函館線余市-小樽間の代替バスは1日125本

 北海道新幹線が全線開業すると、函館線長万部-小樽間はバスに転換されます。果たして、どれくらいのバスが走るのでしょうか?

 場所によって本数は大きく違いますが(一番本数の少ないところでは、1日上下合わせて8本しかないところもあります)、一番本数の多い余市-小樽間の場合、上下合わせて125本のバスが走ります。現在、鉄道では上下合わせて33本しか走っていないので、4倍近く増えることになります。

 これで済むのならありがたい話です。しかし、話には続きがあります。すでに余市-小樽間には多くのバスが走っています。上下合わせて112本も走っています。このことを考えると、鉄道廃止によって増えるバスは、たったの13本しかありません。33本の列車の代わりに走るのは、たった13本のバスなのです。今走っているバスは空席のものが結構あり、将来的には人口が減ります。2020年に11万人いる小樽市は、2050年には5.5万人に減ります。2020年で1.8万人の余市町は、2050年に0.95万人になります。鉄道やバスのメインユーザーである15~19歳の人口の減りはこれよりさらに大きいです。ですから、効率よくすれば12本のバスを増やす程度で乗りきることができると考えているようです。

 しかし、これほど多くのバスが走る路線なら、むしろ鉄道を存続させ、バスから鉄道に利用者をシフトさせることを逆に考えたほうが良いかもしれません。そこそこ利用者がいる余市-小樽間を廃止するのは早計とも言えます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokkaidoshinkansendaitai2408/)

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日田彦山線BRTの利用者の6割は観光客

 日田彦山線がBRTになって1年が経過しました。

 以前にも書きましたが、好調でした。鉄道時代の輸送密度は131人だったのですが、それを上回る164人でした。鉄道時代の輸送密度を超えるのがJR九州の目標だったようで、それは達成しました。

 しかし、課題もあります。利用者の6割は観光客です。沿線で何を観光したかは参考にした記事には書いてありませんでしたが、BRTそのものが目的、という人もそれなりにいたことでしょう。そういう人は1回乗ったらもう乗りません。安くても通学など毎日使ってくれる人を以下に増やすかが課題と言えます。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/8d3bd780956d237e9bb46fbbfbff3ccf162aab57)

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札幌に水素バス

 かつて札幌駅方面に路線電車を延伸する構想がありましたが、その構想は消えました。

 その代わりに出ているのが、水素を使った新しい乗りもの。約120人乗りの連節バス、30人未満の中型、10人以下の小型の3台のバスを使います。このうち連節バスは幹線の路線バスです。狸小路、大通から北海道新幹線札幌駅東改札口を目指すものと、苗穂を目指すものの2つがあります。苗穂は路面電車が延伸する予定だったところで、再開発が進み、人口が増えているところです。中型と小型のバスはデマンドバスです。利用者が呼ぶと来てくれます。2024年秋から試験運行が始まり、2030年度に本格運行が始まります(北海道新幹線の延伸はまだ先です)。

 燃料の水素は、再生可能エネルギーでつくられたクリーンエネルギーの水素です。バス路線沿いに水素ステーションを整備し、2024年度中に完成予定です。

 ただ、この水素バス、新交通でも何でもなく、単なるバスです。燃料だけが目新しいのであって、新しい交通機関ができるわけではありません。連節バスも1台だけなので、既存のバスと併用すると思われます。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/cbea08b0990d1463a3fcdfbfe1f1b356b6fb92ea)

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大阪と三田とを結ぶ高速バス

 国鉄時代の末期まで、福知山線は電化されていなかったので、三田でさえ列車での旅が味わえるところでした。今はハイキングコースになっているところを、ディーゼル機関車に牽かれた旧型客車が走っていたのです。今なら特別料金が取れるような列車が、ごく普通に走っていました。

 しかし、1986年に福知山線が全線電化され、三田も大阪や神戸のベッドタウンとして開発されるようになりました。いきなり通勤型の車両が走るようになったのですが、ニュータウンは福知山線の駅から外れたところにできたので、都心とを直結する高速バス(特急バス)の需要が生まれたのです。

 まず最初にできたのは、神戸と三田とを結ぶバス。神戸と三田の間には神戸電鉄もありますが、途中乗り換えが必要で、阪神高速北神戸線の開通により、1999年に運行を開始しました。現在、上下合わせて約120本のバスが走っています。

 これに対して、大阪と三田を結ぶバスができたのは最近です。大阪と三田を車で移動するなら中国道を通りますが、中国道は渋滞することで有名で、時間が読めなかったのです。ところが、新名神の開通でそちらも使えるようになったため、2018年に運行を開始しました。当初は1往復だけだったのですが、急成長を遂げ、今では上下合わせて約100本のバスが走っています。

 なぜこれらのバスは本数が多いのでしょうか? 普通、ニュータウンとのバスは、朝の上り、夕方から夜の下りは通勤客などで混み合います。しかし、反対方向や昼間は空いていて、効率が良くありません。ところが、この高速バスは、ニュータウンに大学があります。関学です。この大学の需要があるので、反対方向も乗ってくれるのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/134239)

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明光バス、南海の子会社に

 白浜を拠点に路線バスを運行する明光バスは、このあたりでは珍しい近鉄グループのバス会社です。世界遺産の熊野古道もエリアに入っています。

 ところが南海は明光バスを子会社にします。近鉄グループホールディングスの子会社から10月1日付で株式を取得し、出資比率を17.6%から72.9%に引き上げます。子会社化した後は役員の派遣を検討しています。

 南紀方面のバス会社は、熊野交通と御坊南海バスが合併し、熊野御坊南海バスとなりました。明光バスはこの熊野御坊南海バスに挟まれたかたちになっています。いずれは明光バスも熊野御坊南海バスと合併し、一体化されるのでしょうか?
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF097WX0Z00C24A8000000/)

