将来の高速道路は車線が狭くなる?

 自動運転が普及すれば、高速道路も変わるようです。

 NEXCO東日本によれば、自動運転の車はちゃんと前を向いて走ります。人間が運転する今のように、道路に余裕を持たせる必要はありません。車線の幅は今より狭くて良いのです。

 そして、車線の幅が狭くなることによって、必要なスペースが少なくなります。交通量の多い区間では、車線を増やすこともできます。インターチェンジを増やすこともできます。ETC専用ではなく、自動運転専用のインターチェンジになるようです。

 歩行者などがいて複雑な一般の道路はともかく、高速道路に関しては、自動運転が普及することによって、まるでベルトコンベアのように何もしなくても勝手に目的地のインターチェンジまで運んでくれるようになるかもしれません。インターチェンジから出るときとサービスエリア・パーキングエリアに寄るときだけ、手動運転になるのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127579)

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タイヤ摩耗による粉塵、ヨーロッパで規制へ

 道路で車が走ると、タイヤは摩耗します。どこに消えるのかと言えば、粉塵となってしまいます。イギリスの大学のインペリアル・カレッジ・ロンドンが2月に発表した報告書によれば、タイヤの摩耗による粉塵は世界全体で年間約600万トンになると推計されています。粉塵の大きさは目に見える大きさのものからナノレベルの粒子まで様々です。大きさによって、大気中に漂ったり、道路から川や海に流れ出したりします。ただ、健康や環境にどのような影響をもたらすか、今のところ十分には分かっていません。

 そこでEU=ヨーロッパ連合のヨーロッパ委員会は2022年11月、タイヤの摩耗について新たに規制する方針を打ち出しました。その規制をつくるため、2024年中にタイヤの摩耗の測定方法などを検討します。

 タイヤの摩耗の問題は、ガソリン車からEVに変えても解決できるわけではありません。むしろEVは大きなバッテリーがあるため車体が重く、ガソリン車に比べて粉塵の量が2割ほど増えます。結局、タイヤから出る粉塵の量を減らすには、車の利用を抑えないといけないでしょう。しかし、無理にローカル線を使う必要はありません。新幹線や大都市圏の通勤電車のように使える鉄道だけで構いません。そういう路線で鉄道を使う割合を増やすことが必要なのでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230811/k10014160301000.html)

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北陸鉄道石川線を廃止すれば、道路整備費用等に年間5~10億円

 北陸鉄道石川線には廃止のがあります。2021年度の輸送密度が1391、新型コロナウイルスの前の2018年度だと1952なので、JRの一部ローカル線のように、鉄道で運営するのはどうやっても無理だというほどではありません。

 ところで、もし石川線を廃止した場合、どれくらいの費用がかかるのでしょう? 金沢市周辺自治体で構成する石川中央都市圏地域公共交通協議会は、北陸鉄道石川線・浅野川線のありかたを検討する資料となる調査結果を公表しました。

 まず、鉄道を廃止すると、地元自治体は公共交通を維持するために、コミュニティバスを走らせたり、タクシー券の補助を行ったりする必要が出てきます。渋滞緩和のための道路をつくる必要が出てきます。それにかかる費用は少なく見積もっても年間4.8億円、最高だと年間10.2億円かかります。このうち、道路建設にかかる費用は年間3.1億円かかります。これに対して石川線の2021年度の赤字は1.4億円、今後求められる設備投資額は、1年当たりにすると3.3億円。合計すると4.8億円です。鉄道の赤字を負担し、設備投資を負担しても、バスや道路建設などの費用よりも安くつくのです。

 また、鉄道が廃止になった場合、バスに移行せずに車を使う人が相当数出てきます。石川線の場合、鉄道を廃止すると並行するバスに移るのは半分ほどしかいません。利用者の不利益を貨幣に換算すると、年間約6億円になるとも言われています。また、鉄道を廃止することによって運行経費は減りますが、それ以上に運賃収入が減るので、赤字の額は減りません。バスに転換してもメリットがないのです。こう考えると、石川線を廃止せずに鉄道を維持するのが賢明と言えます。

 余談として、西金沢で北陸線に乗り入れ、金沢まで行くという話があるようです。ただどうやって新幹線の高架をくぐって接続するのか、電化方式や電圧の違いをどうするのか、線路使用料をどうするのかなどの課題があり、すぐにできる話ではないようです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/ishikawasen-arikata202307/)

