ドラえもんが生まれても高速道路は有料

 高速道路は一部を除いて有料ですが、建設費を返済すれば、無料になります。ただし、その時期はかなり先です。42年先の2065年です。元々は2050年だったのですが、2012年の中央道笹子トンネル事故で巨額の老朽化対策費が要ることがわかり、期限が延びたのです。

 この期限がさらに延びます。大規模な更新や補修が必要な箇所がどんどん増えたのです。国交省の有識者会議が期限の再延長を求め、延びることになりました。新しい期限は50年延びて2115年、このblogを見ている人のほとんどはこの世にはいないでしょう。何しろ、ドラえもんが生まれて3年後の話です。

 と言うことは、ドラえもんが生まれても高速道路は有料なのです。気の遠くなる話です。ここまで先の話なら、「高速道路は永久に有料」というほうが正直なのかもしれません。高速道路に乗れば速くなるので特急料金みたいなものを課しても理屈は合いますし、維持のためのコストも要りますから。
(参考:朝日新聞1月16日朝刊中部14版)

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高速道路にETC専用インターチェンジ

 ETCを持っている人しか使えないスマートインターチェンジというものがありますが、最近は既存のインターチェンジもETC専用になるところがあるようです。すでに首都高速やNEXCO東日本、NEXCO中日本の一部インターチェンジや出入口で2022年春から行われていましたが、NEXCO西日本の11か所の料金所でも2023年春からETC専用になります。

 ETC専用になるのは新名神の茨木千提寺、第二京阪の城南宮南(入口)、伏見(入口)、交野北(入口)、浜田道の瑞穂、高松道の津田東、徳島道の美馬、高知道の伊野、今治小松道の東予丹原、東九州道の都農、長崎道の多久です。なお、ETC専用となった料金所では、これまで現金を取り扱っていたレーンは、誤進入した車の案内を行うレーンになります。現金で支払う車はここで対応することになります。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/123063)

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自動車に走行距離課税?

 高速道路等を除いて道路の通行料は無料なので、道路の維持管理の費用はどこかから調達してこなければなりません。

 これまでは、ガソリンにかかる税金で対応していました。しかし、電気自動車が普及すると、ガソリンに税金をかける方法では税収が減ってしまいます。これでは維持管理の費用は賄えません。電気自動車と言えども、道路を使っていることは変わらず、しかも電気自動車はガソリン車に比べて重たく、道路への負担も大きいのに。

 そこで出てきたアイデアが、走行距離に応じて課税するという案。結局、以前から出ているが再び出てきたのです。

 この話は車の利用者からの反発を招いていますが、電気自動車だから負担がないというのもおかしい話で、冷静に考えれば妥当なところでしょう。車は短距離に適した乗りものであり、長距離のドライブを楽しみたい人からはそれなりのお金をもらえば良いのです。

 また、戦争や円安などの理由でガソリンなどの値段が上がり、それを押さえ込むため多額の補助金で価格を抑えています。使う立場からすれば安いほうが良いでしょうが、ガソリンが安いということは資源の無駄遣いを助長します。次の選挙に勝つためならガソリンを補助金漬けにして安く抑えるのが上策ですが、次の世代のためではありません。ガソリンが高ければ、燃費を向上させることを考えるでしょう。それを考えたら、ガソリンを補助金で安くするというのはあまり賢明ではないのかもしれません。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65478590W2A021C2EP0000/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2022/10/27/363386.html)

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大阪市、阪和線横の土地を有効活用へ

 阪和線の大阪市内は2006年に高架になっていますが、元々ここは阪神高速と一体化してつくられる予定でした。高架になる阪和線の線路の上に、阪神高速泉北線をつくる計画だったのです。

 しかしこの計画は阪神・淡路大震災の影響もあって消え、代わりに阪和線の高架の横に都市計画道路をつくることになりました。天王寺大和川線と呼ばれる道路は、2005年に都市計画決定されています。ところがこの都市計画、全然進んでいません。一部は駐輪場や公園などとして使われていますが、大半はフェンスで囲われたままで、何も使われていないのです。