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「トムとジェリー」で阪急はバスも含めて一日乗り放題

 阪急は「トムとジェリー」とコラボします。8月23日から2025年3月27日まで、ラッピング列車、「トムとジェリー号」を走らせます。神戸線、宝塚線、京都線で1編成ずつ走らせます。能勢電鉄にはオリジナルヘッドマークをつけた車両が走り、阪急バスもラッピングバスを走らせます。

 今回、阪急沿線ではスタンプラリーも行われますが、それに合わせてオリジナルデザインの一日乗車券を発売します。発売期間及び有効期間は9月4日~11月25日で、阪急全線(神戸高速鉄道は除きます)と阪急バス全線(深夜バス、コミュニティバス等は除きます)が乗り放題で、大人1400円、子供700円です。これに加えて能勢電鉄全線も乗り放題になるバージョンがあり、こちらは大人1700円、子供850円です。なお、これらの一日乗車券は、鉄道の利用前にバスに乗ることができません。バスに乗りたいのなら、あらかじめどこかで鉄道に乗っておく必要があります。
(参考:阪急ホームページ https://www.hankyu.co.jp/area_info/TOMandJERRY_HANKYU2024/index.html)

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函館空港-江差間に乗合タクシー

 江差町などに公共交通機関で行くには、函館バスの函館江差線(新函館北斗も経由します。平日は1日5往復、日祝は1日3往復)がありますが、函館の空の玄関口、函館空港からの直行便はありません。

 そこで、函館タクシーは、檜山3町(厚沢部町、江差町、上ノ国町)、北海道檜山振興局、北海道エアポートと連携して、多客期にジャンボタクシーによる乗合タクシーの実証運行をすることにしました。

 実証運行は、観光シーズンの7月19日から9月30日までと年末年始の12月28日から2025年1月6日まで。週末を中心とした、56日間行います。函館空港から乗り換えなしで檜山3町とを結ぶ事前予約型の乗合タクシー、「かもめ号」を1日3.5往復走らせます。檜山3町では合わせて6か所に停まり、函館空港-上ノ国間の所要時間は1時間50分です。これまで3時間以上かかっていたようですので、1時間以上の短縮になります。値段は1人の場合4000円、一度に2人以上を申し込んだ場合は3600円です。
(参考:北海道エアポートホームページ https://www.hokkaido-airports.co.jp/uploads/2024/07/240716_Release_HAP.pdf、江差町ホームページ https://esashi.town/common/img/content/content_20240326_113639.pdf)

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「高徳エクスプレス」、大塚国際美術館に乗り入れ

 大川バスなどが運行する「高徳エクスプレス」ですが、8月1日にダイヤ改正を行いました。

 今回の改正で、1日1往復だけですが、大塚国際美術館、アオアヲナルトリゾート前に乗り入れることになりました。大塚国際美術館の開館日のみ乗り入れます。大塚国際美術館、アオアヲナルトリゾート前に停まるのは、高松駅高速バスターミナル9:40発、徳島駅15:50発のみです。

 大塚国際美術館、アオアヲナルトリゾート前への運賃は、徳島駅などと同じく、大人2300円です(「高徳エクスプレス」では、香川県内、徳島県内のみの利用はできません)。高松から大塚国際美術館への往復乗車券と大塚国際美術館の入館券がセットになったものもあり、大人7000円です。通常料金より500円お得で、四国高速バス窓口(本社窓口除く)、大川バス本社窓口で取り扱っています。
(参考:大川バスホームページ https://www.okawabus.com/info/view/58)

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弘前市、高校生を対象に市内の鉄道やバス等定額乗り放題に

 弘前市は市内に住む高校生などを対象に、弘南鉄道や弘南バス、市内の乗合タクシーに定額で乗り放題になる取り組みを行います。2025年1月から約2か月間、行います。

 なぜそのようなことを行うのでしょうか? 冬場は徒歩や自転車での通学が厳しくなります。そうなると保護者は子供を車で送迎します。保護者にとっては負担ですし、渋滞を招きます。それを防ぐために定額乗り放題のシステムを導入しようとしているのです。
(参考:NHKホームページ www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20240701/6080022992.html、東奥日報ホームページ https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1806823)

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那覇空港、恩納村から北谷町に直行シャトルバス

 東京バスは沖縄県観光2次交通利用促進事業として、7月25日から9月23日までの間、那覇空港、恩納村から北谷町に直行するシャトルバスの実証運行を行います。沖縄県は美浜アメリカンビレッジに近い、北谷町美浜駐車場を活用して観光2次交通結節点をつくっていて、そこと那覇空港や恩納村とを結ぶのです。観光客は北谷町で乗り換えて、さらに別の観光地に向かうようです。

 さて、直行シャトルバスはA系統(空港線)、B系統(恩納線)の2系統あります。A系統は那覇空港、国際通り入口と北谷町とを結ぶもの。1日9往復(11:00~19:00の間、始発の停留所を毎時0分に出発します)、所要時間は55分です(国際通り入口からは40分)。運賃は1000円です(那覇空港-国際通り入口間のみの利用は不可)。B系統は恩納村のリゾートホテル(6か所)と北谷町を結ぶもの。1日8往復します(運行間隔は60~85分)、所要時間は35~75分です(利用するホテルによって変わります)。運賃は1500円です。A系統、B系統ともに予約は不要で、先着順に乗ることができます。

 これらの直行シャトルバスについては、現金のほか、「ICOCA」等の交通系ICカードが使えます(ほかの東京バスの路線でも、「ICOCA」等の交通系ICカードが使えるところがあります)。JR西日本テクシアが開発した、簡易型IC端末で対応します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240705_00_press_tokyobus.pdf)

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