未成線のトンネルを拡幅して国道に

 佐賀県は、唐津市を走る国道204号線のバイパスをつくる事業を進めています。国道204号は民家が建ち並んでいるので狭く、交差点では渋滞するからです。

 そして、そのバイパスをつくるために、未成線のトンネルを活用しようとしています。もともと唐津から呼子へは鉄道をつくる計画(呼子線)がありましたが、国鉄末期にその計画は消えてしまったのです。トンネルの幅は3.8メートルしかなく(長さは487メートル)、単線仕様なので、このままでは車が通ることができません。片側1車線ずつ車が通ることができるように、幅を10.25メートルに広げます。トンネルの拡幅工事は2022年7月に終える予定ですが(拡幅にかかる費用は照明設備なども入れて約26億円です)、前後の区間の用地買収を終えていないので、バイパス自体の開通予定は未定です。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASN8Y7756N8YTTHB005.html、佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/567353)

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信楽高原鐵道、信楽駅で超小型EV「COMS」のレンタル開始

 鉄道などの公共交通機関で出かけた場合、ネックになるのが目的地への足。駅から近いところばかりではありません。

 そこで、信楽高原鐵道はトヨタ車体の超小型EV、「COMS」を用意して、信楽を訪れた人に貸し出していました。信楽の観光地は駅から離れたところに多く、バスも充実していないのです。「COMS」は1人乗りのミニカーで(普通免許が必要です)、最高速度は時速60キロ、1回の充電で57キロ(JC08モード相当での走行パターンによるトヨタ車体の測定値です)走ることができるので、駅からのちょっとした移動なら使えます。車が小さいので、駐車スペースも取りません。

 2019年9月から信楽高原鐵道は「COMS」の運用実証実験をしてきましたが、8月3日から正式にレンタルを開始しています。信楽駅に2台置き、10:00から15:30の間、2000円で貸し出しています。なお、レンタルの予約は行っていません。
(参考:信楽高原鐵道ホームページ https://koka-skr.co.jp/news/archives/1305、トヨタ車体ホームページ coms.toyotabody.jp、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/west/news/190921/wst1909210006-n1.html)

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地方の有料道路に交通系ICカード

 有料道路なのにETCが使えずに、代わりに交通系ICカードが使える、というところがあります。埼玉県道路公社が管理する新見沼大橋有料道路は2009年から交通系ICカードに対応していますから、10年以上の歴史があります。なぜなのでしょうか?

 その理由は、ETCよりも交通系ICカードのほうが導入費用が安かったからです。有料道路の通行料金は距離が比較的短いことから数百円と安く、数千円の料金がかかることもある高速道路の料金を前提としたETCのシステムより、数百円の運賃を前提とした交通系ICカードのシステムのほうが合っていたのです。実際に有料道路に導入したときは、コンビニのレジのシステムに近いものを導入したとのことです。

 ただ、交通系ICカードのシステムには欠点があります。車種を自動で判別することができず、有人で対応しないといけないのです。それなら無人の料金収受機のほうがいいのではないかとも思いますが、機械の更新には費用がかかり、左ハンドル車のためにレーンの両側に機械を置かないといけないのです。それなら、有人で対応したほうがいいという判断です。

 とは言っても、高速道路での料金支払いにETCが普及しているという現状から、ETC導入を決めるところもあります。ただ、高速道路で導入されているノンストップのETCは高価です。そこで、神奈川県道路公社は横須賀の本町山中有料道路において、2020年3月から5月の間、スマートETCと同じように一時停止はいるものの、安価に導入することができる「ネットワーク型ETC」のシステムを社会実験というかたちで導入しました。「ネットワーク型ETC」がなぜ安いのかと言えば、セキュリティ処理を遠隔地で行うため、現場の機器を減らすことができるからです。普通のETCが料金所1か所当たり10億円かかりますが、「ネットワーク型ETC」なら1/4で済むそうです。事実、神奈川県道路公社は、管理する4つの有料道路全てに「ネットワーク型ETC」を導入するようです。