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アクアライン、休日午後の上りだけ値上げの社会実験

 川崎と木更津を結ぶアクアラインは、通行料金が800円(普通車の場合)に値下げされているので、多くの車に利用されています。しかし、あまりにも安いので、休日午後を中心に混雑しています。

 そこで国交省、千葉県、NEXCO東日本は、7月22日から2024年3月31日までの休日(1月2日、1月3日、2月12日を含みます)の13時から20時までの間に、上り(川崎方面)を使う人の料金を1200円に値上げします。逆に20時から24時までの間は、600円に値下げします。軽自動車等から特大車まで5車種が対象です。平日や下り(木更津方面)に関しては変わりはありません。

 アクアラインは建設費がかかったこともあり、料金に関しても税金で値下げされています。それだけならいいのですが、JRの客を奪い、内房線は君津までの通勤特急だけになってしまいました。廃止になるほどではないのですが、惨敗です。そこまでアクアラインの混雑が深刻なら、それなりの値段まで値上げするのは当然とも言えるでしょう。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/126542)

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高速道路のトラック、速度規制を緩和?

 高速道路の最高速度は長い間、時速100キロとされていましたが、最近は最高速度が引き上げられるところが出ています。この3月も、常磐道の桜土浦-岩間間で最高速度が時速100キロから時速110キロに引き上げられました。

 しかし、そういうところでも大型トラックは例外です。時速80キロのままです。大型トラックは2003年から、リミッターの装着が義務化され、時速90キロ以上のスピードは出せません。車はスピードをオーバーすると事故につながりやすいのですが、特に大型トラックはその危険性が高いからです。

 ただこれだと時間がかかるので、大型トラックの業界団体は、一定の安全設備を備えたものについては、最高速度を時速100キロにすることを要望しています。仮に時速100キロで東京-大阪間を走った場合、今よりも1.5~2時間、拘束時間が短縮されます。もともとドライバーが少ないのに、2024年度からはトラックドライバーにも時間外労働に対する上限規制が適用され、さらに運ぶことができる量が少なくなります。スピードアップでその事態に対応しようとしているのです。

 もっとも、単純にスピードアップすれば話が解決するのかと言えばそうではありません。いろいろな要因が絡んでいるのです。また、大型トラックもちゃんと規制を遵守するとは限りません。外から見て安全装置があるのかどうか分かりませんから、最高速度が引き上げられると、十分な安全装置がなくても時速100キロで飛ばす不良業者が出てくることは十分予想されます。

 そもそも、隊列走行とか自動運転とかいろいろ新技術で対応しようとしていますが、それよりも東京-大阪間などの幹線は鉄道での輸送をもっと増やすようにしたほうが良いのではないでしょうか? 鉄道なら大量の貨物を一気に運ぶことができます。必要となる人数も少ないです。そして小回りの利くトラックは地域内の輸送中心になれば良いでしょう。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/125315)

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沖縄の安い高速料金がETC限定に?

 沖縄には沖縄道という高速道路があります。この沖縄道は1999年に導入された「沖縄特別割」以来、ほかの高速道路に比べて安く設定されています。一般道の混雑緩和を目的としたもので、20年以上続いています。このため、那覇から許田までの57.3キロを乗り通しても、普通車で1040円しかかかりません。

 ただ、沖縄には高速が沖縄道しかなく、しかも先ほども述べたとおり安いためか、ETCの普及率は低いです。NEXCO西日本管内の普及率は平均で約92%であるのに対して、沖縄道では約66%に留まっています。このため、料金所に起因する渋滞がかなり発生し(ほかの地域では、ETCが普及したので、料金所での渋滞は減っています)、ランプなどでの追突事故も全国平均の約2.7倍起こっています。

 そこでNEXCO西日本は、現行の沖縄道の特別割引(35.5%も安くなっています)を2024年4月以降も継続する場合は、ETC車限定にする方針です。特別割引をETC限定にすれば、非ETC車の高速料金は単純計算で1.5倍になりますので、ETCを付けざるを得ないでしょう。ETCの普及率を上げるためには、やむを得ないでしょう。むしろ、ETC限定の割引にするのが遅すぎたのかもしれません。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/124850)