 この事態を打開しようと大阪市は、法人を対象に阪和線横の土地の有効活用に関する提案を受け付けることにしました。11月中に受け付ける予定で、そこで出た提案を基に、その提案を実現するための事業者を選び、確保した土地を活用することにします。土地があるなら阪和線の部分複々線化をすれば良いのですが、多分それはないでしょう。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/122235)

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全国幹線旅客純流動調査をわかりやすく分析したblogがあった

 全国幹線旅客純流動調査というものがあります。国交省が5年ごとに行っているもので、これを見れば人々がどのような交通機関(航空機、鉄道(新幹線、JR特急、私鉄特急)、船、バス(高速バス等)、車(タクシーを含みます))を使って、県(北海道は4地域に分割)を越える通勤・通学以外の移動を行っているのか分かります。現在公表されている最新のデータは2015年度のものです。

 このデータを見れば、距離に応じてどのような交通機関が使われるのがよく分かります。300キロ未満の短距離だと車が、300~700キロの中距離だと鉄道、1000キロを超えると航空機が強いです。鉄道とは事実上、新幹線のことです。東京を中心にして新幹線がある程度整備されているからです。新幹線がないのに鉄道が使われているのは北陸-関西間ぐらいしかありません。高速道路を走る車程度のスピードしか出せない在来線特急では太刀打ちできないのです。北陸-関西間の鉄道のシェアが高いのは、「サンダーバード」が在来線特急としては速いのと、関西の中心部では渋滞して車が使いづらいのがあるのでしょう。そう考えれば、鉄道の得意分野を伸ばすためには、新幹線のさらなる整備が求められます。
(参考:徒然交通研究所ホームページ https://tokoken.ldblog.jp/archives/14330634.html、国交省ホームページ https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/content/001340149.pdf)

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首都高速にハイウェイオアシス

 大都市部分だけを走る首都高速などの都市高速は、パーキングエリア等の休憩施設はあまりありません。そんな土地がないからです。ところが、4月25日、その首都高速にハイウェイオアシスが誕生します。首都高速では初めてのことになります。

 どこにできるのかと言えば、川口。もともと川口パーキングエリアのあったところがハイウェイオアシスになるのです。公園と一体化して、ハイウェイオアシスになるのです。駐車場は従来の約2倍になります。飲食店などは拡張された公園側のエリアに移転されます。トイレは現在あるところに加えて、拡張されたエリアにも開設されます。ハイウェイオアシスには子供が雨の日にも遊ぶことができる全天候型屋内遊具施設(一部屋外もあります)「アソブーン」もできます。

 なお、現在のパーキングエリアでの営業は4月17日で終了し、ハイウェイオアシスができるまでの1週間は自販機などでの営業になります。また、4月中に合計6日間、パーキングエリアが夜間閉鎖されます。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/116062)

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新名神八幡-高槻間の開通、4年遅れる

 四日市と神戸を結ぶ新名神で、未開通の区間は大津ジャンクション-城陽ジャンクション間と八幡京田辺ジャンクション-高槻ジャンクション間。このうち大津ジャンクション-城陽ジャンクション間は2024年度に開通する予定です。

 そして、八幡京田辺ジャンクション-高槻ジャンクション間は2023年度に開通する予定でしたが、4年遅くなります。用地買収の遅れが原因で、2027年度開通予定となります。

 そもそもこれらの区間は経済的な理由ではなく政治的な理由で採算が取れないとされ、長い間着工が凍結されていました。その後凍結は解除され、工事が行われていますが、スタートが遅くなったのが響いています。2024年度には大津ジャンクション-城陽ジャンクション間が開通するので、名神を通らずに大阪に行くことができますが(八幡京田辺ジャンクションから第二京阪を利用)、山陽道方面に行くには大津ジャンクションから名神等を通らないといけません。ミッシングリングの状態がしばらく続きます。
(参考:京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/728683)

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阪神高速14号松原線の一部区間が3年間通行止め

 阪神高速環状線と松原とを結ぶ14号松原線。大阪市内から西名阪道方面に行くのに便利な路線です。ところがこの14号松原線、6月ごろから3年ほど一部区間で終日通行止めにします。