 今後、ETCがないと高速道路に乗ることができないようになるかもしれません。そのときに地方の有料道路のETC導入を促進するため、「ネットワーク型ETC」を導入することが出てくるかもしれません。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/98931)

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新型コロナウイルスでサービスエリアのレストラン自己破産へ

 高速道路のサービスエリアには、売店や軽食堂、トイレのほか、レストランやガソリンスタンドなどの設備を備えています。ドライブインと違ってサービスエリアは50キロ程度の間隔をとってつくられていて、競合することはあまりありません。独占的にできる強い立場で、儲かるはずです。しかし、このサービスエリアの運営会社が経営破綻し、自己破産を申請する方向であることがわかりました。

 その会社は、北陸道小矢部川サービスエリアの上り線でレストランや売店を運営していた、小矢部サービスステーション(1973年6月設立、本店小矢部市、資本金7000万円)。5月8日までに事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任しました。負債総額は約2.5億円です。

 小矢部サービスステーションは売店で販売するお土産のます寿司や菓子の製造販売も行い、2010年6月期には約6億円の売上がありました。ところが近年は利用客の減少や客単価の下落などで売上高が減り、逆に原材料費や人件費は高騰したため、経営は悪くなりました。2019年6月期の売上高は約4.5億円、2017年6月期から3期続けて赤字で、債務超過に陥っていました。すでに2019年12月の段階でレストランを閉鎖していましたが、新型コロナウイルスがとどめを刺し、経営破綻に至ったのです。

 なお、小矢部サービスエリアの上り線は、レストランや売店は使えないものの、ガソリンスタンドや自販機、トイレは通常通り使えます。催事販売も随時行うようです。
(参考:NEXCO中日本ホームページ https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=70、https://sapa.c-nexco.co.jp/topics?id=1465、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20200508/k00/00m/020/343000c、東京商工リサーチホームページ https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20200511_01.html)

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下関北九州道路は吊り橋が妥当との国交省調査結果

 下関と北九州を結ぶ、下関北九州道路。関門トンネルが老朽化しているため、代わりとなるものとして以前から考えられています。一時は財政難のため調査自体が打ち切られることもありましたが、2017年度に再開され、今のところ下関市彦島迫町付近と北九州市小倉北区西港町を結ぶルートが最有力とされています。

 さて、この下関北九州道路、橋にするのでしょうか? トンネルにするのでしょうか? 3月のことですが、国交省は吊り橋が妥当とする調査結果を発表しました。その理由は、活断層。最有力ルートの近くに活断層があるようです。日田彦山線沿いに走っている小倉東断層を北に伸ばすと、最有力ルートの近くに来るようです。この活断層が動けば、約3メートルのずれが生じると考えられています。トンネルだと地震の際大きな被害を受けますし、これに対応する技術もないようですが、吊り橋の場合は、両端の主塔から道路部を支える構造となっているため、揺れを吸収することができます。地震の影響を受けにくいようです。

 国交省は2020年度から、国直轄事業に選ばれる前段階である、計画段階評価の手続きに入ります。最有力ルートなど3つの案の中から、事業費等を考慮して、専門家による第三者委員会でひとつに決めます。その後、国が新規事業に採択するかどうかを決めます。

 道路に関してはこれで何とかなるでしょうが、実は鉄道も危ないです。関門トンネルも老朽化しています。新幹線があるので関門トンネルの役目は下関から小倉や博多方面へのローカル輸送と貨物運送なのですが、国鉄時代の1987年より3割ほど減ったとは言え、それでも18961人(2018年度)います。こちらも忘れてはいけないでしょう。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/595400/、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/senkubetsu.html)

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新型コロナウイルス終息後に高速道路無料化?

