日本のガソリンは高いのか?

 「日本のガソリンは高い、特に税金の負担は重い」とよく言われますが、本当にそうなのでしょうか? 参議院の選挙結果を受けて、ガソリンの税金は下がりそうですが、この機会に諸外国と比較してみることにしました。数字は基本的に2024年第3四半期のものです。

 結果は意外なものです。OECDに加盟している国で比較可能なデータのある35か国で比較してみます。小売価格はアメリカの次に安く、34位。揮発油税や消費税などからなる税金(当然国によって呼び名が違います)の率も41.5%も全体から見るとかなり低い部類です。率で言えば下から7番目の低さです。税金も低く、小売店の利益も低いので、諸外国に比べてかなり低い部類となっています。

 当然アメリカは安いです。しかし、アメリカと比較をしてはいけません。日本と国情がかなり異なり、車がないと生きていけないような過疎地帯が主体です。旅客輸送で鉄道が使える国ではありません。日本と比較できるのは、ヨーロッパの国々です。G7のイギリス、フランス、ドイツ、イタリアあたりを見ると税金は50%台で、日本より10%以上高いです。小売価格も当然高く、1リットル300円を超える国もあります。税金が日本とほぼ同じ(41.9%)、お隣の韓国でも1リットル220円はします。日本はむしろ激安の部類です。

 車がないと生きていけないのは事実ですが、地球への影響を考えると、過度の使用は控えないといけません。ガソリンはどちらにしても輸入しなければならないものですから、減らすことができればその分貿易赤字は減ります。そういう意味では、ガソリンは逆に高くなっても仕方がないでしょう。ガソリンにかかる税金を減らすぐらいなら、燃費を下げる研究に使うか、鉄道などの公共交通機関を整備するほうに投資したほうが賢明です。オイルショックのときは研究を重ね、省エネの車をつくりました。そういう方向に走らなくなったのが残念なことに日本の現状なのです。
(参考:財務省ホームページ https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/133.pdf)

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万博の駐車場がガラガラなのはむしろ喜ばしいこと

 万博の駐車場がガラガラです。

 万博会場のある夢洲には駐車場はなく、その隣の舞洲、そして堺と尼崎にP&R用の駐車場を用意しています(P&R用の駐車場からはシャトルバスに乗り換えます)。合計で1.1万台あまりの駐車場を用意していますが、ガラガラなのです。4月時点でのデータですが、4月中の駐車場利用率は週末で3割程度、平日だと1割程度しかありません。なぜこれほどまでガラガラなのでしょうか?

 「駐車場料金が高い」という声があります。確かに駐車場料金にはシャトルバスの料金が含まれていますが、少し離れた堺や尼崎でも5000円します。舞洲だと5500円します。しかも、繁忙期や朝の入場、阪神高速の指定された出入口を利用しない場合には料金が上がります。

 ただ、これだけが理由ではありません。駐車場が高いだけなら、近隣の駐車場に停めて、そこから地下鉄やシャトルバスで夢洲に行けばよいのです。シャトルバスも桜島からならたくさん出ていて、朝を除けば予約なしで利用できます。それも大きな話題になっていないのは、なぜでしょうか?

 そもそも、万博協会がこのような大規模の駐車場を用意したのは、2005年の愛知万博を参考にしたからです。愛知万博のときは早々に非公認の駐車場ができあがりました。空き地などを使ってお金を稼ぐのです。そのような動きが今回目立たないのは、名古屋と大阪の交通事情の違いでしょう。大規模なイベントに行くのに車を使うか、電車で行くかの発想の違いです。公共交通機関が発達していないか、それとも発達しているかの違いなので、どうしようもないです。むしろ、環境のことを考えたら車で行かずに公共交通機関で行くのは喜ばしいことです。

 入場口が駅のある側だけ混むのなら、反対側に流す方法を考えたほうが良いです。歩道をつくるか、駐車場用のシャトルバスを転用して東西のゲートを結ぶ無料シャトルバスを走らせたら良いのです。そして、どうしてもOsaka Metro中央線に負担がかかり、何らかのトラブルのときには入場者が帰宅できない、ということになります。そうならないことが望ましいですが、もしそうなった場合は桜島に流さないと仕方ないでしょう。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20250505-52TVVXKF7NLVBC4MTMQMNAUSLE/、大阪・関西万博ホームページ https://www.transport.expo2025.or.jp/pdf/Table_of_Fees.pdf)

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成田空港で「白タク」利用者が増えている?

