道東周遊記(1)
名古屋からいくつもの列車を乗り継ぎ、ようやく旭川へ。普通なら飛行機をつかうべきところだが。
まるで外国にいるかのような光景。奥のほうに見える木造の洋館は、かつて将校たちの社交の場として建てられたものである。今は旭川にゆかりのある彫刻家、中原悌二郎の作品を展示している。彼は32年の生涯の中で25点の作品を制作したが、12点しか残っていない。あとは彼自身の手によって壊してしまったのだ。何が彼をそうさせたのであろうか?
中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館の隣にあるのが、井上靖記念館。数々の文学作品を産み出したことで知られている井上靖は、1907年にここ旭川で生まれた。父が軍医の仕事で旭川にいたからである。井上靖は旭川に1年しかいなかったが、生涯旭川で生まれたことを誇りにしていたという。
一旦旭川駅前にもどって、お昼にする。今日のお昼は旭川ラーメン。醤油ベースのラーメンで、油分が多い。飛騨高山もそうだが、寒い冬を乗り切るための工夫なのだろうか?
再びバスに乗る。今度は川村カ子ト<かねと>アイヌ記念館へ。この記念館は川村家第8代目の川村カ子ト氏が、アイヌ民俗文化を正しく伝えるために私費を投じて建設したものである。
記念館の前の売店では、民族衣装の無料貸出も行っており、アイヌチセ(笹葺きのアイヌ住居)の前で記念写真を撮ることができる。
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