南紀熊野路バスの旅(3)
上野地で次のバスに乗ることにして、谷瀬の吊り橋をわたる。谷瀬の吊り橋は1951年に地元の人たちがお金を出し合ってつくった生活のための橋である。それまでは洪水のたびに流される、丸太橋だった。
全長297メートルの橋をわたる。前を見ると大したことはないが、下を見ると怖い。河原は何と54メートルも下にあるのである。晴れていた空が急に曇り、雪が舞ってきた。風も強く吹いている。さらに恐怖は増す。
何とか往復することができた。次のバスが来るまで、橋のたもとの店で過ごす。
今回の旅で使ったバス。新宮と大和八木を1日3往復(五条バスセンタ--湯の峰温泉間には区間便あり)、約6時間で結んでいる。時刻表では「特急」と称しているが、通過する停留所は少なく、車両も普通の路線バスのものを使っている。トイレの設備はなく、途中4ヶ所で休憩をとっている。高速バスを除けば、日本で一番長い路線バスかもしれない。(おわり)
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