 日本の空の玄関のひとつである成田空港。この成田空港へのアクセスとして使われている交通手段は何でしょうか? 成田空港会社は時々、アクセス交通についての実態調査を行っています。今回の2024年度と前回の2018年度を比較してみることにしました。

 アクセスは大きく分けて鉄道、バス、それ以外の車に分けられます。鉄道は2018年度の46%から2024年度の56%に増えています。好調なのが、「スカイライナー」。13%から19%に増えています。時速160キロという圧倒的な速さで本数が増えています。

 これに対して減っているのが、リムジンバス。「エアポートバス東京・成田」のように本数が多い便は、減っても何とか運行を維持していますが、本数の少ない系統を中心に大幅に減っていたり、廃止になったりしています。ちなみに、かつて成田空港へのリムジンバスがたくさん出ていたTCATからのバスは前回に比べて1/3ほどに減っています。空港から比較的近い千葉県の便の減りは小さいです。

 なぜリムジンバスは減ってしまったのでしょうか? いったん新型コロナの影響で大きく減り、その後、運転士不足の影響も受けているのでしょう。郊外からの便は日本人が主体のため、インバウンドの恩恵を受けず、存続できなくなっているのです。外国人が使いやすい、主要ターミナルへの便が主体になっています。

 鉄道やバス以外の車は、13%から17%に増えています。何が増えたのかと言えば、タクシー。2%から6%に増えています。外国人に限ると、4%から10%に増えています。このタクシーの利用者に、いわゆる「白タク」利用者が含まれると言われています。単なる違法タクシーで、運転士も外国人、運営会社を経営しているのも外国人で、日本人はインバウンドの恩恵を受けません。

 世の中にはライドシェアを積極的に推進する人がいますが、ライドシェアが求められるのはほかに交通手段がない過疎地であって、大都市や空港輸送などはタクシー会社に稼いでもらえば良いのです。お金持ちの人にはそのサービスに見合ったお金を払ってもらえば良いのです。会社が儲かったら、税金というかたちで還元してもらえば良いのです。反対に「白タク」は取り締まっていただき、収益を吸い上げてもらいたいものです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/naritaairportbus2025/、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/dda2926eac76cf12b6fe862047df3bef26700488)

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公共交通を使う栃木県民は2割もいない

 県庁所在地の宇都宮にLRTが開業して公共交通機関が便利になった栃木県ですが、実際どれぐらいの人が公共交通機関を使っているのでしょうか? 栃木県が毎年行っている世論調査で判明しました(公共交通に関する質問は初めて盛り込まれました)。

 日常生活の中で鉄道、バス、タクシーなどの公共交通機関をほとんど使わない、と回答した人は何と83.3%。逆にほぼ毎日使うのは3.3%、1週間に数回利用する人は2.5%、そして1か月に数回利用する人は9.9%なので、合わせてたったの15.5%です。

 それでは、なぜ公共交通機関を使わないのでしょうか? 公共交通機関を使う人にも使わない人にも聞いています。一番多かった回答は運行本数が少ないことで、そのほか、自宅や目的地から駅やバス停が遠いこと、乗り継ぎに時間がかかることが続いています。なお、運行本数が少ないことを挙げた人には地域差があり、宇都宮市が含まれる県央エリアは比較的少なかったです。県庁所在地なので、それなりに本数があるのでしょう。

