小湊鐵道は安房小湊を目指していた

 小湊鐵道は五井と上総中野との間を結んでいますが、小湊鐵道の小湊はどこのことを指すのでしょうか? 

 それは安房小湊。日蓮聖人の生誕の地に建立された誕生寺で有名なところです。もともと小湊鐵道は五井から安房小湊に向かうためにつくられた鉄道でした。実際に認可も受け、工事も行われていましたが、結局完成せず、途中の上総中野で止まっています。小湊鐵道のホームページには五井から上総中野までの各駅の情報が載っていますが、それとともにかつて目指していた安房小湊の情報も載っています。

 さて、今回紹介したいのは、小湊鐵道の観光タクシー。GSSP(国際境界様式地)に認定されたチバニアンなど、駅から離れた観光地にも楽に行くことができます。行き止まりの久留里線の上総亀山に行くこともできます。いくつかモデルコースはありますが、自由に組むことができます。値段は4人乗りのセダンタイプの場合で、30分ごと3330円です。

 小湊鐵道のホームページには、安房小湊を目指すプランは載っていませんが、タクシーなら、本来の目的地の安房小湊に行くこともできそうです。
(参考:小湊鐵道ホームページ https://www.kominato.co.jp/train/station/awa-kominato/index.html、https://www.kominato.co.jp/taxi/index.html)

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道内の貨客混載、バスは苦戦

 列車、バス、タクシーの空きスペースを使って荷物を運ぶ貨客混載。北海道でも貨客混載を行っているところはたくさんあります。内訳は鉄道が北海道新幹線を含んで3区間(いずれもJR北海道)、バスが11社17区間(11社には自治体が運営しているものも含みます)、タクシーが5社5地域です(飲食の宅配を除きます)。ところが、その全25区間、地域のうち、半分を超える13区間が実質的に休止状態です。すべてバスです。バスで今も貨客混載を行っているのは、十勝バス、北海道北見バス、士別軌道、ふらのバスの4社4区間のみです。

 なぜバスだけが苦戦しているのでしょうか? 先ほども述べたとおり、バスで休止しているのは13区間ありますが、占冠村営バス以外は運ぶ荷物がなく、宅配便会社からの委託がなくなったのです(ちなみに占冠村営バスは新型コロナウイルスの巣ごもり需要で荷物が増えすぎたのが休止の原因だそうです)。残っている4区間もあまりよくありません。荷物の多い路線はそれだけ客も多く、客席をつぶしてまで荷物を運ぶ必要はありません。バス会社に荷物を委託しているヤマト運輸は、運行ダイヤや荷物量を考えながら、適切なものになるよう、改善を図る方針です。

 逆にタクシーが好調な理由は、運行経路やダイヤの制約がないこと。待ち時間を有効活用し、1日10~50個の荷物を運びます。経営の助けになっているタクシー会社もあるようです。JR北海道も具体的な数字は挙げていませんが、好調なようです。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/578091)

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無料の高速道路をなくす方針

 基本的には高速道路は同じ区間ならば、いつ利用しても同じ料金です。しかし、その原則が変わる方針です。国交省が混雑時に値上げをする新料金制度「ロードプライシング」を本格的に導入する予定です。これが導入されれば、混雑が予想される道路や時間帯で料金が高くなります。ゴールデンウィークやお盆などの繁忙期には休日割引がなくなります。深夜割引は適用となる時間帯が増えるようですが、深夜に走行した分だけが割引となります。逆に空いている時間では、料金を安くするケースもつくります。すでに現在、首都高速では、東京オリンピック・パラリンピック開催期間限定で、このような「ロードプライシング」が行われています。日中から夜間にかけては乗用車の場合1000円高くなり、深夜から未明にかけては半額になります。

 「ロードプライシング」の本格導入が考えられているのは、大都市圏の渋滞する区間。具体的な区間や時間帯、金額は今後の検討課題のようですが、中央道の小仏トンネルや東京湾アクアラインなどで2022年以降の休日に試行を行います。値上げする区間、時間帯、金額があらかじめわかるようにしておくことや「ロードプライシング」で増収になった部分は混雑する区間の渋滞解消対策に充てることが求められるでしょう。