 新型コロナウイルスの影響により交通需要が減り、経済活動も収縮しています。

 そこで考え出されているのが、新型コロナウイルス感染拡大終息後に経済対策を取ること。いろいろなアイデアが浮かんでいるようですが、税金による高速道路の無料化が考えられています(詳細はこれから決めますが、場合によっては首都高速でも無料化が実現する可能性があります)。地方の観光業を助けるのが狙いで、すでにNEXCO東日本などの高速道路会社への打診を始めています。高速道路各社は政府の要請を受け入れるようです。

 今は感染拡大防止が最重要課題で、経済対策はその後の課題です。その後の課題として確かに観光業支援は重要ですが、高速道路の無料化は弊害が多く、やるべきではありません。昔、高速道路の無料化や大幅値引きを行いましたが、そのときに起こったのは、鉄道など公共交通の利用者の減少渋滞、そして温室効果ガスの増加による環境の悪化です。車は短距離に適した交通機関であり、中長距離に適した乗り物ではありません。ある程度の距離は鉄道に乗ってもらって、駅からのアクセスに車を使うのが賢明なやりかたです。高速道路の無料化は、次の選挙で勝てば良いという政治屋ならともかく、次世代に責任を持つ政治家のやることではありません。大体、新型コロナウイルスによって、特急の利用者が減り、鉄道会社は苦しんでいます。

 重ねて言いますが、高速道路の無料化は愚策としか言い様がないでしょう。

(追記)
 さすがに高速道路の無料化は、ほかの交通機関の利用者が減ることから反発が強く、高速道路無料化の話は消えました。
(参考:Sankei Biz sankeibiz.jp/macro/news/200325/mca2003252219021-n1.htm、朝日新聞4月1日朝刊 中部14版)

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中京圏も高速道路の料金水準を統一

 首都圏や関西圏では、会社の枠を超えた高速道路料金体系を構築しています。首都高速や阪神高速、そしてNEXCOといった運営会社の枠を超え、料金水準を統一していますが、2020年度の名二環の開通に合わせてこれを中京圏にも適用する方針です。

 どういうことでしょうか? 現在の中京圏の高速料金は、均一料金区間の名古屋高速と名二環、やや高めの大都市近郊区間の東海環状道、海を渡る区間のためかなり高い水準の伊勢湾岸道(東海ジャンクション-飛島ジャンクション間)、東名、名神、中央道などその他の区間という4種類に分かれています。それを伊勢湾岸道を除いて大都市近郊区間の水準に合わせるのです(東海ジャンクション-飛島ジャンクション間の高い料金水準はそのまま残ります)。名古屋高速、名二環のほか、東名、名神、中央道、東海北陸道、東名阪の一部の料金水準が統一されるのです。これによって東海環状道の整備を加速化させ、東名三好インターチェンジ付近や一宮ジャンクション付近の渋滞を緩和させます。名古屋高速では、名岐道路を整備し、都心部の渋滞を緩和させます。中部空港へのアクセス強化のため、西知多道路を整備します。

 また、都心部への車の集中を防ぐため、経路に関係なく最短距離を基本に料金を決めます。遠回りの東海環状道経由や名二環でも同じ料金にするのです。もちろん、東海環状道経由や名二環経由のほうが安いときは、そのままです。これまで均一料金区間であった名二環については、そのまま距離に応じた料金体系にすると高くなりすぎるところがあるので、激変緩和措置を設けます。もちろん、ETCのない車が名古屋高速や名二環を走れば、当然ながら割高な高速料金がかかります。

 そして将来の話ですが、混雑している経路からの移転を促すため混雑している経路の料金を高くします。混雑している時間帯のみ高くするという機動的なこともします。
(参考:国交省ホームページ www.mlit.go.jp/report/press/content/001327727.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55589250T10C20A2L91000/)

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中部空港へのアクセスに西知多産業道路を延伸か?