 もっとも、公共交通を使う人に公共交通のサービスや運行状況の満足度を聞いたところ、満足していると回答した人が2/3ほどいましたので、公共交通に関する不満は、日ごろ使わない人の思い込みの要素もあるかもしれません。使ってみれば、それほど悪くはないのかもしれません。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20241220-OYT1T50048/)

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JR東日本がライドシェア

 公共交通機関で行くときの問題は、駅から先の交通機関。近ければ良いのですが、遠いと何らかの乗り物が必要になります。しかし、バスやタクシー、レンタカーがありそうな都市部ならともかく、地方ならそういうことも期待できません(もっとも、在来線も期待できない地方なら、新幹線の駅から一気にレンタカーで行ったほうがスムーズです)。

 そのようなバスなどがない地方でカバーする役割が期待されているのが、ライドシェア。公共交通が充実している大都市や、それなりのお金を取れば良い空港などとの長距離輸送とは違い、過疎地域ならライドシェアは適切な交通手段です。

 このライドシェアにJR東日本が参入します。自治体が運行を管理する、「公共ライドシェア」の枠組みを使い、タクシーの稼働台数が少ない、深夜、早朝(22時~翌7時)に運行します。自社の社員(ワンマン運転などで鉄道の効率化が進んでいるため、ライドシェアに人員を投入する余裕があるようです)やOBがドライバーとなり、車両はグループ会社のレンタカーを使います。2024年度中に南房総市や館山市で走らせる予定です。

 また、秋田県内では、JR東日本が運行しているオンデマンドバスの営業時間外にライドシェアを行う計画があるようです。そして、これらのライドシェアが好調なら、ほかの地域にも拡大するようです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20241221-OYT1T50064/)

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タクシー代に100円追加すれば、環境配慮

 人間は生きている以上、何らかの環境への悪影響があります。それを抑えようとするには、悪影響を与える物質を除去しないといけません。当然お金がかかります。その費用を稼ぎ、かつその汚染物質の排出量を減らすための方法として、汚染物質を出す人に負担を課すというものがあります。

 そんな中、タクシー大手のエムケイは、脱炭素の取り組みを進めるため、貸し切りタクシーやハイヤーの利用料金に100円を追加すれば、温室効果ガスの排出量削減に貢献することができるという取り組みを12月から始めます。追加でもらったお金で二酸化炭素排出枠を買い、実質的な排出量をゼロにします。追加料金の対象となるのは、電気自動車。ガソリン車から電気自動車に切り替えると、走行時に出る二酸化炭素排出量が4割になります。しかし、電気自動車の動力源となる電気をつくるときにも二酸化炭素は発生します。ガソリン車を電気自動車を変えるだけでは温室効果ガスを実質ゼロにすることはできないのです。そこで出てきたのが、二酸化炭素排出量に見合う額を追加で払ってもらい、そのお金で排出枠を買うという方法なのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASSC23RSGSC2PLZB024M.html?iref=pc_ss_date_article)

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道の駅がイオンモールに

 亀山と天理を結ぶ自動車専用道路、名阪国道にはサービスエリアのほか、道の駅もあります。その中の一つに、針テラス(奈良市)があります。2001年に開業した道の駅で、飲食店や売店、入浴施設まであります。

 この針テラスですが、再整備されることになりました。実はこの針テラスを運営していた会社とトラブルになっていたので、新たなテナントが入らず、施設も老朽化していたのです。入浴施設以外の約5.7ヘクタールが対象で、公募の結果、イオンモールが優先交渉権者に選ばれました。これまでの豊富な開発実績が評価されたようで、ガバナンスやコンプライアンス体制が構築されているのが評価されたようです。単純に言えば、トラブルが起きにくいことが評価されたのでしょう。イオンモールとは、11月中に基本協定書を締結し、2030年4月の供用開始を目指します。南欧風の既存の建物は取り壊し、新たな施設を建てるようです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20241019-OYTNT50022/、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/38cf2368adbc5d0b4db7264d596ab27511b25d38)