 そして、高速道路は基本的に有料ですが、2065年までに無料とする方針です。元々は2050年までだったのですが、老朽化に伴う費用が必要だとして、2014年に15年間延長されました。この方針が変わります。いずれ無料化することには変わりありませんが、その時期は決めないことにします。事実上の永久有料化ということでしょうが、高速道路の維持にはお金がかかりますので、そのコストを利用者に負担させるのはおかしい話ではありません。高速道路とは別に一般道がありますから、急ぐなら追加料金を払うことはある意味理にかなっています。地方にある無料の高速道路については、原則有料に切り替えていきます。これは大賛成です。需要のある区間は利用者の払った料金でつくられますが、そうでない区間が税金でつくられ、無料となっているのですが、そういうところは本来つくるべきではなかったのです。国道で十分だったのです。地方の自治体が自らの負担でつくるのまでは否定しませんが、少なくとも国のお金を投じるところではなかったのです。これからは維持費をどうやって賄うかが重要で、無駄な高速道路をつくる誘因は潰しておかないといけません。
(参考:朝日新聞7月27日朝刊 中部14版)

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新幹線の予約状況からタクシーの台数を決める

 本州の北の端にある龍飛崎。新幹線で最寄りの奥津軽いまべつからは、鉄道とバスを乗り継いでいくことになります。

 ところが、奥津軽いまべつで乗り換えて乗る在来線の鉄道は、津軽線。本数は極めて少ないです。2019年の夏から、「はやぶさ1号」(奥津軽いまべつ10:07着)に合わせて臨時列車を走らせてきました。2021年も7月の休日と、8月21日から9月までの休日に走らせますが、臨時列車なので毎日走るわけではありません。そこで臨時列車が走らない日(8月1日、7~15日)について、奥津軽いまべつから龍飛崎方面に乗合タクシーを走らせることにしました。乗合タクシーは奥津軽いまべつを10:20に出て、龍飛崎には11:00ごろに着きます。奥津軽いまべつから臨時列車に乗り換えた場合、龍飛崎には11:33に着きます(三厩からは町営バス)。30分も早く着くのです。なお、乗合タクシーを走らせるのは、奥津軽いまべつ-津軽中里間で予約制乗合タクシーを運行している、有限会社奥津軽観光です。

 さて、タクシーの台数はどうやって決めるのでしょうか? 「はやぶさ1号」に乗って奥津軽いまべつで降りる人のデータから判断するのです。新幹線の予約状況から乗合タクシーの利用人数を予測します。何台にするか、小型を使うのかジャンボタクシーを使うのかということを予測します。このように新幹線の予約状況を活用するのは、これが2回目です(1回目は米沢で行いました。2021年3月のことです)。

 乗合タクシーの運賃は大人、子供ともに500円。乗車時に現金で払います。また、乗合タクシーは往路のほか、復路(龍飛崎14:30発、奥津軽いまべつ15:00ごろ着。奥津軽いまべつ15:35発の「はやぶさ34号」に接続)も運行されますが、往路を利用した人しか乗ることができません。往路は途中で下車することもできますが(乗車はできません)、復路は龍飛崎から乗って奥津軽いまべつで降りるだけで、途中での乗降はできません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/2021609_mr12.pdf)

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観光客の使う交通手段、新型コロナで鉄道から車にシフト?

 秩父は東京から手軽な観光地。鉄道でも西武や秩父鉄道で行くことができます。

 そんな観光地の秩父ですが、新型コロナウイルスの影響で、鉄道の利用者は減っています。秩父鉄道の長瀞駅で、2021年1月から3月の日曜日において、定期券利用客以外の乗降客の数を数えてみました(フリー切符は、長瀞駅で購入した人のみを数えています)。2019年の同時期と比べると、ほぼ半減していました。西武秩父駅の利用者も同じ傾向で、ほぼ半減しています。

 それでは車はどうでしょうか? 皆野寄居有料道路(管理は埼玉県道路公社)の通行量で見てみました。秩父鉄道と同じように、2021年1月から3月までの日曜日の通行量(排気量125cc以下の二輪車を除く)も2019年の同時期と比べて減っていました。しかし、その減り具合は小さく、2年前に比べて17%の減少に留まっています。

