220521/k00/00m/030/177000c)

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オーストリアで寝台車を増備

 オーストリア連邦鉄道が運行する夜行列車「ナイトジェット」は好調のようです。寝台車を増備していますが、今後も新規路線の開設が行われ、寝台車は不足する見込みです。また、現在使用しているクシェット(簡易寝台車)の中には、1960年代や1970年代に製造されたものがあり、老朽化が進んでいます。

 そこでオーストリア連邦鉄道は、バリアフリーに対応できないことから余っていた2等座席車を改造して、クシェットにすることにしました。22両を改造してつくる予定で、1両には7つのコンパートメントと1つの車椅子用コンパートメントができます。電子カードキーも採用され(クシェットと言いながら個室にもなるのでしょうか?)、Wi-Fi、コンセント、USBポートもあります。最高速度は時速200キロで、オーストリアのほか、ドイツとスイスでも走行することができます。改造されてできたクシェットは、2021年12月からすでに走っています。
(参考:「鉄道ジャーナル」2022年1月号 鉄道ジャーナル社

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