祝 新幹線開業 南九州の旅(2)

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 3月13日に、九州新幹線は新八代-鹿児島中央間が部分開業した。残りの博多-新八代間は2012年度の開業を目指して建設が進んでいる。その間は、博多-新八代間は在来線の特急列車でつなぐことになるが、乗り換えの不便さを少しでも減らすためにJR九州は、新八代駅の新幹線ホームに特急「リレーつばめ」が乗り入れることができるように連絡線をつくった。これで、階段の上り下りなしに新幹線「つばめ」と特急「リレーつばめ」の乗換えができる。

 新幹線部分開業により、博多-鹿児島中央間の所要時間は3時間40分から2時間10分に短縮。さらに博多までの全線が開業すると、博多-鹿児島中央間が1時間少々、新大阪-鹿児島中央間が3時間30分ほどで結ばれる。早く全線開業してもらいたいところである。


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 新幹線「つばめ」の車内。「つばめ」は6両編成で、グリーン車はない。しかし、座席は自由席を含めてすべて4列シートである。車内の座席などの設備は、日本の伝統的な素材や色を生かしたものが多い。東海道新幹線など既存の新幹線とは違い、需要が少ないため、4列シートなどゆとりを持った設備を持つことができるのは事実である。しかし、新幹線の本数を1時間あたり1本に減らしたり、6両を4両に減らりたりせずにゆとりある設備にしているのは、すばらしいことである。

 新八代を出ると、川内<せんだい>以外は止まらない。海岸に沿うように走っていた在来線とは異なり、トンネルが全線の7割を占める。鹿児島中央までの所要時間はたったの39分、あっという間の新幹線の旅だった。


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 新幹線開業とともに、観光客用の列車が運転を始めた。真っ黒に塗られた特急「はやとの風」と真っ赤な「いさぶろう」「しんぺい」。どちらも車両の真ん中に展望スペースがあり、風景を楽しむことができる。駅での停車時間を多めにとったり、景色のすばらしいところで徐行運転するというサービスで鉄道の旅を楽しいものにしている。

 この2つの観光列車と、人吉以北を走る「九州横断特急」を組み合わせると、大昔の鹿児島線のルート。水俣経由の線路が開通するまでは、こちらがメインルートだったのだ。


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 新幹線開業とともに、八代-川内間がJR九州から分離され、第三セクター、肥薩おれんじ鉄道として再出発した。この区間は利用者が少ない区間のため、電車ではなく、1両編成のディーゼルカーが新たに投入された。

 聞くところによると、肥薩おれんじ鉄道の利用客は予想以上に悪いようである。肥薩おれんじ鉄道側も通学客以外の客を確保しようと対策を考えているらしいが、これといった妙案がないのも事実である。(おわり)