 日曜日の長瀞駅の乗降客は9割以上が観光客で、皆野寄居有料道路を利用する人も観光客が主体です。地元住民やリピーターは一般道を使う傾向にあります。つまり、長瀞駅や皆野寄居有料道路の利用動向は、観光客の動きを示していると言えます。観光客が鉄道から車にシフトするという、好ましくない傾向が伺えます。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20210517/k00/00m/040/026000c)

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「第2青函トンネル」の車は自動運転

 当blogでも何回か取り上げた、「第2青函トンネル」の話。新たな話が来ましたので、まとめておきます。

 「第2青函トンネル」は上下二段構造。上は道路で、自動運転車のみが走ります。排気ガスも以前の車に比べてかなり減っているので、換気塔等を設置する必要がないようです。自動運転ができない場合は追加料金を払って、自動運転ができる専用のトラックに載せます。通行料金は大型車18000円、乗用車9000円です(追加料金はそれぞれ2000円、1000円)。下は単線の貨物鉄道です。これで1本のトンネルを新幹線と貨物列車が共用している事態を解消し、新幹線は本来のスピードを出すことができるようになります。貨物鉄道は単線なので今のように列車の本数を維持することができるかどうか心配に思われるところもありますが、上りと下りを交互に走らせるのではなく、下りを何本か続け、その後に上りを何本か続けることによって輸送力を確保するのです。ただこの方式だとトンネルの入口で待たされ、荷主に都合の良いダイヤが組めなくなる危険性があります。

 「第2青函トンネル」は車と鉄道の両方を通すために、かなり大きなトンネルとなっています。青函トンネルが7.85メートル×9.4メートルの大きさであるのに対し、「第2青函トンネル」は内径15メートルです。最少土かぶりが30メートルなので、青函トンネルよりも浅いところを走ります。カーブがなく一直線に走り、トンネルの長さは31キロです。ただし、急勾配があり、最大25パーミルです。電車ならともかく、貨物列車には厳しい勾配です。

 ただ、全般的に見て将来実用化するであろう技術を当てにしているところもあります。長崎新幹線がそうであるように、これからの技術を当てにすると大きな失敗をすることもあります。博打です。また、道路にしても、トンネルまでのアクセスは考えられていません。せっかく「第2青函トンネル」をつくるのなら、複線の鉄道用トンネルを掘るほうがよいでしょう。
(参考:ITmediaビジネス ONLINE https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2101/16/news010.html)

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未成線のトンネルを拡幅して国道に

 佐賀県は、唐津市を走る国道204号線のバイパスをつくる事業を進めています。国道204号は民家が建ち並んでいるので狭く、交差点では渋滞するからです。

 そして、そのバイパスをつくるために、未成線のトンネルを活用しようとしています。もともと唐津から呼子へは鉄道をつくる計画(呼子線)がありましたが、国鉄末期にその計画は消えてしまったのです。トンネルの幅は3.8メートルしかなく(長さは487メートル)、単線仕様なので、このままでは車が通ることができません。片側1車線ずつ車が通ることができるように、幅を10.25メートルに広げます。トンネルの拡幅工事は2022年7月に終える予定ですが(拡幅にかかる費用は照明設備なども入れて約26億円です)、前後の区間の用地買収を終えていないので、バイパス自体の開通予定は未定です。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASN8Y7756N8YTTHB005.html、佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/567353)

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信楽高原鐵道、信楽駅で超小型EV「COMS」のレンタル開始

 鉄道などの公共交通機関で出かけた場合、ネックになるのが目的地への足。駅から近いところばかりではありません。

 そこで、信楽高原鐵道はトヨタ車体の超小型EV、「COMS」を用意して、信楽を訪れた人に貸し出していました。信楽の観光地は駅から離れたところに多く、バスも充実していないのです。「COMS」は1人乗りのミニカーで(普通免許が必要です)、最高速度は時速60キロ、1回の充電で57キロ(JC08モード相当での走行パターンによるトヨタ車体の測定値です)走ることができるので、駅からのちょっとした移動なら使えます。車が小さいので、駐車スペースも取りません。

 2019年9月から信楽高原鐵道は「COMS」の運用実証実験をしてきましたが、8月3日から正式にレンタルを開始しています。信楽駅に2台置き、10:00から15:30の間、2000円で貸し出しています。なお、レンタルの予約は行っていません。
(参考:信楽高原鐵道ホームページ https://koka-skr.co.jp/news/archives/1305、トヨタ車体ホームページ coms.toyotabody.jp、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/west/news/190921/wst1909210006-n1.html)

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地方の有料道路に交通系ICカード

 有料道路なのにETCが使えずに、代わりに交通系ICカードが使える、というところがあります。埼玉県道路公社が管理する新見沼大橋有料道路は2009年から交通系ICカードに対応していますから、10年以上の歴史があります。なぜなのでしょうか?