 名古屋市内と中部空港を結ぶ幹線道路としては知多半島道路がありますが、2本目をつくる話があります。

 2本目になるのは、西知多道路。伊勢湾岸道の東海ジャンクションと知多横断道路の常滑ジャンクション(仮称)とを結ぶ全長19キロの道路です。すでに西知多道路は東海市から知多市にかけての約9キロの区間は西知多産業道路として完成していて、この西知多産業道路を6車線に拡幅します。東海ジャンクションから西知多産業道路までの2キロの区間については、愛知県の要請で国が事業化して2018年に着工しました。新たにつくる知多市以南の8キロについては愛知県が建設することになり、そのうち4キロについては2019年12月に着工しています。残りの西知多産業道路部分については、国が着工に向けて調査しているところですが、愛知県との間で1400億円以上と見込まれている建設費の負担についてまとまっていないので、着工できていません。

 愛知県は今ある西知多産業道路が無料であることから、西知多産業も無料にする方針でした。しかし、建設費の話し合いができなければ、西知多道路の開通がリニアの開業に間に合わないため、一部は利用者負担にするようです。また、西知多道路を無料にした場合、有料の知多半島道路から車が逃げ、西知多道路に集中してしまいます。そのことから西知多道路の有料化は妥当ですが、その場合、有料の区間を現在無料の西知多産業道路を含めた全線にするか、新規につくる区間だけにするかという話が出てきます。西知多産業道路部分を無料にすると、西知多道路が有料になると言っても料金の格差が生じます。西知多産業道路を含めて有料にすると、今まで使っていた人が追い出されます。さじ加減は難しいです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20200113-OYT1T50136/)

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トラックの隊列走行拠点、新東名、新名神の3か所に

 国は自動運転のトラックが隊列を組んで走る、隊列走行を実用化しようとしています。運転士不足の解消と物流コストの削減がその目的です。現在は静岡県内の新東名で実験を行っていて、2022年度に新東名、新名神の東京-大阪間で実用化させる計画です。実用化すれば、先頭のトラックだけ運転士が乗り込み、後のトラックは無人で走ります。

 ただ、隊列走行は新東名、新名神だけで行い、そのほかの高速道路や一般道では行いません。従来通り、トラックごとに運転士が乗り込みます。その運転士が乗り降りする場所が必要となるのです。

 そこで国交省は、荷物の積み卸しや隊列の結合、分離を行う場所として、新東名、新名神の沿線3か所に拠点をつくる計画です。その場所は、海老名南、豊田、城陽の各ジャンクション付近。高速道路の結節点で、すでに多くの物流施設が集まっていることから、選ばれました。2022年度に整備する方針です。

 でも、以前にも書きましたが、隊列走行とか新しい技術を使うまでもなく、拠点間を少ない人数で大量に運ぶ手段があります。それは貨物列車を使うこと。貨物専用の新幹線ができればベストですが、そうでなくても在来線の貨物設備に投資して増強することが求められるでしょう。東海道はそれが求められる路線なのです。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/economy/news/190916/ecn1909160006-n1.html)

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亀山西ジャンクションはループ状

 3月に開通した新名神の亀山西ジャンクションですが、名古屋方面と京都・大阪方面、伊勢方面と京都・大阪方面の行き来はできますが、名古屋方面と伊勢方面の行き来はできません。

 しかし、21日にこの問題は解消されます。名古屋方面と伊勢方面の行き来ができるようになるのです。ところが、このジャンクションの構造が特殊なのです。

 どういうことでしょうか? 名古屋方面から伊勢方面に行く場合で説明します。名古屋方面から伊勢方面に直接行く道路がないので、車はいったん京都・大阪方面に向かいます。ジャンクションを過ぎたあたりで伊勢方面に向かうランプウェーがあり、そこに入ります。このランプウェー、ぐるっとUターンする構造になっていて、このまま進めば名古屋方面に行く本線に入ります。やがて伊勢方面に行く道路があり(これまで京都・大阪方面から伊勢方面に向かうために使う道路)、そこに入ることで伊勢方面に行くことができるのです。伊勢方面から名古屋方面に行く場合はこの逆です。

 それにしても知っていないと迷ってしまいます。名古屋方面から伊勢方面に行くつもりが、そのまま京都・大阪方面に行ってしまったり、名古屋方面に戻ってしまったりすることもあり得ます。このような複雑な構造になったのは、いろいろな事情があったからでしょうが、注意しないと迷うことは確実です。
(参考:朝日新聞12月4日朝刊 中部14版)

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