97 東北 出会いと別れ(4)
鷹巣から秋田内陸縦貫鉄道の急行「もりよし」に乗って、角館へ。桜のシーズンのため、利用者は結構多く、混んでいる。高齢者のグループが多いように見受けられる。途中の阿仁合からは、高齢者の団体が後にくっついていた貸切車両に乗り込んだ。
角館は、昨日訪れた弘前と同じく、桜の名所として知られている。しかし、角館の桜はすでに散り始めていた。町の西側を流れる檜木内川の桜並木も、御覧の通り。残念。
角館は城下町として栄えた、みちのくの小京都。武家屋敷が立ち並び、美しい町並みをつくっている。少し離れたところにある、明治初期に建てられたレンガ造りの蔵も魅力的だ。
田沢湖は深さ423メートルという、日本一深い湖。透明度の高い湖の色は、真っ青。しかし、この湖には、魚はほとんどすんでいない。上流の鉱山から毒物が流れ込んで、魚は死んでしまったのだ。
田沢湖のヒロインは、たつこ姫。秋田新幹線の開業前、盛岡と秋田を結ぶ特急「たざわ」のヘッドマークに描かれていたのは、このたつこ姫の像だ。たつこは、永遠の若さと美しさを願ってお百度参りをした。満願の夜、彼女はお告げどおりに泉の水を飲み干したところ、突然彼女は竜になり、泉も大きな湖になった。竜となったたつこ姫は、湖底に沈んでいったと言われている。
湖を巡るバスは、たつこ姫の像の前で10分ほど停まる。たつこ姫に敬意を表しているかのようだ。(おわり)
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