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ドラえもんが生まれても高速道路は有料

 高速道路は一部を除いて有料ですが、建設費を返済すれば、無料になります。ただし、その時期はかなり先です。42年先の2065年です。元々は2050年だったのですが、2012年の中央道笹子トンネル事故で巨額の老朽化対策費が要ることがわかり、期限が延びたのです。

 この期限がさらに延びます。大規模な更新や補修が必要な箇所がどんどん増えたのです。国交省の有識者会議が期限の再延長を求め、延びることになりました。新しい期限は50年延びて2115年、このblogを見ている人のほとんどはこの世にはいないでしょう。何しろ、ドラえもんが生まれて3年後の話です。

 と言うことは、ドラえもんが生まれても高速道路は有料なのです。気の遠くなる話です。ここまで先の話なら、「高速道路は永久に有料」というほうが正直なのかもしれません。高速道路に乗れば速くなるので特急料金みたいなものを課しても理屈は合いますし、維持のためのコストも要りますから。
(参考:朝日新聞1月16日朝刊中部14版)

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高速道路にETC専用インターチェンジ

 ETCを持っている人しか使えないスマートインターチェンジというものがありますが、最近は既存のインターチェンジもETC専用になるところがあるようです。すでに首都高速やNEXCO東日本、NEXCO中日本の一部インターチェンジや出入口で2022年春から行われていましたが、NEXCO西日本の11か所の料金所でも2023年春からETC専用になります。

 ETC専用になるのは新名神の茨木千提寺、第二京阪の城南宮南(入口)、伏見(入口)、交野北(入口)、浜田道の瑞穂、高松道の津田東、徳島道の美馬、高知道の伊野、今治小松道の東予丹原、東九州道の都農、長崎道の多久です。なお、ETC専用となった料金所では、これまで現金を取り扱っていたレーンは、誤進入した車の案内を行うレーンになります。現金で支払う車はここで対応することになります。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/123063)

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自動車に走行距離課税?

 高速道路等を除いて道路の通行料は無料なので、道路の維持管理の費用はどこかから調達してこなければなりません。

 これまでは、ガソリンにかかる税金で対応していました。しかし、電気自動車が普及すると、ガソリンに税金をかける方法では税収が減ってしまいます。これでは維持管理の費用は賄えません。電気自動車と言えども、道路を使っていることは変わらず、しかも電気自動車はガソリン車に比べて重たく、道路への負担も大きいのに。

 そこで出てきたアイデアが、走行距離に応じて課税するという案。結局、以前から出ているが再び出てきたのです。

 この話は車の利用者からの反発を招いていますが、電気自動車だから負担がないというのもおかしい話で、冷静に考えれば妥当なところでしょう。車は短距離に適した乗りものであり、長距離のドライブを楽しみたい人からはそれなりのお金をもらえば良いのです。

 また、戦争や円安などの理由でガソリンなどの値段が上がり、それを押さえ込むため多額の補助金で価格を抑えています。使う立場からすれば安いほうが良いでしょうが、ガソリンが安いということは資源の無駄遣いを助長します。次の選挙に勝つためならガソリンを補助金漬けにして安く抑えるのが上策ですが、次の世代のためではありません。ガソリンが高ければ、燃費を向上させることを考えるでしょう。それを考えたら、ガソリンを補助金で安くするというのはあまり賢明ではないのかもしれません。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65478590W2A021C2EP0000/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2022/10/27/363386.html)

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大阪市、阪和線横の土地を有効活用へ

 阪和線の大阪市内は2006年に高架になっていますが、元々ここは阪神高速と一体化してつくられる予定でした。高架になる阪和線の線路の上に、阪神高速泉北線をつくる計画だったのです。

 しかしこの計画は阪神・淡路大震災の影響もあって消え、代わりに阪和線の高架の横に都市計画道路をつくることになりました。天王寺大和川線と呼ばれる道路は、2005年に都市計画決定されています。ところがこの都市計画、全然進んでいません。一部は駐輪場や公園などとして使われていますが、大半はフェンスで囲われたままで、何も使われていないのです。

 この事態を打開しようと大阪市は、法人を対象に阪和線横の土地の有効活用に関する提案を受け付けることにしました。11月中に受け付ける予定で、そこで出た提案を基に、その提案を実現するための事業者を選び、確保した土地を活用することにします。土地があるなら阪和線の部分複々線化をすれば良いのですが、多分それはないでしょう。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/122235)

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