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高速道路、時間帯によって料金を変える

 高速道路はいつ乗っても料金が変わらないのが原則。しかし、政府は渋滞緩和のため、高速道路の料金について、時間帯によって料金を変える「ロードプライシング」を本格的に導入する方針です。

 この「ロードプライシング」、全くの新しい話ではありません。2021年の東京オリンピック・パラリンピックの際、首都高速で行われましたし、現在もアクアラインにおいて、2024年度末までの社会実験として行われています。通常、ETCで800円のところ、休日の上り線では13~20時の間は1200円と高くし、20~24時は逆に600円と下げています。これにより、混雑が予想される時間帯からの移行を狙っています。これを拡大して、全国に展開しようとしているのです。

 まず、2025年度はアクアラインで料金の変動幅を広げます。そして、2026年度からは順次、路線を拡大させます。なお、この「ロードプライシング」の導入には料金所のETC専用化が前提になるようで、ETC専用化は2030年度ごろまでに実現させます。また、これによって通勤で高速道路を使う人が困らないよう、特定区間を多く利用する人の高速料金を最大半額にする「定期パス」の制度を全国に拡大します(現在は一部の道県で試験導入中です)。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240505-OYT1T50114/)

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「上瀬谷ライン」の代替案は連節バス

 横浜市は米軍上瀬谷通信施設跡地で2027年に行われる、国際園芸博に合わせて、瀬谷との間に新交通システムを走らせることを考えていましたが、運営事業者に考えられていた横浜市の第三セクター、横浜シーサイドラインに断られ、新交通システムは幻になってしまいました。

 とは言っても、このあたりの人口は多く、公共交通が求められています。鉄道はおろか、バスすらないところもあります。今のままで良いわけではありません。

 そこで横浜市が考えているのが、連節バス。瀬谷から跡地までの約2キロの間はトンネルを掘り(元々は新交通システムが走るはずだったトンネルです)、そこに連節バスを走らせます。連節バスは自動運転で、最大3台の隊列を組んで走ります。一気に多くの人を運ぶことができるのです。このような連節バスを走らせることによって周辺の渋滞を抑えることができ、専用道路の距離が短い分、コストや建設期間を抑えることができます。総事業費は約466億円と見込んでいて、2030年代前半の運行開始を目指しています。

 また、バスの話からは離れますが、国際園芸博の会場付近に東名のインターチェンジをつくるという話もあります。国際園芸博の後に公園を整備しますが、災害時には全国の消防や自衛隊を受け入れる広域応援活動拠点になるようです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS297SG8S29ULOB01C.html)

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高速道路が有料に

 地方の高速道路の中には、無料のところもあります。NEXCOではなく、国交省が建設したためです。場所によっては並行している鉄道が貧弱なローカル線に留まっているところもあり、そういうところは公共交通に最後の一撃を与えています。

 ただ、そのような無料の高速道路は、高速道路としても不十分なところも多いです。対面通行のためスピードが出ず、反対車線から車が飛びだしてくる危険性もあります。4車線にならないと本格的な高速道路とは言えません。

 そんな中、西九州道の佐世保大塔-佐々間(約16.9キロ)が4車線化されます。2024年度に完了する予定です。長崎県がこの区間の4車線化を求めていたもので、その4車線化が完了すると、佐世保中央-佐々間は国交省からNEXCO西日本に移管され、有料区間となります。国交省が建設した無料の高速がNEXCOに移管され、有料となるのは初めてのことのようです。

 ただし、今回有料となるのは、武雄ジャンクション方面から利用するケースのみ。佐世保中央-佐々間のみを利用する場合は、NEXCO移管後も無料のままです。料金所の設備の都合もあるのでしょう。

 このように無料の高速が有料になるのは、ほかにもあります。京都の山陰近畿道(宮津と鳥取を結びます)でも、京都府が整備している無料区間を2025年度から有料化します。この収益で未開通区間の整備に充てるようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/130893)

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