 その理由は、ETCよりも交通系ICカードのほうが導入費用が安かったからです。有料道路の通行料金は距離が比較的短いことから数百円と安く、数千円の料金がかかることもある高速道路の料金を前提としたETCのシステムより、数百円の運賃を前提とした交通系ICカードのシステムのほうが合っていたのです。実際に有料道路に導入したときは、コンビニのレジのシステムに近いものを導入したとのことです。

 ただ、交通系ICカードのシステムには欠点があります。車種を自動で判別することができず、有人で対応しないといけないのです。それなら無人の料金収受機のほうがいいのではないかとも思いますが、機械の更新には費用がかかり、左ハンドル車のためにレーンの両側に機械を置かないといけないのです。それなら、有人で対応したほうがいいという判断です。

 とは言っても、高速道路での料金支払いにETCが普及しているという現状から、ETC導入を決めるところもあります。ただ、高速道路で導入されているノンストップのETCは高価です。そこで、神奈川県道路公社は横須賀の本町山中有料道路において、2020年3月から5月の間、スマートETCと同じように一時停止はいるものの、安価に導入することができる「ネットワーク型ETC」のシステムを社会実験というかたちで導入しました。「ネットワーク型ETC」がなぜ安いのかと言えば、セキュリティ処理を遠隔地で行うため、現場の機器を減らすことができるからです。普通のETCが料金所1か所当たり10億円かかりますが、「ネットワーク型ETC」なら1/4で済むそうです。事実、神奈川県道路公社は、管理する4つの有料道路全てに「ネットワーク型ETC」を導入するようです。

 今後、ETCがないと高速道路に乗ることができないようになるかもしれません。そのときに地方の有料道路のETC導入を促進するため、「ネットワーク型ETC」を導入することが出てくるかもしれません。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/98931)

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新型コロナウイルスでサービスエリアのレストラン自己破産へ

 高速道路のサービスエリアには、売店や軽食堂、トイレのほか、レストランやガソリンスタンドなどの設備を備えています。ドライブインと違ってサービスエリアは50キロ程度の間隔をとってつくられていて、競合することはあまりありません。独占的にできる強い立場で、儲かるはずです。しかし、このサービスエリアの運営会社が経営破綻し、自己破産を申請する方向であることがわかりました。

 その会社は、北陸道小矢部川サービスエリアの上り線でレストランや売店を運営していた、小矢部サービスステーション(1973年6月設立、本店小矢部市、資本金7000万円)。5月8日までに事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任しました。負債総額は約2.5億円です。

 小矢部サービスステーションは売店で販売するお土産のます寿司や菓子の製造販売も行い、2010年6月期には約6億円の売上がありました。ところが近年は利用客の減少や客単価の下落などで売上高が減り、逆に原材料費や人件費は高騰したため、経営は悪くなりました。2019年6月期の売上高は約4.5億円、2017年6月期から3期続けて赤字で、債務超過に陥っていました。すでに2019年12月の段階でレストランを閉鎖していましたが、新型コロナウイルスがとどめを刺し、経営破綻に至ったのです。

 なお、小矢部サービスエリアの上り線は、レストランや売店は使えないものの、ガソリンスタンドや自販機、トイレは通常通り使えます。催事販売も随時行うようです。

(追記)
 小矢部川サービスエリア(上り線)は全面リニューアルを行い、12月18日に再オープンしました。ショッピングコーナー、フードコート、カフェを備えています。運営は同じ北陸道有磯海サービスエリア(上り線)で運営している業者が行います。
(参考:NEXCO中日本ホームページ https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=70、https://sapa.c-nexco.co.jp/topics?id=1465、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20200508/k00/00m/020/343000c、東京商工リサーチホームページ https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20200511_01.html、北日本新聞ホームページ https://webun.jp/item/7713689)

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