関門海峡 冬の旅(2)

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 本州の西端にあり、大陸への玄関口として栄えた下関。市内には当時の面影を残す洋館がいくつか残っている。写真の旧秋田商会もそのひとつである。屋上には日本庭園や灯台の役目をした塔屋がある。今は埋め立てが行われたため、海岸線はもう少し先にあるが、この建物ができた約90年前、海岸はこのあたりにあったのだ。


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 今回の宿はユースホステルだったが、そこでも夕食には下関名物の「ふく」(下関ではフグのことを「ふく」という)が出てきた。しかも、ひれ酒までがつくフルコースで。全10品のコースは満足できるものであった。

 下関には「ふく」のほかにもいろいろな魚が集まってくる。唐戸市場ではいろいろな魚が取引され、一般の人でも買い物ができる。訪れたのは日曜なので閉まっている店も多かったが、それでも賑わいをみせている。


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 下関駅からバスで20分ほど行ったところにある長府。毛利長府藩の小さな城下町だ。土塀と石畳の道が印象的である。毛利家の菩提寺である功山寺、長府毛利家が明治になってから建てた長府毛利邸もこのあたりにある。


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 本州と九州をわける関門海峡。一番狭いところでは1キロにも満たないが、潮の流れが速いため泳いで渡ることはできない。海峡の真下にトンネルがあり、そこを歩いて渡ることができる。かかる時間はたったの15分。

 もちろん、関門海峡をわたる手段としては橋もあるし、船もある。下関の唐戸から船に乗って、門司港に着いた。門司港も洋館が立ち並んでいる。今なお現役として活躍しているJR門司港駅もそのひとつである。関門トンネルがなかったとき、旅行者は船で関門海峡をわたり、ここ門司港から九州の汽車に乗ったのだ。

 私も門司港から電車に乗ることにしよう。(おわり)