 なぜ通行止めになるのかといえば、喜連瓜破付近橋梁の架け替え工事が必要になったため。喜連瓜破付近橋梁は供用から約40年経過したコンクリート橋。長居公園通りという主要道路をまたぐため橋脚を設けることができず、橋桁の中央付近にヒンジという継ぎ目を設けることにしました。この設計は建設当時、よく用いられていましたが、経年とともにヒンジ部の垂れ下がりが大きくなりました。想定を上回る垂れ下がりで、路面も大きく沈み込んでいます。これまでもヒンジ部の補強を行ってきましたが、このたび長期にわたる健全性、耐久性を確保するために、橋梁の架け替え工事を行うことになりました。鋼製の連続橋に架け替え、ヒンジをなくします。この架け替えのため、14号松原線のうち、喜連瓜破出入口-三宅ジャンクション間(約2.5キロ)が3年ほどの間、終日通行止めになります。周辺環境への影響や自動車交通への影響をできるだけ抑えようとすると、3年も時間がかかってしまうようなのです。

 14号松原線の迂回路としては、2020年3月に全線開通した6号大和川線、13号東大阪線と近畿道の組み合わせ等が考えられます。
(参考:阪神高速道路ホームページ https://www.hanshin-exp.co.jp/company/files/211210pressrelease.pdf)

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電気自動車のバッテリーを鉄道で再利用

 電気自動車はリチウムイオンバッテリーを積んでいます。しかし、電気自動車もある程度使われたら寿命が来て、新しい車に置き換えられます。そのとき、リチウムイオンバッテリーはどうなるのでしょうか?

 実は、リチウムイオンバッテリーはまだ使えるのです。車は寿命が来ると廃車になりますが、そのときでもリチウムイオンバッテリーの電力を貯める能力は、新品と比べて20~40%しか落ちていません。ですから、交換用の車載バッテリーや定置型の蓄電池など、再利用先はたくさんあります。再利用すれば、新品をつくるのに比べて、二酸化炭素排出量や希少資源の使用量を削減することができます。

 鉄道会社もこの電気自動車のリチウムイオンバッテリーに目をつけました。JR東日本は日産の電気自動車、リーフで使われていた車載バッテリーを踏切に使う試行を行っています。2021年1月から南相馬市の踏切で試行を行っています。

 踏切でどこに電気自動車のリチウムイオンバッテリーを使うのでしょうか? 踏切には元々、メンテナンス時や停電時に備えて非常用電源を確保しています。リチウムイオンバッテリーはその電源に使えるのです。しかも、リチウムイオンバッテリーを使うことによって、非常用電源の性能が向上するのです。これまで踏切では鉛バッテリーが使われてきましたが、リチウムイオンバッテリーにすることによって大きさが1/3になります。耐用年数も3~7年から10年に延びます。環境面以外にもメリットがあるのです。また、リチウムイオンバッテリーには電気自動車と同じく制御システムが搭載されているので、現場に行かなくても稼働状態の確認ができます。メンテナンスが効率化され、問題が起こる前に対処することができます。

 JR東日本は踏切で安全に再利用バッテリーが使えることがわかれば、ほかの鉄道設備でも使うことを考えているようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/113517)

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総務省行政評価局、第4種踏切について勧告

 11月30日のことですが、総務省行政評価局は第4種踏切に関して勧告を出しました。

 第4種踏切は、警報機も遮断機もない踏切。当然ながら警報機や遮断機を備えた踏切よりも安全性は低いです。第4種踏切は現行の技術基準を満たさないので、国交省は踏切を警報機や遮断機を備えた第1種踏切に改良するか、あるいは廃止するかを鉄道事業者に求めています。しかし、第1種踏切への改良も踏切の廃止も進まず、行政評価局によれば利用者も列車の本数も少ないところを中心に全国で約2600か所が残っています。

 行政評価局はこのような第4種踏切に関して勧告を出しましたが、効果があるとは思えません。結局は鉄道事業者と地域住民が話し合い、第4種踏切の解消を求めるだけです。これで話が進むなら、誰も苦労しません。

 本気で第4種踏切を解消したいのなら、潤沢にある道路用の予算を使って踏切を第1種踏切にするしかないでしょう。
(参考:朝日新聞12月1日朝刊 中部14版)

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